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最終章(クロノス視点)
9最終話
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僕が官僚に復帰後。
すぐに、仕えていた王子──ルキウス殿下が即位し、
僕は新王の側近へと昇進した。
それに伴い、僕たちの新居も王宮内へと移った。
すると今度は、「王は側近の言いなりだ」という妙な噂が流れ出したが、
陛下はそれさえ楽しんでいるようだった。
「言いなりにもなるだろ?
クロノス、お前がそばにいてくれるなんて夢みたいだからね。」
茶目っ気たっぷりに陛下は言うけど、目だけは本気だ。
「そう言う、オリムさんに勘違いさせるような発言はやめてくださいね……」
陛下は目を泳がせた。「う…ごめんなさい」
(クロノス…笑ってるのに背筋が凍える)
今の僕の立つ場所は、過去に思い描いたどの未来とも違う。
僕は王女を伴侶とせず、爵位も弟に譲った。
右目の傷は消え、
届くはずのない憧れに手が届いた。
僕の伴侶はこの国で一番の魔術師だ。
彼が、僕の世界を光で満たしたんだ。
もし将来、戦争が起きることがあれば、帯同させて欲しいと思っていた。
だけど、オリムさんは決して首を縦には振らなかった。
「ダメだ。お前を戦場に連れては行けない」
「でも、あなたを守りたいんです。今度こそ、きっと」
「クロノス。
お前のいる場所が、オレの帰る場所なんだ。
国のために命を賭けられるほど、オレは立派じゃない。
お前が待ってくれてるから、戦えるんだよ。
だから…そこを空けないでくれ」
オリムさんは怖いくらい真剣な顔で言う。
「なんでも僕の好きにしていいって言ったくせに」
「それ以外はいいよ。でも、それだけはダメだ」
絶対に譲らないオリムさんに、僕はため息を吐いて微笑む。
「そう言われちゃうかなと思ってました。
いいよ。オリムさんの意志を尊重します。
…それと、僕、王子の世話係に戻ります」
「……えっ、それって」
「寿退職したけど、呼び戻されました」
「だって、まだ1ヶ月しか…
…断らないのか?」
「断りません。オリムさんの返事次第だったから」
オリムさんは息を詰めたが、瞳は揺るがなかった。
「怒っているのか?
それでも戦争のことだけはゆずれない」
(想定の範囲内)
だけど…
「あなたに置いていかれるなんて、僕が許すと思いますか?」
「…そんなこと言うなよ」
「ふふ、冗談です。怒ってないよ。好きにさせてもらうだけです。
この1ヶ月、一緒に過ごした時間、すごく幸せでした。
…少しだけ、寂しくなりますけど」
オリムさんが僕を守ろうと思ってくれているように、僕だってオリムさんを守りたい。
戦争に連れていってもらえないなら、世界のほうを変えるだけだ。
首を傾げるオリムさんに、僕は笑って首を振る。
「なんでもありません」
オリムさんが僕の手を引き寄せた。
絡めた僕の指には、オリムさんの所有の証の指輪が光っている。
存在感を主張する、普段使いにはむかない大きな宝石のついたリング。
これからも、きっといろいろなことがあるだろう。
それでも僕は、オリムさんを絶対に守るし、手放すつもりもない。
オリムさんと一緒なら、どんな困難でも乗り越えられると思うから。
僕を満たす光は消えない。
おわり。
すぐに、仕えていた王子──ルキウス殿下が即位し、
僕は新王の側近へと昇進した。
それに伴い、僕たちの新居も王宮内へと移った。
すると今度は、「王は側近の言いなりだ」という妙な噂が流れ出したが、
陛下はそれさえ楽しんでいるようだった。
「言いなりにもなるだろ?
クロノス、お前がそばにいてくれるなんて夢みたいだからね。」
茶目っ気たっぷりに陛下は言うけど、目だけは本気だ。
「そう言う、オリムさんに勘違いさせるような発言はやめてくださいね……」
陛下は目を泳がせた。「う…ごめんなさい」
(クロノス…笑ってるのに背筋が凍える)
今の僕の立つ場所は、過去に思い描いたどの未来とも違う。
僕は王女を伴侶とせず、爵位も弟に譲った。
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彼が、僕の世界を光で満たしたんだ。
もし将来、戦争が起きることがあれば、帯同させて欲しいと思っていた。
だけど、オリムさんは決して首を縦には振らなかった。
「ダメだ。お前を戦場に連れては行けない」
「でも、あなたを守りたいんです。今度こそ、きっと」
「クロノス。
お前のいる場所が、オレの帰る場所なんだ。
国のために命を賭けられるほど、オレは立派じゃない。
お前が待ってくれてるから、戦えるんだよ。
だから…そこを空けないでくれ」
オリムさんは怖いくらい真剣な顔で言う。
「なんでも僕の好きにしていいって言ったくせに」
「それ以外はいいよ。でも、それだけはダメだ」
絶対に譲らないオリムさんに、僕はため息を吐いて微笑む。
「そう言われちゃうかなと思ってました。
いいよ。オリムさんの意志を尊重します。
…それと、僕、王子の世話係に戻ります」
「……えっ、それって」
「寿退職したけど、呼び戻されました」
「だって、まだ1ヶ月しか…
…断らないのか?」
「断りません。オリムさんの返事次第だったから」
オリムさんは息を詰めたが、瞳は揺るがなかった。
「怒っているのか?
それでも戦争のことだけはゆずれない」
(想定の範囲内)
だけど…
「あなたに置いていかれるなんて、僕が許すと思いますか?」
「…そんなこと言うなよ」
「ふふ、冗談です。怒ってないよ。好きにさせてもらうだけです。
この1ヶ月、一緒に過ごした時間、すごく幸せでした。
…少しだけ、寂しくなりますけど」
オリムさんが僕を守ろうと思ってくれているように、僕だってオリムさんを守りたい。
戦争に連れていってもらえないなら、世界のほうを変えるだけだ。
首を傾げるオリムさんに、僕は笑って首を振る。
「なんでもありません」
オリムさんが僕の手を引き寄せた。
絡めた僕の指には、オリムさんの所有の証の指輪が光っている。
存在感を主張する、普段使いにはむかない大きな宝石のついたリング。
これからも、きっといろいろなことがあるだろう。
それでも僕は、オリムさんを絶対に守るし、手放すつもりもない。
オリムさんと一緒なら、どんな困難でも乗り越えられると思うから。
僕を満たす光は消えない。
おわり。
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