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午後の授業……約束
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暖かい光、ジンワリと温まる患部。
カルメンの足を今治療しているのはミミルと言う一番幼い娘である。
けれど、魔術をかけられる度に心までもジンワリと暖かくなるようなそんな気がするのは彼女のその笑みからくる安心感からなのかもしれない。
「ありがとう……ミミルちゃん」
カルメンは少し軽くなった自分の足の感触を確かめる。
(凄い)
ただその一言しか出てこない。
何度もうダメだと思った事か、何どいっその事、この足なんかと考えた事だろう。
その足がようやく、慢性的な痛みから開放されたのである。足を床につくと触れた先が痺れるような痛みも踵などの節々に刺すような痛みもしないのだ。だからといって一時的な物かもしれないし、すぐに立ってどうのと言う事ではないのだが、カルメンにとってこれは非常にありがたいことであった。
「皆さん、本当にありがとうございます。確実に効果が出てきているのが分かります」
カルメンの言葉を裏ずけるように腫れてた足も前回よりも、ぐるりと回した毛糸の紐が短く済んでいたのだ。
喜び合う三人を見ながらユウキはフレミアに語りかける。
「凄いな……こうして見ると魔術って」
三人の講師をしていたはずのユウキは改めて魔術の凄さを目の当たりにしたのだ。元の世界にはなかった架空の力。
(……思ったよりも早いわね)
フレミアは何故か不味そうな顔をしていた。
「どうしたんだ?フレミア」
「いえ……治るのが予想よりも早いのよ。何か見落としているような気がするのよね」
いい事なのに見落としている?
「まぁいいじゃん、いい事ならさ」
ユウキの言葉にフレミアはとりあえずその場ではよしとした。
「ユウキさん!」
声を掛けて来たのはミミルの信頼のおける一人であり、マッサージ店の一番の古株のシャリエである。
「私、今日で辞めてきた」
「本当ですか!?」
「私はいくらマッサージ店でやってた所で才能がないと言われて……」
(まー、確かにね)
「少し静かにしてろフレミア」
「 ? 」
「大丈夫ですから、それであそこを辞めることを決意したと」
「はい。でも、稼いでたはずのお金は……教会へ既に善行を行う為の金として寄付と言う形で払ったと言うことで一銭も出せないと」
普通なら役所にでも訴えればいいのだろうが……
「フレミア」
(無理ね、教会はある意味で独立してるのよ。しかも、寄付として支払ったとされてるのよね?……非合法っぽかった流されるか、最悪訴えたこちらが捕まるかもしれないわね。向こうがこの街の役人にいくら払ってるかにもよるけど)
「難しい……か。こちらが提案した手前、住む場所とかは何とかするよ」
「い、いえ。それは大丈夫なんですけど本気でこの街の人達の為にも私はここでユウキさん達の考える治療院で働きたいと改めて伝えておきたいなと」
「住む場所とか、一時的なお金は大丈夫何ですか?」
シャリエは恥ずかしそうに答える。
「実は私、冒険者のブラッドさんに結婚を申し込まれておりまして……」
『なぁにィ!?』
ユウキとフレミアの声が重なった。
それはそうだろうB級の冒険者ブラッド……あんなスキンヘッドの、あんな筋肉テカテカの筋肉大好き人間と思ってた人が申し訳ないが筋肉もそんなに無く、普通の一般女性という感じの目の前のシャリエが好きだと言う。
そして、この反応だと逆もまた然り。
「今回の話をしたら賛成してくれて。私は生まれたこの街で、街の人の為に出来ることをしたいと言ったら、なら僕もこの街に残ります。好きな事をしてください。何かあれば私が貴女を守りますと言ってくれて……その、今日から彼の元に。ちゃ、ちゃんと時間は守りますし、秘密も守りますから!!」
「あ、はい。」
もう一人のチェンバさんは一緒に辞めるのは不味いだろうという事で新しい新人が入る予定の来週に時間をズラして辞めることを伝えるという。
彼女はまだそういう相手がいない20歳だという事なのでカルメンに相談し2階の空き部屋に住まわせて貰うこととなった。
問題は……ミミル姉妹である。
「まだ……使っちゃダメなんですよね?」
「そうだね、足などよりも目を回復させるのは……難しいらしいんだ。それに見えなくなってから時間が空いてるからね。回復魔術をある程度使いこなせるようになってからの方がいい」
これはフレミアの真面目な見解である。ユウキの能力であれば問題ないだろうという事なのだが、ミミルの手で治させるとなるとやはり力のコントロールにまだ不安があるとの事である。
「覚えたから皆、同じレベルで同じ回復魔術を使えると言うわけでわないのよ。その人の能力により、10回復するのも6になったり、逆に15になったりもするのよ。ミミルって娘はその落差が激しいのよ。才能は群を抜いてあるのだけれども精神状態によって15だったり6だったり。安定性がないというのはいくら最大値が高かろうと実践の場ではなかなか使い所が難しいのよ。だから、もっと慣れてからでないと難しいわね」
残念がっているミミルの頭を撫でる。
「大丈夫だよ。きっと治るから」
「そうですよね……うん、そうですね」
ミミルはユウキに礼をすると二人と共にカルメンを部屋へと運んでいく。
「そう言えばカルメンが雇ってた食事とかの買出しを頼んでた人には来週からはいいと言っといたわよ。チェンバも住み込みでいるのだし、シャリエにもここにしばらく住み込むようにお願いしたわ。旦那も込みでオーケーといったら喜んでたわよ」
「レイランにそう言ってもらったのか?」
「まーね。当然カルメンの許可を得てだけどね。よく考えてみなさいよ、Bクラスの護衛がこの治療院にタダで来るのよ?もしかしたら仲間もたまに来てくれるだろうし……冒険に行ってる最中は、きな臭い連中が来ても大丈なように冒険者仲間に依頼する事も考えてくれるそうよ。……ラブラブよね」
何で最後だけ唾を吐き捨てるような言い方をするのか……
「とにかく、多少は安心出来るはずよ。さてと、皆が戻って来たら残りの時間は開店に向けての準備の話と狙いとかを共有していきましょう。値段も決めないといけないしね。」
「申請の方は大丈夫なのか?」
「問題無いわ。ちゃんとこういう時の為に私の印だけは持ってきてあるから」
「いや、行方不明扱いじゃ……」
「大丈夫よ。お父様にも書き置きを残して置いたし。姉くらいでしょうね、それに気づいて悔しがるのは。あの人、性格歪みまくりの最低な人間だから。死んだお母様にも似てるから弄ばれてたし」
「……王族って。でもそれじゃーお姉さんがフレミアを死んだと言えば」
「大丈夫よ、お父様は姉を母の面影のある人形としか見てないから。私の事は娘として溺愛してるのよ。だからたまに手紙を書いてるのよ」
「なら、そっちは頼むな」
「任せなさいって!直通で申請書を送っといたから」
トントントンッ
階段を降りてくる複数の音がする。
「さて、それじゃー残る仕事をやってしまいますか!フレミア宜しくな!」
「任せなさい!この国での金儲けの話しなら私に任せておきなさい!職権とは乱用するためにあるのよ!」
「いや、それはダメだろう」
カルメンの足を今治療しているのはミミルと言う一番幼い娘である。
けれど、魔術をかけられる度に心までもジンワリと暖かくなるようなそんな気がするのは彼女のその笑みからくる安心感からなのかもしれない。
「ありがとう……ミミルちゃん」
カルメンは少し軽くなった自分の足の感触を確かめる。
(凄い)
ただその一言しか出てこない。
何度もうダメだと思った事か、何どいっその事、この足なんかと考えた事だろう。
その足がようやく、慢性的な痛みから開放されたのである。足を床につくと触れた先が痺れるような痛みも踵などの節々に刺すような痛みもしないのだ。だからといって一時的な物かもしれないし、すぐに立ってどうのと言う事ではないのだが、カルメンにとってこれは非常にありがたいことであった。
「皆さん、本当にありがとうございます。確実に効果が出てきているのが分かります」
カルメンの言葉を裏ずけるように腫れてた足も前回よりも、ぐるりと回した毛糸の紐が短く済んでいたのだ。
喜び合う三人を見ながらユウキはフレミアに語りかける。
「凄いな……こうして見ると魔術って」
三人の講師をしていたはずのユウキは改めて魔術の凄さを目の当たりにしたのだ。元の世界にはなかった架空の力。
(……思ったよりも早いわね)
フレミアは何故か不味そうな顔をしていた。
「どうしたんだ?フレミア」
「いえ……治るのが予想よりも早いのよ。何か見落としているような気がするのよね」
いい事なのに見落としている?
「まぁいいじゃん、いい事ならさ」
ユウキの言葉にフレミアはとりあえずその場ではよしとした。
「ユウキさん!」
声を掛けて来たのはミミルの信頼のおける一人であり、マッサージ店の一番の古株のシャリエである。
「私、今日で辞めてきた」
「本当ですか!?」
「私はいくらマッサージ店でやってた所で才能がないと言われて……」
(まー、確かにね)
「少し静かにしてろフレミア」
「 ? 」
「大丈夫ですから、それであそこを辞めることを決意したと」
「はい。でも、稼いでたはずのお金は……教会へ既に善行を行う為の金として寄付と言う形で払ったと言うことで一銭も出せないと」
普通なら役所にでも訴えればいいのだろうが……
「フレミア」
(無理ね、教会はある意味で独立してるのよ。しかも、寄付として支払ったとされてるのよね?……非合法っぽかった流されるか、最悪訴えたこちらが捕まるかもしれないわね。向こうがこの街の役人にいくら払ってるかにもよるけど)
「難しい……か。こちらが提案した手前、住む場所とかは何とかするよ」
「い、いえ。それは大丈夫なんですけど本気でこの街の人達の為にも私はここでユウキさん達の考える治療院で働きたいと改めて伝えておきたいなと」
「住む場所とか、一時的なお金は大丈夫何ですか?」
シャリエは恥ずかしそうに答える。
「実は私、冒険者のブラッドさんに結婚を申し込まれておりまして……」
『なぁにィ!?』
ユウキとフレミアの声が重なった。
それはそうだろうB級の冒険者ブラッド……あんなスキンヘッドの、あんな筋肉テカテカの筋肉大好き人間と思ってた人が申し訳ないが筋肉もそんなに無く、普通の一般女性という感じの目の前のシャリエが好きだと言う。
そして、この反応だと逆もまた然り。
「今回の話をしたら賛成してくれて。私は生まれたこの街で、街の人の為に出来ることをしたいと言ったら、なら僕もこの街に残ります。好きな事をしてください。何かあれば私が貴女を守りますと言ってくれて……その、今日から彼の元に。ちゃ、ちゃんと時間は守りますし、秘密も守りますから!!」
「あ、はい。」
もう一人のチェンバさんは一緒に辞めるのは不味いだろうという事で新しい新人が入る予定の来週に時間をズラして辞めることを伝えるという。
彼女はまだそういう相手がいない20歳だという事なのでカルメンに相談し2階の空き部屋に住まわせて貰うこととなった。
問題は……ミミル姉妹である。
「まだ……使っちゃダメなんですよね?」
「そうだね、足などよりも目を回復させるのは……難しいらしいんだ。それに見えなくなってから時間が空いてるからね。回復魔術をある程度使いこなせるようになってからの方がいい」
これはフレミアの真面目な見解である。ユウキの能力であれば問題ないだろうという事なのだが、ミミルの手で治させるとなるとやはり力のコントロールにまだ不安があるとの事である。
「覚えたから皆、同じレベルで同じ回復魔術を使えると言うわけでわないのよ。その人の能力により、10回復するのも6になったり、逆に15になったりもするのよ。ミミルって娘はその落差が激しいのよ。才能は群を抜いてあるのだけれども精神状態によって15だったり6だったり。安定性がないというのはいくら最大値が高かろうと実践の場ではなかなか使い所が難しいのよ。だから、もっと慣れてからでないと難しいわね」
残念がっているミミルの頭を撫でる。
「大丈夫だよ。きっと治るから」
「そうですよね……うん、そうですね」
ミミルはユウキに礼をすると二人と共にカルメンを部屋へと運んでいく。
「そう言えばカルメンが雇ってた食事とかの買出しを頼んでた人には来週からはいいと言っといたわよ。チェンバも住み込みでいるのだし、シャリエにもここにしばらく住み込むようにお願いしたわ。旦那も込みでオーケーといったら喜んでたわよ」
「レイランにそう言ってもらったのか?」
「まーね。当然カルメンの許可を得てだけどね。よく考えてみなさいよ、Bクラスの護衛がこの治療院にタダで来るのよ?もしかしたら仲間もたまに来てくれるだろうし……冒険に行ってる最中は、きな臭い連中が来ても大丈なように冒険者仲間に依頼する事も考えてくれるそうよ。……ラブラブよね」
何で最後だけ唾を吐き捨てるような言い方をするのか……
「とにかく、多少は安心出来るはずよ。さてと、皆が戻って来たら残りの時間は開店に向けての準備の話と狙いとかを共有していきましょう。値段も決めないといけないしね。」
「申請の方は大丈夫なのか?」
「問題無いわ。ちゃんとこういう時の為に私の印だけは持ってきてあるから」
「いや、行方不明扱いじゃ……」
「大丈夫よ。お父様にも書き置きを残して置いたし。姉くらいでしょうね、それに気づいて悔しがるのは。あの人、性格歪みまくりの最低な人間だから。死んだお母様にも似てるから弄ばれてたし」
「……王族って。でもそれじゃーお姉さんがフレミアを死んだと言えば」
「大丈夫よ、お父様は姉を母の面影のある人形としか見てないから。私の事は娘として溺愛してるのよ。だからたまに手紙を書いてるのよ」
「なら、そっちは頼むな」
「任せなさいって!直通で申請書を送っといたから」
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