恋人に浮気された腹いせに男娼を買ったら人生狂った。(完全版)

まりあ

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第二部。あれから一年後。オリム、さらわれる

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平和な日常が続いていたある日、国境(くにざかい)に魔物が沸いているという報告が入った。
今は暇な状況なので、誰でも行ける。
自分ひとりでも殲滅には充分な魔物量だとは思ったが、念のため、もう一人魔術師を連れて行くことにした。

同行者に選んだエドは、入団1年目の若い魔術師で実践経験を積ませるのにはちょうど良さそうだと思った。


「オレも行く」と言い張るヴァイオレットには留守番させる。
クロノスまでついてくると言い出したから、過保護さに呆れながら「自分の仕事をしろ」と言った。

魔物の討伐で片目を失って引退したんだから、心配するのも無理はないのかもしれないが。
オレこんなでも一応魔術師長なんですけど。

「なめるなよ、オレ結構強いから。」
そう言ったオレに、クロノスはまだ何か言いたそうな顔をする。
宮廷魔術師がどんな仕事かわかっているだろ?
たまたま平和が続いているだけで、魔物討伐なんて日常茶飯事なのに。
「そんな顔するなって。オレを信じてよ。
もし何かあったら、助けに来てくれ。な?」
「…わかりました。待ってるね。気をつけて」
クロノスは健気に笑顔を作ったあと、わかりやすくしょんぼりした。



帯同する2人の騎士はどちらも新人で、
ヴァイオレットが憤慨していた。
「なんであっちの団長は自分が出向かないで足手まといを寄越すんだよ。暇なくせに!!」

「足手まといとか言うんじゃねーよ。あちらの団長殿にも考えがあるんだろ。新人に経験積ませるのにちょうどいいレベルだからな」

というか、オレは騎士団団長は苦手だから、あちらが団長で来たら、マットに行ってもらうつもりだった。
貴族の中で働く、平民出身の魔術師長は肩身が狭いのだ。
クロノスの時も勝手に会わず嫌いで、オレは一方的に避けていた。だから現役時代は一緒に遠征に行ったことはない。

「クロノスは!クロノスは…こんなことしなかった」
そう言ったヴァイオレットに思わずにやついてしまう。
うんうん。なんだかんだ言ってクロノスを信頼してるんだよな。

生温かい視線をおくるオレに、ヴァイオレットは眉根を寄せて眉尻を上げた。
「リィがなんて言ってもオレはついていくから!!」

「ダメだ。お前は宮廷にいろ。オレがいなくなったら、お前が一番実力あるんだから、しっかり城を守っててくれ」

「オレは城がどうなろうと知ったことじゃないんだよ」
と問題発言をするヴァイオレットに
「言うこときけ、ばか」と言ってぐしゃぐしゃと乱暴に髪を乱しながら頭を撫でると、

「ずるい」ボサボサになった髪で、頬を赤らめて大人しくなった。
今のに頬を赤らめる要素はあっただろうか?



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