恋人に浮気された腹いせに男娼を買ったら人生狂った。(完全版)

まりあ

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第二部。過去の回想。偽物だった男娼の純情な感情(クロノス)

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クロノス・ナイトレイは、幼い頃からとても綺麗な子供だった。

黒い髪と、紫の瞳。小さな顔は、まるで見本のように整っていた。
その笑顔は見るものを魅了し、一族の誇りだった。



彼の姿を見た隣国の王女が一目惚れをするほどだ。



隣国の王は娘かわいさに、ナイトレイ家の意思とは無関係に無理やりクロノスを娘の婚約者にした。



学生時代もクロノスは散々モテてきたけれど、婚約者に義理立てして、誰とも付き合うことはなかった。



親友であり、悪友、ヴァイオレットも絵に描いたような美形で、正反対の性格のふたりは、何故だかウマがあっていつでも一緒にいた。



同じく色男であり、線の細いイケメン、

女癖の(男癖も)悪い幼なじみのヴァイオレットが飽きもせず、恋人をとっかえひっかえする様を

クロノスはずっと近くで見てきた。

ヴァイオレット自身はオリム以外に付き合った人はいないと後に言っているので、みんな遊びだったのかもしれないが。



そして運命のあの日、夜の森でクロノスはオリムと出会う。



クロノスにとって天使であり、英雄であるオリム。

オリムはクロノスの知る他の誰とも違った。

崇拝にも近い気持ちで慕っていた。初恋であり永遠の憧れ。

オリムと出会った衝撃を、クロノスは生涯忘れることは出来ない。



だけどオリムを追いかけて王宮に就職し、騎士団に入団した時も
クロノスはオリムに声をかけることはできなかった。
目も合わせてもらえないことは問題じゃない。
自分には婚約者がいるからだ。

オリムを巻き込んで迷惑をかけたくないと思った。



だから、ヴァイオレットが一生懸命オリムの気を引こうとしている姿を、何も出来ずにただ見ていただけだ。

どちらからだったかは覚えていない、だけどあんなに仲が良かったクロノスとヴァイオレットは、口もきかなくなった。





王宮勤めをしている間もクロノスはモテた。

非公式のファンクラブが出来たほどに。



さらには第一王子である、ルキウス殿下にも気に入られ、つけ回されるようになった。

王もそれをわかっていて、毎回クロノスを王子の護衛役や指南役に選んだ。

クロノスを盲目的に慕う王子と、面倒見の良いクロノスとの性格的な相性はとても良かった。

ふたりはすぐに仲良くなった。

だけどクロノスの王子に対する思いは親愛であり、実の弟のように思っていた。

王子もそれをわかっていて

それでもいいとなついていた。
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