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第一部。オリム、クロノスの人生を狂わせる
幕間②日差しの中の天使
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次の日の朝、クロノスの体温に包まれて目を覚ました。
穏やかに寝息をたてるあどけない顔。
夢じゃなかった。
昨日のことを思い出す。
拒まなかった。拒めなかった。
しばらくクロノスの顔を見ていた。
差し込んだ光は、彼の黒髪をキラキラ輝かせ、明るく見えた。
クロノスがいるだけで、部屋の色が優しくなったような気がする。
嬉しいのに怖くて、息がつまる。
やがて目覚ましが鳴り、オレは起き上がった。布団から出ようとしたオレをクロノスの腕が甘えるように絡み付いて阻止した。
「どうした?いつも寝坊するのに珍しいな。今日だけはいいよ、寝てな」
オレは言ったけど、クロノスは一緒に起きてきた。
「朝食は僕が作ります。オリムさんは仕事に行く用意して」
あんなことがあったわりにクロノスは元気だった。
憂いなくにっこり笑うクロノスは、
とても爵位を、領地を、家族を捨ててきた顔には見えなかった。
「まともに食事してなかったでしょ、ちゃんと食べないと」
クロノスは言いながら自分のぶんのハムもオレのパンの上に乗せた。
かじりつくと、ちゃんと味がした。
確かにまともなものを食べてなかった。
あ…
「賞味期限…!!!」
クロノスに古いものを食べさせるわけにはいかない。
クロノスが微笑む。
「大丈夫。昨日、新しいものを持ってきてましたから」
「え…
やけに準備がいいな…
ありがとう…」
「どういたしまして」
スープをスプーンで掬ってクロノスがオレの口の前まで差し出す。
一緒に住んでいた時みたいだ。
ふいに鼻の奥がツンとして、視界がうるんだ。
差し出されたスプーンが細かく揺れていて、
クロノスの瞳があまりに真剣だったことには気づかないふりをした。
「どうですか?」
「ん…、すごく、うまいよ」
言った声はかすれた。
「よかった」
微笑むクロノスに
何気なくオレはきいた。
「クロノス、仕事はどうするんだ…?」
(当面はオレが養うとして…)
「明日から、官僚として王宮に再就職します」
「え…」
もう仕事が決まっていることにびっくりした。
(いつそんな準備を…?本当に、行く場所がなくてオレを頼ったんだろうか…)
ちらりと疑問が浮かびかけて、オレは思考に蓋をした。
クロノスは光の中で笑ってて、天使みたいだな、と思った。
穏やかに寝息をたてるあどけない顔。
夢じゃなかった。
昨日のことを思い出す。
拒まなかった。拒めなかった。
しばらくクロノスの顔を見ていた。
差し込んだ光は、彼の黒髪をキラキラ輝かせ、明るく見えた。
クロノスがいるだけで、部屋の色が優しくなったような気がする。
嬉しいのに怖くて、息がつまる。
やがて目覚ましが鳴り、オレは起き上がった。布団から出ようとしたオレをクロノスの腕が甘えるように絡み付いて阻止した。
「どうした?いつも寝坊するのに珍しいな。今日だけはいいよ、寝てな」
オレは言ったけど、クロノスは一緒に起きてきた。
「朝食は僕が作ります。オリムさんは仕事に行く用意して」
あんなことがあったわりにクロノスは元気だった。
憂いなくにっこり笑うクロノスは、
とても爵位を、領地を、家族を捨ててきた顔には見えなかった。
「まともに食事してなかったでしょ、ちゃんと食べないと」
クロノスは言いながら自分のぶんのハムもオレのパンの上に乗せた。
かじりつくと、ちゃんと味がした。
確かにまともなものを食べてなかった。
あ…
「賞味期限…!!!」
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クロノスが微笑む。
「大丈夫。昨日、新しいものを持ってきてましたから」
「え…
やけに準備がいいな…
ありがとう…」
「どういたしまして」
スープをスプーンで掬ってクロノスがオレの口の前まで差し出す。
一緒に住んでいた時みたいだ。
ふいに鼻の奥がツンとして、視界がうるんだ。
差し出されたスプーンが細かく揺れていて、
クロノスの瞳があまりに真剣だったことには気づかないふりをした。
「どうですか?」
「ん…、すごく、うまいよ」
言った声はかすれた。
「よかった」
微笑むクロノスに
何気なくオレはきいた。
「クロノス、仕事はどうするんだ…?」
(当面はオレが養うとして…)
「明日から、官僚として王宮に再就職します」
「え…」
もう仕事が決まっていることにびっくりした。
(いつそんな準備を…?本当に、行く場所がなくてオレを頼ったんだろうか…)
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クロノスは光の中で笑ってて、天使みたいだな、と思った。
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