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最終章(クロノス視点)
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週末には魔術師団と騎士団が、合同でサプライズパーティーを開いてくれた。
ヴァイオレット以外の、所属するほぼ全員が出席してくれて、室内は花と光の魔法で彩られ、笑顔と拍手であふれていた。
こんなにも慕われている人と、幸せになろうと心に誓った。
結婚後の生活では、オリムさんが「なんでも好きにしていい」と言ってくれたので、
僕は仕事を辞めて、彼につきっきりでお世話をすることにした。
王子からも、オリムさんの仕事に同行できる特別な権限をもらった。
今度こそ、ちゃんと隣で彼を守ろうと思う。
だけどオリムさんはその日のうちに不満を漏らした。
「オレは成人男性で魔術師長で威厳が必要なんだ!
抱っこで登場は本当に困る。」
腕の中でバタバタと暴れるオリムさんをおろす。
「何をしててもいいって言ってくれましたよね!」
「うっ…」
「僕のこと…好きじゃないの?邪魔ですか?」
壁と腕の間にオリムさんを閉じ込めて見つめると、
彼は頬を染めて目をそらした。
「邪魔じゃない。
お前のことは大好きに決まってる。けど…」
「嬉しい」
彼の顎をグッと持ち上げて目線を合わせる。
お互い見つめあって、自然と唇が重なりかけた…直前で慌ててオリムさんが顔を離した。
「って危なっ。ここ職場っっ
お前、本当はチャームの魔法使ってるだろ。」
「そんな訳ないじゃないですか。使ってるならオリムさんでしょ。めちゃめちゃ可愛いですけど」
「か、かわっ……て…
まぁ、綺麗とはそれなりに言われるけど…じゃなくてっっ
お前こそ可愛すぎるの何とかしてくれ。」
「僕だってオリムさんのこと綺麗だといつも思ってますよ。だけどそれ以上に可愛い」
「ちょっ、お前もお、なんなんだよ。
うぅ…何だこれ、マジで好きすぎて、お前を注意できない。」
顔まで真っ赤にして照れるオリムさんが、
やっぱり世界でいちばん可愛かった。
「はいはい、オリム先輩。旦那さんといちゃついて百面相してないで、ちゃんと仕事しましょうねー。
クロノス様もおはようございます。朝からお顔が良いですね。目の保養をありがとうございます!
今日はヴァイオレット様とケンカして泣かせないでくださいね」
朝の廊下に、マットくんの軽快な声が響いた。
驚いたオリムさんは、ぴたりと動きを止める。
「おまっ、いつから見てた!?」
「抱っこされてこまる~♡ってところからです」
「そ、そんな言い方してないだろ……!」
「マットくん、おはよう。今日もよろしくね」
僕は笑顔でマットくんに挨拶を返した。
そのとき、背後から低い声が割り込む。
「おい、誰が泣いたって? リィにデマを吹き込むんじゃねーよ」
眉を寄せたヴァイオレットが現れると、
「ヴァイオレット様!!」
ぱっと花が咲いたように、マットくんの表情が明るくなる。
ヴァイオレットはそんなマットくんを完全に無視して、甘い声でオリムさんに向き直った。
「リィ、おはよう。今日の編み込みも可愛いね」
その手はオリムさんの髪に伸びる。
その編み込みは、僕がやった。
僕はヴァイオレットの手を軽く払って、
まだ真っ赤に固まっているオリムさんの手を取った。
「さあ、今日もお仕事頑張りましょう」
周囲が一瞬静まり、マットくんが小声でつぶやく。
「……クロノス様の甘やかしモード入りました。朝からあま~」
「マット!! 聞こえてる!」
オリムさんが耳まで真っ赤にして振り返り、
マットくんは慌てて距離をとった。
その後、オリムさんは僕に気を取られて仕事にならない日々が続いた。
「魔術師長は旦那に骨抜きにされて仕事にならない」という噂が王宮に瞬く間に広がった。
その一ヶ月間を、のちにマットくんは
『魔術師長が恋に溺れて、職場が崩壊した一ヶ月』と呼んだ。
何故『1ヶ月』なのかと言うと、
1ヶ月後、僕は官僚の職(という名の王子の世話係)に復帰したからだ。
ヴァイオレット以外の、所属するほぼ全員が出席してくれて、室内は花と光の魔法で彩られ、笑顔と拍手であふれていた。
こんなにも慕われている人と、幸せになろうと心に誓った。
結婚後の生活では、オリムさんが「なんでも好きにしていい」と言ってくれたので、
僕は仕事を辞めて、彼につきっきりでお世話をすることにした。
王子からも、オリムさんの仕事に同行できる特別な権限をもらった。
今度こそ、ちゃんと隣で彼を守ろうと思う。
だけどオリムさんはその日のうちに不満を漏らした。
「オレは成人男性で魔術師長で威厳が必要なんだ!
抱っこで登場は本当に困る。」
腕の中でバタバタと暴れるオリムさんをおろす。
「何をしててもいいって言ってくれましたよね!」
「うっ…」
「僕のこと…好きじゃないの?邪魔ですか?」
壁と腕の間にオリムさんを閉じ込めて見つめると、
彼は頬を染めて目をそらした。
「邪魔じゃない。
お前のことは大好きに決まってる。けど…」
「嬉しい」
彼の顎をグッと持ち上げて目線を合わせる。
お互い見つめあって、自然と唇が重なりかけた…直前で慌ててオリムさんが顔を離した。
「って危なっ。ここ職場っっ
お前、本当はチャームの魔法使ってるだろ。」
「そんな訳ないじゃないですか。使ってるならオリムさんでしょ。めちゃめちゃ可愛いですけど」
「か、かわっ……て…
まぁ、綺麗とはそれなりに言われるけど…じゃなくてっっ
お前こそ可愛すぎるの何とかしてくれ。」
「僕だってオリムさんのこと綺麗だといつも思ってますよ。だけどそれ以上に可愛い」
「ちょっ、お前もお、なんなんだよ。
うぅ…何だこれ、マジで好きすぎて、お前を注意できない。」
顔まで真っ赤にして照れるオリムさんが、
やっぱり世界でいちばん可愛かった。
「はいはい、オリム先輩。旦那さんといちゃついて百面相してないで、ちゃんと仕事しましょうねー。
クロノス様もおはようございます。朝からお顔が良いですね。目の保養をありがとうございます!
今日はヴァイオレット様とケンカして泣かせないでくださいね」
朝の廊下に、マットくんの軽快な声が響いた。
驚いたオリムさんは、ぴたりと動きを止める。
「おまっ、いつから見てた!?」
「抱っこされてこまる~♡ってところからです」
「そ、そんな言い方してないだろ……!」
「マットくん、おはよう。今日もよろしくね」
僕は笑顔でマットくんに挨拶を返した。
そのとき、背後から低い声が割り込む。
「おい、誰が泣いたって? リィにデマを吹き込むんじゃねーよ」
眉を寄せたヴァイオレットが現れると、
「ヴァイオレット様!!」
ぱっと花が咲いたように、マットくんの表情が明るくなる。
ヴァイオレットはそんなマットくんを完全に無視して、甘い声でオリムさんに向き直った。
「リィ、おはよう。今日の編み込みも可愛いね」
その手はオリムさんの髪に伸びる。
その編み込みは、僕がやった。
僕はヴァイオレットの手を軽く払って、
まだ真っ赤に固まっているオリムさんの手を取った。
「さあ、今日もお仕事頑張りましょう」
周囲が一瞬静まり、マットくんが小声でつぶやく。
「……クロノス様の甘やかしモード入りました。朝からあま~」
「マット!! 聞こえてる!」
オリムさんが耳まで真っ赤にして振り返り、
マットくんは慌てて距離をとった。
その後、オリムさんは僕に気を取られて仕事にならない日々が続いた。
「魔術師長は旦那に骨抜きにされて仕事にならない」という噂が王宮に瞬く間に広がった。
その一ヶ月間を、のちにマットくんは
『魔術師長が恋に溺れて、職場が崩壊した一ヶ月』と呼んだ。
何故『1ヶ月』なのかと言うと、
1ヶ月後、僕は官僚の職(という名の王子の世話係)に復帰したからだ。
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