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第126話
いつものふんわりとした少女のようなアリシア様はもうそこには居ない。
涙で化粧はぐしゃぐしゃだ。──なるほど、嘘泣きではなかったらしい。
しかし……何故今私はアリシア様と睨み合っているのだろう。自分でも今の状況がまだよく分かっていない。
「女の幸せは金を持つ男、顔のいい男、体の相性が良い男を手にすることよ。自分で幸せを掴む?あなただってブラシェールのお金を使って、顔のいいレニーを側に置いているくせに。格好つけないでよ」
馬鹿にしたようなアリシア様の言葉に私は呆れて物が言えない。確かにブラシェール家のお金を使ってるし、レニー様が私の夫であることは間違いない。だからと言って私が何の努力もしていないわけじゃない。
無駄だと思いつつ、反論しようと口を開きかけた時、レニー様が静かにアリシア様へ言った。
「デボラは自分の幸せだけではなく、ブラシェールの領民のことも幸せにするために努力してくれている。君とは大違いだ。それに……僕はデボラが側にいてくれるだけで幸せなんだ。デボラの側に居ることを選んだのは僕の方だ」
思わず口元が緩んでしまった。自分の努力を認めてもらえたようで嬉しい。
しかし、アリシア様はフンと鼻で笑うと高飛車な様子で言った。
「もういいわ。あなた達とは付き合っていられない。クラッド、離縁したいなら、どうぞ。レニー、確かにあなたの顔はいいけど……なんとなく頼りにならないのよね。まぁ、デボラさんを選ぶあなた達二人の気持ちは全く分からないけれど、好きにしたら?女一人を二人で取り合うのが好きなんでしょう?私の時のように。どうぞ、ご勝手に」
突然のアリシア様の変わり様に、私は唖然としてしまう。
「アリシア、君がそう言ってくれるならありがたい。直ぐに離縁の為の書類を用意しよう」
クラッド様が席を立ち上がりかけた時、アリシア様は遮るように言った。
「もう一秒たりともこの家にいたくないわ。書類は適当にあなたがサインしてちょうだい。んー……何なら隣国に送ってくれても構わないわ」
アリシア様は顎に手を当てて少し考える。
「隣国……?」
クラッド様が立ち上がりかけた中途半端な姿勢のまま首を傾げる。
「ええ。私、皇太子殿下について行くことにするから。私を妃にしてくれるそうよ。私は皇族の仲間入りってわけ。じゃあ!」
アリシア様はそう言うと軽く手を上げて、部屋を出て行く。私達は三人ともその後ろ姿を唖然としたまま見送った。
涙で化粧はぐしゃぐしゃだ。──なるほど、嘘泣きではなかったらしい。
しかし……何故今私はアリシア様と睨み合っているのだろう。自分でも今の状況がまだよく分かっていない。
「女の幸せは金を持つ男、顔のいい男、体の相性が良い男を手にすることよ。自分で幸せを掴む?あなただってブラシェールのお金を使って、顔のいいレニーを側に置いているくせに。格好つけないでよ」
馬鹿にしたようなアリシア様の言葉に私は呆れて物が言えない。確かにブラシェール家のお金を使ってるし、レニー様が私の夫であることは間違いない。だからと言って私が何の努力もしていないわけじゃない。
無駄だと思いつつ、反論しようと口を開きかけた時、レニー様が静かにアリシア様へ言った。
「デボラは自分の幸せだけではなく、ブラシェールの領民のことも幸せにするために努力してくれている。君とは大違いだ。それに……僕はデボラが側にいてくれるだけで幸せなんだ。デボラの側に居ることを選んだのは僕の方だ」
思わず口元が緩んでしまった。自分の努力を認めてもらえたようで嬉しい。
しかし、アリシア様はフンと鼻で笑うと高飛車な様子で言った。
「もういいわ。あなた達とは付き合っていられない。クラッド、離縁したいなら、どうぞ。レニー、確かにあなたの顔はいいけど……なんとなく頼りにならないのよね。まぁ、デボラさんを選ぶあなた達二人の気持ちは全く分からないけれど、好きにしたら?女一人を二人で取り合うのが好きなんでしょう?私の時のように。どうぞ、ご勝手に」
突然のアリシア様の変わり様に、私は唖然としてしまう。
「アリシア、君がそう言ってくれるならありがたい。直ぐに離縁の為の書類を用意しよう」
クラッド様が席を立ち上がりかけた時、アリシア様は遮るように言った。
「もう一秒たりともこの家にいたくないわ。書類は適当にあなたがサインしてちょうだい。んー……何なら隣国に送ってくれても構わないわ」
アリシア様は顎に手を当てて少し考える。
「隣国……?」
クラッド様が立ち上がりかけた中途半端な姿勢のまま首を傾げる。
「ええ。私、皇太子殿下について行くことにするから。私を妃にしてくれるそうよ。私は皇族の仲間入りってわけ。じゃあ!」
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