幼馴染を忘れられなくて童貞34年極めたらリア充になれた話

味噌村 幸太郎

文字の大きさ
2 / 26

第2話

しおりを挟む
 セミがやかましく鳴く、蒸し暑い7月。
 夏休みを前に教師がたまたま風邪で休み、代替の教師もおらず、『無法地帯』となっていた。
 教科書と問題集を自由に勉強し、進め方次第では通知表にも影響するという餌だったのだが。

 私語が多く、特に男子が暴れまわっていた。
 俺は普段なら彼らと混ざって悪ふざけしていたのだが、絶対に参加しなかった。
 隣りに座っていたのが初恋の相手、神埼 明日香かんざき あすかだったからだ。
 髪はボーイッシュな短髪だ。
 当時流行っていたアイドルの影響もあったかもしれない。
 切れ長の目に小さな鼻、ふっくらした唇。細い顎が特徴的な顔だ。
 この日はカーキ色のコーデュロイスカートに、キャラクターがプリントされた白いTシャツを着ていた。


 彼女もいつも休み時間は、男子とドッジボールするような活発な女子だった。
 裏でグループ分けする女子と遊ぶよりも、分かりやすい男子と遊ぶほうが、気が楽だといつも俺に話してくれていた。
 だが、今日は大人しく俺と隣りに座ってくれている。
 問題をお互いに教えあって、なんだか勉強しているのにデートしている気分だった。


「ねぇ、本田は夏休みどこにいくの?」
「そうだな。俺ん家はばあちゃんの家が遠いからさ。退屈なだけだな、神埼は?」
「そっか…私はおばあちゃんの家にずっといるからそれも嫌だよ、退屈」
「どうしてさ? いとことかとたくさん遊んだり、おじいちゃんおばあちゃんと旅行とかするんだろ?」
「ううん、おじいちゃんおばあちゃんはもう身体が弱いもん。それにいとこは女ばっかだからウザいだけだよ」
 逆に男のいとこがいなくて良かったと安心した。だって結婚できるもんな。

「名古屋にいれば、本田と『アドベンプール』に行って遊びにいきたかったよ」
 寂しそうに俺の目を見つめる。
 神埼、まさか俺のことを?
「え…」
 ビックリして俺が返答に困っていると、ニコッと笑って俺の腹を思い切りくすぐる。
「間に受けてやんの! どうせ私の水着姿とか想像したんでしょ!? 本田のエッチ!」
「ヒヒヒッ、やめ、やめろよ!」

 神埼の手を掴み「誰がお前のまな板水着なんてよ!」と言って、こっちもお返しに腹を思い切りくすぐる。
 お返しできたのが嬉しかった。触れるからな。
 神埼の腹は肉はないが、ぷにょぷにょしてて気持ちよかった。

「アハハハ! や、やめてよ、本田! アハハハ…」
 激しく俺に抵抗しながら爆笑していたせいか、足がゆるみ、隙間から白いパンティーが見えていた。
 アッ! 神埼のパンティー! ら、ラッキー!
 思いがけぬ奇跡に俺の手の力が緩むと、視線に気がつき、顔を真っ赤にして開きかけていた足をバチンと閉める。

「今、見たでしょ!?」
「見てない見てない! 見てないよ!」
 ド定番の言い訳。これこそ、男の幸福である。
「わ、私だって女の子なんだからね…」
 顔を真っ赤にさせてうつむく神埼を見て罪悪感が沸く。
「ご、ごめん。神埼! 悪かったよ、許してくれ!」
 黙って床を見ながらコクッとうなづく。
「あ、ありがと。神埼」
 胸を撫で下ろす。
「ほ、本田だから許す…他の奴なら許さない」
 俺だけに聞こえるような小さな声だった。
 そっちの言葉の方が驚いた。脈ありと見ていいんでしょうか? 

 後ろの席に座っていた友人、市原ことイッチーが「ヒューヒュー」と冷やかす。
「こんなに暑い日だって言うのに、お二人さんのせいで身体が溶けちゃうよ」
「てんめ! イッチー!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果

景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。 ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。 「俺……ステラと離れたくない」 そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。 「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」 そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。 それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。 勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。 戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──? 誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。

イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在 唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話 中山加恋(20歳) 二十歳でトオルの妻になる 何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛 中山トオル(32歳) 17歳の加恋に一目ぼれ 加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する 加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる 会社では群を抜くほどの超エリートが、 愛してやまない加恋ちゃんに 振り回されたり落ち込まされたり… そんなイケメンエリートの ちょっと切なくて笑えるお話

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました

ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。

処理中です...