殺したいほど憎いのに、好きになりそう

味噌村 幸太郎

文字の大きさ
7 / 105
第一章 転生

校則違反とポニーテール

しおりを挟む

「藍ちゃん? 一体どうしたの? 私を忘れるなんて……しばらく学校を休んでたけど、まだ体調悪いの?」
「あ、いや……その」

 まさか女子中学生の中身が、中年のおっさんと入れ替わった。なんて言えないもんな。
 どうしよう?
 その場で固まっていると、後ろからお母さんが声をかけてくる。

「藍っ! あんた、まだパジャマ姿なの? ちゃんと制服を着てきなさい! 優子ちゃんを待たしているんだから」
「あ……」

 そう言えば、そうだった。
 可愛らしいキャラクターのパジャマを着たままだ。
 中学生なら、制服を着て行かなきゃ……。

 急いで階段を駆け上がる。
 自室の扉を開くと、クローゼットを開けて制服を探す。
 んと、女物だからな。どれから着たら良いんだ?

 と考えてはいるが、俺は今大きな問題を抱えている。
 それは学校という場所に、かなりの抵抗があるからだ。恐怖、トラウマしか残っていない場所。
 いくら転生したからと言って、いきなりたくさんの生徒と勉強なんて出来るのだろうか?

 でも、せっかくのやり直しが出来る人生なんだ。
 やるだけ、やってみよう。

 真っ白なワイシャツ……いや、ここは福岡だから”カッターシャツ”と表現すべきか。
 袖に腕を通し、紺色のジャンバースカートを頭から被る。
 最後は白いリボンがついたセーラー服を着て、完成!
 じゃなかった……靴下も履かないとな。

 ドレッサーの前でくるりと回ってみる。

「おお……これが現役JCてやつか」

 前世でこんな子が、目の前を歩いていたら”おかず”にしちゃいそうだけど。
 なんでかな? 転生したせいか、何も思わない。
 だって自分自身だし……可愛い女の子とは思えるけど、それ以上の感情がわかない。
 あれ? これって性自認まで女体化したってこと?

 そんなことを考えていたら、一階からお母さんの声が聞こえてきた。

『あ~い! 早く降りて来なさい!』

「ヤベッ」

 机の上に置いてあった黒いカバンを手に取ると、急いで一階へと駆け下りる。

「ご、ごめん……優子ちゃん」

 久しぶりに若い女の子と話して、めっちゃ緊張する。

「いいよ。私も藍ちゃんと一緒に学校へ行かないと、友達いなくてつまらないし」
「そう、なんだ……」

 かなり仲が良いんだな、俺とこの子って。
 玄関に置いてあった白くてダサいスニーカーを手に取ると、その場で履いて見る。
 よし、これで準備OKだな。それにしても、こうして隣りに並んで立って見ると、優子ちゃんとの身長差がすごいな。

「藍ちゃん、その髪で学校へ行くの?」
 
 優子ちゃんに指をさされるが、何を言いたいのかさっぱりだ。

「え? 髪ってなんのこと?」
「だって、そのままじゃ……校則違反で怒られるし、反省文かもしれないよ」
「は……?」

 玄関の壁にかけられていた鏡で、自身の顔を見つめてみるが、特に問題なし。
 普通に可愛い女子中学生だが?

「藍! 優子ちゃんの言う通りだよ! これで髪を括りなさい」

 と母さんが持って来たのは、茶色のヘアゴムだ。
 
 あ、そっか。髪型のことか。
 普通に長い髪を肩に下していたから、校則違反だって言うのか。
 なるほど、中学校は行ってないし知らなかった。
 とりあえず、人生初のポニーテールといきますか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

処理中です...