明るいパーティー(家族)計画!勇者になれなかった僕は…

にゃも

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女性は感情で動いてしまう事があるのです

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 「やっちゃった……。」

    レイランは右手首を左手で抑えながら昨日の夜の出来事を思い出し後悔していた。

    海の上、空を飛ぶカモメの鳴き声が自分を責めているようにさえ聞こえてくる。

  「ユウキ、呆れちゃったかな……嫌われたかな」

    踊り子の参加募集締切当日の朝、波に揺られるレイランは海の色と同じ気分であった。

    ユウキが街の人達の為に治療所の拡大版であるらしい病院とやらを作ろうという素晴らしい考えを持っているのはわかっているのだ。そのきっかけの一つが自分が持ってきた案件であり元同僚である先輩のカルメンの足の回復の為にという事であるのだから本来なら文句を言う立場にないのはわかっている。

    それにレイラン自身、過去の話をユウキにあまりした事がなかったのだからレイランがドンの酒場だけでなく有名な踊り子である事を知らないのも無理はないのだ。

   ユウキにこの世界のトップの踊り子というのは元の世界のアイドルのようなものだと教えられる者がおり、ドンの酒場はその中でも有名な事務所のようなものだと説明できていたならきっとこんな事にはならなかったのだろうが、それを説明しろと言うのは無理な話なのである。

    (……まさか私がこんなにも嫉妬深く、プライドの高い女だったなんて)

    昨夜、大事な話があると言ってわざわざ二人で話したいと言ったにも関わらず、蓋を開けてみれば生徒である三人の女性に囲まれて待ち合わせの場所へと来たユウキ。

  「たまたま今日行く店が一緒らしくてさ、もうこの際、皆で食べる感じでもいいんじゃないかなと……話はちゃんと聞くからさ」

    同じ所で食べるなら聞き耳を立てられ余計な事を聞き取られるよりはいいとフレミアが判断したのだろう。

    けれど頭では理解していても心には怒りのポイントが蓄積される。この時点で6ポイント一気に積み上がる。

  「皆は何が食べたい?」

    何故、私とデートのはずなのに、なんで先に他の女性に食べたい物を聞く?ポイント1追加。

  「どうです?マッサージも上手くなったでしょう?」

    入れない元の仕事?の話題で盛り上がりこちらを気にもかけずにイチャイチャと触れ合うとか……当然1ポイント追加。
 
    けれど、そこからは流石にフレミアがレイランの不機嫌オーラに気づき裏で色々と動いたのだろう。レイランをまず気にかけるユウキの姿がそこから始まる。

   なんとか無事に食事を終えて入口で解散した帰り、ようやく二人きりになった所でレイランの怒りメーターは下がり始めかけていた。
   
  「今日は二人きりだね」

   いい雰囲気が急に訪れ、レイランは少し期待した。

   (明日の話をこれからして、二週間会えなくなるから寂しくないようにと前の時と異なりちゃんと二人きりで大人の時間を……)

    それはユウキが地雷を踏む事で叶わなくなる。

  「わかった。なら、先に行っててくれ。二週間以内にはある程度、病院を回せるように三人を鍛えてもらって、大会には行くようにするよ」

  「本当?なら私の事をちゃんと見て応援しててね!優勝するから」

  「あー……それは難しいかも知れない」

   ビキッ

  「……今何て?というかどういう意味」  
 
  「レイランよりもカルメンさんを見ようと思って」

    ツカツカツカ……

    (ちょっ!?馬鹿!言い方ってもんがあるでしょう!)

    周りに誰もいないのを確認するとフレミアは慌ててユウキの目の前に飛び出し頬を叩く。

  「なんだよ!いきなり」

  (馬鹿なの?ねぇー馬鹿なの!レイランを優先させるって言う所でしょーが!)

   レイランはユウキの目の前で止まる。
 
   「仕方がないだろう!身内以外には能力を使わないとか言ったてたけど病院のオーナーとして大会後に運営して貰って稼いで貰ってパトロンになって貰うとか行ってたのフレミアじゃないか。場合によっては抱いてでも助ける事になるだろう?」

   (ちょ!?今その話をしなくたって!それに他の女を抱くとかレイランの前で!)

   ユウキは気づいていないがレイランの怒りの蓄積ポイントが9にまで急上昇しリーチがかかる。

   「それに……そんな大きな大会なら、レイランが優勝出来るかなんてわからないじゃないか。優勝目指すのは凄いと思うけど、カルメンさんの方とブロック制とかで予選の場所が違ったら、決勝にあがれなかった場合は見れずに終わる可能性だってあるだろう?先に謝っといた方が」

    ブチッ

   (ばっ!!そんなわけが……)

    あるわけない。

    そうフレミアが言った言葉は……

    バシンッ!!

  「ユウキなんて大っ嫌い!!」

    レイランが全力で叩いたユウキの頬の音にかき消されたのだった。

   
    そんな訳で……

    (まさか、手を出してしまうなんて)

  「はぁー……二週間後、どんな顔をして会えばいいのよ」

   (水面を飛び跳ねる魚は楽しそうだな。)

    いっそ、もう会わずになんて事を考えそうになったフレミアの耳に不穏な声が聞こえる。
  
「おい!いい加減にしないか!」

    それは青年の声だった。それもすぐ近くから聞こえてきた。

   (何かあったのかな?)

    静かに落ち着いて落ち込んでもいられないらしい。何事かと後ろを振り返ると酒瓶が飛んで来たのである。

「きゃっ!」

   危うく当たりかけて悲鳴をあげてしまう。

 「あん?」

 「貴様ら!他の者の迷惑を考えられないのか!」

 「お!いい女じゃねーか!」

    酒瓶を避けた拍子にフードが捲れてしまったらしい。この手の輩に絡まれないようにフードを被って大人しくしていたというのに。

 「よさないか!」

    身なりの良さそうな青年が二人の男に叫ぶも男達は気にもせずレイランの方へと向かってくる。

  「貴様ら!」

    青年がレイランの前に立ち守ろうと考えたようだが酔っぱらいの男の一人に行く手を阻まれてしまう。
  
  「おっとアンタはオレの相手だ。兄貴!その女に振られたら交代して下さいよ?」

  「誰に言ってんだ?女の首は前後に振らせるものだろうが」

 「流石兄貴!でも、壊すのは上の穴だけにしといて下さいよ?」

    レイランは歩いてくる男に呆れてため息をつく。

  「そういう訳でこっちでミルクでもご馳走してやるよ美人なお姉さん。」

   触れようとしてきた手を払い除ける。

 「申し訳ございません。用事があるのでこれで」

   レイランは男の横を普通に歩いていく。

 「て、テメェー。俺様に恥をかかせやがったな!」

 「恥?断られたのは私に用事があっただけ。恥と思っているのは貴方だけよ?女に声をかけて断られる事が恥だと思うなら初めから声などかけないで下さいね。そんな男に声をかけられた私の方が恥ずかしいですから」

    茹でダコの様に顔を赤らめている男が殴りかかろうとして来るのをレイランはやれやれと久しぶりにどうしようない酔っぱらい相手にため息をつく。

 「ぐっ!?…じょ、女性に手を上げるなど紳士のする事ではないぞ!」

    難無く躱せたはずなのに目の前に現れた青年が顔に拳を直撃させていた。

 「ちょっと!?大丈夫!?」

    レイランは慌てて彼に近づこうとして背後からやって来た男に羽交い締めにされる。

  「おっと!アンタが抱きつくのはそっちじゃなくてあっちだろうが!ヘヘッその前に胸でも」

    いやらしい笑みを浮かべているであろう声が後ろから届くと共に鼻息が耳をくすぐる不快感にレイランは目を顰める。

   (……後の男が気持ち悪いと思ったら本当に気持ち悪くなってきたわ)

 「……うっ。」
 
   船酔いか昔のトラウマか……レイランは男に後ろから抱きつかれるのが苦手であった。

 レイランは我慢出来ずに吐いてしまう。

  「うぷ、うぇっ……」

 「げっ、コイツ吐きやがった。」

 「いいじゃねーか!どーせ、俺様の咥えさせるんだ。遅かれ早かれ同じじゃねーか」

 「兄貴はわかってないですねー。ヤってる最中に強制的に出させるのと、体調悪くて吐かれるのとじゃ違うってもんですよ。このままかけられても嫌ですからね、海の外に吐かせるだけ吐かせますよ?」

 「海の外に船のゴミを吐かせる。いい事をおっしゃいますね。望み通り海に捨ててやりましょう」

「へっ?」

   バキッ!

  何かをへし折る音がすると拘束していた腕の感触が弱まるのを子分の男は感じる。レイランは折れた腕を見て拘束を解いた男の腕からふらつきながらも慌てて逃げると距離を取り倒れ込む。

「お、俺の腕がー!!」

 「さて、ポイっとしましょうか。」

 「う、嘘だろ?俺、腕をアンタに…」

 「知りません。運が良ければその腕でも助かるのではありませんか?ダメでも魔物か魚にでも食べて貰えるでしょう」

    レイランが振り向くとそこには男の首とズボンの腰の部分を掴み、掛け声と共に海へと投げ捨てるメイドがいた。

 「ま、待って!い、いや!待って下さい!お、俺がアンタに何を!」

 「永遠に黙りなさい。餌ヤロウ。」

   そう言うとメイドは容赦なく海に男を投げ捨てたのだ。

 「ジ、ジル!?」

    唖然とする男ににじり寄るメイド姿の女性が手をコキコキと鳴らす。

 「被害者二名。他に目撃者無し。」

 「なっ!?」

 「ギルティーです。」

   男はそのメイドを警戒し見ていたはずだった。それなのに何故声が背後から聞こえるのだろうか。

 「っつ!?て、手が縄で拘束されて!!う、嘘……だろ?こ、殺そうってのか!そんな事が許されるはずが!」

   メイドは傍にあった樽にその縄を括りつけていた。

 「貴方は既に死刑が確定してるのです。喚くなクズが。誰に手をあげたかわからないとは……」

 「誰にって、この女は誰な……」
 
 「手を出すならその女だけにしておけば良かったものを」

   (ちょっと!?)

   レイランは非難の声をあげようとするが気持ち悪さがまたあがってきて黙り込む。

 「ならこのガキのメイドか!」

 「……ガキ?」

   メイドは括りつけていた樽に魔法をかけるとわざとらしく襟を見せる。
  
  「その首の紋章!?」

    メイド服の襟に刺繍された紋章に気づき男が硬直する。

 「お気になさらず。どうせ気づいた所で……」

   メイドは樽を海へと投げ捨てる。

   男の身体が空を舞い視界が反転する。

   (な、何が起こってるんだ?)

   逆さになりながら船から離れていく男は目の上に青の景色が映り込み自分が投げられた樽の重さによって海に放り投げ出された事に遅いながらも気がついた。だが気づいた時には既に打つ手はなくただ深く深く沈むだけであった。

   (なんでこんな所に……)


 「大丈夫ですか?ご主人様」

   メイドが主を抱き起こす。

 「はは、情けない姿を見せてしまったな」

 「全くです。ご主人様は弱くて」

   グフッ!

 「足でまといで」

   ザクッ!

 「マザコン気味で」

 「かはっ!って、最後のは今は関係ないじゃないか!リリス」

    胸を抑え手を空にかざしながら言葉の刃に刺されていた青年が立ち上がる。

 「ま、どうしようもないお人好し何ですけどね」

    そう言って主が助けようとした女性を指さす。

 「あ!しまった。リリス、彼女の手当を早急に行え!これは命令だ!!」

 「しょうがないですね。畏まりました。部屋に運び入れても?」

 「ああ、巻き込んだ詫びもせねばなるまい」

  大丈夫というレイランの言葉を聞かず、メイドはレイランを主の取っていた客室へと運ぶのだった。
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