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17 究極ボッチは小型犬に吠えられる。

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次の日から、私とサフィーの関係は通常に戻った。

ナキッシュ殿下は、今のところ何も言ってこない。

それ以外で変わったことといえば、教室の皆さまが目すら合わせてくれなくなったことかな?

なぜ?

完全ボッチから、究極ボッチへ進化しました。
関わりたくない?そうですか。

泣いてもいいですか?

「ランチの時は、私が一緒にいるのだからいいじゃない」

誰のせいだと思うのですか。
このボッチ元凶め。

「殿下は?」
「全然。静かなものだわ」

殿下の悪だくみは、すでにサフィーに筒抜けと認識していると思う。
何事もないのはいいことだけど・・・不気味。

「めんどくさいから、放置しときましょ。
きっと、生徒総会の準備で忙しいのよ。」

生徒総会かぁ。二週間後だもんね。
提案とか予算報告とか、書類まとめは大変そう。

ランチの後、サフィーと別れ、教室へと向かう。

あれ?
嫌がらせ三人衆がこちらを見てひそひそ?
言いたいことがあるなら、言えばいいのに。

目があった。
にっこりと微笑んでみた。

あれ?
こちらに近づいてきた。
なぜか、怒ってる。

「あなた、サフィアス様に気に入られてるからって、少し調子にのってるのではありません?」

ダーナ嬢が眦を吊りあげて怒ってらっしゃる。


ここで一句。

友好の
笑顔を向けて 
絡まれる。

理不尽。


これは、私が社会不適合者だからなのか。
あのサフィーの陰口、陰口じゃなくてただの真実だとしたら凹む。

ため息が出る。

「ふん!私たちにそんな態度を取っていられるのも、今のうちだけですわ。
あなたなんて、そのうち学園にいられなくなってしまうのですから」

ダーナ嬢が意地の悪い顔で、にやりと笑う。

そんな彼女をじっと見つめる。

・・・・
・・・・


「な、なんですの?!何か言ったらどうですの?」
「ダーナ様」
「な、なによ?」
「ダーナ様って、小型犬みたいですよね。キャンキャンとかみついてくる感じが」
「な!失礼な人ね!」

失礼だったかな。
表情豊かだし、可愛いと思ったのだけど。

「こんな方、相手にしてられないわ。いきますわよ」

踵を返す。

その後を残りの二人が急いで追いかけていく。

二人・・・
あれ?もう一人、誰かいたみたい。
新加入?

ピンクがかったブロンド。
ちらりとしか見えなかったけど、けっこう綺麗な人だったような。

大人しかったダーナ嬢たちが、真正面から絡んできたということは何かあったということだろう。


サフィーに対抗できる大物が、彼女たちについたか・・・。



「ま、いっか」


午後の授業の準備のために、私も足早に教室へと向かった。


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