恋人に浮気された腹いせに男娼を買ったら人生狂った。(完全版)

まりあ

文字の大きさ
92 / 95
最終章(クロノス視点)

●おまけ⑩物語を彩った想い出目録

しおりを挟む
●おまけ⑩物語を彩った想い出目録



●オリムの初恋の子。

紫色の瞳の美しい子供。
2、3言、言葉を交わしただけ。
爵位の高い貴族の令息。
ウブそうで、可愛くて、思わず無条件で守ってあげたくなるようなタイプ。
クロノスに出会うまでは、密かに思い続けていた相手。
クロノスと付き合ったことで、思い出に昇華した。


●初恋の相手からオリムがもらったハンカチ

淡い初恋の想い出の象徴。
クロノスとの婚約を機に過去と決別するため、オリムが消した。


●クロノスがオリムに贈った婚約指輪。

最高級の素材だが装飾控えめのペアリング。
GPS機能がついて実用重視。
GPSと言っているが、実際はオリムの魔力と完璧にリンクしているため精度が高く、オリムの居場所がすぐわかる。
クロノスは普段から頻繁にこの機能を使用している。


●オリムがクロノスに贈った結婚指輪。

たったの一夜で強烈に惹かれた傷物の男娼を、金の力で束縛しようとして作らせた指輪。
オリム(高給取り)の給料3ヶ月分。
繊細な細工、普段使いにはむかない豪華な宝石がついている。
ペアではなく、クロノスのぶんだけ。
派手すぎるため、クロノスはチェーンに通して首から下げていることが多い。


●クロノスの義眼

ガラス玉のような、魔術製の義眼。
左の本来の瞳より、ほんのわずかに薄い紫色をしている。
自然に馴染んでおり、よほど近づかなければ本物と区別がつかないほど精巧。
右目の視力は完全に失われている。
オリムは無意識にクロノスの右側へ立つことが多い。欠けた部分をさりげなく守ろうとするように。


●『中身は変わらないだろ。変えたらダメだ』

顔面に傷ができて失意の底にいたクロノスを救ったオリムの言葉。
そののちの彼の生き方を支える信条となった。


●認識疎外魔法

ヴァイオレットがオリムにかけた魔法。
「相手がそこにいることは理解できるのに、視界の焦点が自然と逸れてしまう」
という、極めて悪質で静かな呪い。
姿も声も記憶できるのに、
関心だけがどこか滑り落ちていく。「特別」という感覚にだけ薄い膜が張られる。
オリムがヴァイオレットに対する信頼を失った時に解けた。


●いちご

あざと可愛い赤い果実。
クロノスの大好物。
ヴァイオレットもオリムに良く思われたくて、いちごを好きだと嘘をついていた。


●オリムそっくりのダッチワイフ

微妙に年齢の違う3体の人形。オリムの姿を模している。すべて王子からのプレゼント。
オリムへの片想い時代のクロノスを精神的、物理的に支えた。
オリムに見つかり、抵抗虚しく消滅。


●クロノスそっくりのダッチワイフ

「ルキウス王子が持っているのを見たやつがいるらしい」とオリム談。
オリム、クロノスともに実物を見たことはない。


●紙の花飾り

郊外の小さな家の棚に、長い年月そっとしまわれていた紙花。
銀のリボンが添えられ、持ち主に大切に手入れされている気配がある。
「特別な日」にだけそっと飾られて、朝にはまた誰にも気づかれぬようしまわれていた。
祝福のための小さな儀式。
誰のために飾られているのかは明かされていない。


●未来の歴史書に残る名前と、残らない名前

『武力を用いず国を治めた黄金期』のページには、ルキウス王の肖像が大きく掲載されている。
その治世は、賢王としての才覚とともに、"平和と繁栄をもたらした時代"として記されている。

魔術師長オリム・ファウルの名は『王を支えた有能な魔術師』として部下たちの列に一度だけ登場する。

だがその影で政務を操り、国を平和へと導いた側近──クロノス・ファウルの名は、どこにも残っていない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜

キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」 平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。 そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。 彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。 「お前だけが、俺の世界に色をくれた」 蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。 甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

前世が教師だった少年は辺境で愛される

結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。 ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。 雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。

【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』

バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。  そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。   最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

処理中です...