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第66話
「レオ!」
小走りで駆け寄るレオは今まで見たことのない程の笑顔だった。しかも心からの。
「この前はありがとうございました」
私の側にやってきたレオは少し声を小さくして、私に頭を下げた。
「いいえ。妹さんは元気になった?」
レオは私のその言葉を聞きながら、自然と私の手を取り席へと案内する。帰ろうと思っていた私だが、手を振りほどくわけにもいかず、レオに従って席に着いた。
「貴女のお陰でシルビアはすっかり元気になりました」
「それは良かったわ。薬が効いたのね」
「あと、クッキーも喜んでいて。全部食べちゃうの勿体ないって言ってました……本当にありがとうございます」
隣に腰掛けたレオはそのまま、もう一度大きく頭を下げた。
「ところで……あの叔父さんって方は?」
「あの時、まとまった金を持って行きましたから、当分は来ないと思うんですけど」
レオはそう言って顔を少し顰めた。
「妹さんだけの家に来たりしない?」
「夜は大体飲み歩いてるから大丈夫だと思うんですけど。シルビアには戸締まりだけはきちんとするように言い聞かせてます」
そう言いながらも、レオは心配そうに口をギュッと閉じた。
「……心配なのね」
「まぁ……少し」
本当なら、叔父さんが知らない場所に越して、二度と関わらない方が良いのだろうけど……。助けたい気持ちはある。お金を渡せば解決するのだろうけど、きっとレオはそれを望まない。
「昼間は……」
「シルビアは昼、教会で勉強させてもらってます。俺には学がなくて大した仕事出来ないから、シルビアにはせめて字の読み書きとか計算とか……最低限の知識を身につけて欲しくて。俺は昼間、商会で荷物運びを」
「昼も働いているの?」
「じゃなきゃ、生活出来なくて」
「そう……」
二人の間に重苦しい沈黙が訪れた。レオはそれを振り払うように声を上げた。
「あ!何か飲みますか?すみません気が利かなくて」
「いえ……っ!今日はもう帰ろうと思っていて」
私は小さく手を振って、腰を上げる。
「そう……ですか。じゃあ、扉まで送ります」
レオも私と同じように腰を上げた。
私達はそのまま扉に向かう。……その様子をジッと見つめている人物がいる事を、私はその時は全く気付いていなかった。
小走りで駆け寄るレオは今まで見たことのない程の笑顔だった。しかも心からの。
「この前はありがとうございました」
私の側にやってきたレオは少し声を小さくして、私に頭を下げた。
「いいえ。妹さんは元気になった?」
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「それは良かったわ。薬が効いたのね」
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「ところで……あの叔父さんって方は?」
「あの時、まとまった金を持って行きましたから、当分は来ないと思うんですけど」
レオはそう言って顔を少し顰めた。
「妹さんだけの家に来たりしない?」
「夜は大体飲み歩いてるから大丈夫だと思うんですけど。シルビアには戸締まりだけはきちんとするように言い聞かせてます」
そう言いながらも、レオは心配そうに口をギュッと閉じた。
「……心配なのね」
「まぁ……少し」
本当なら、叔父さんが知らない場所に越して、二度と関わらない方が良いのだろうけど……。助けたい気持ちはある。お金を渡せば解決するのだろうけど、きっとレオはそれを望まない。
「昼間は……」
「シルビアは昼、教会で勉強させてもらってます。俺には学がなくて大した仕事出来ないから、シルビアにはせめて字の読み書きとか計算とか……最低限の知識を身につけて欲しくて。俺は昼間、商会で荷物運びを」
「昼も働いているの?」
「じゃなきゃ、生活出来なくて」
「そう……」
二人の間に重苦しい沈黙が訪れた。レオはそれを振り払うように声を上げた。
「あ!何か飲みますか?すみません気が利かなくて」
「いえ……っ!今日はもう帰ろうと思っていて」
私は小さく手を振って、腰を上げる。
「そう……ですか。じゃあ、扉まで送ります」
レオも私と同じように腰を上げた。
私達はそのまま扉に向かう。……その様子をジッと見つめている人物がいる事を、私はその時は全く気付いていなかった。
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