【異世界バイト】「俺、もう転生しなくて良いや」ポンコツ女神のせいで次の世界の転生先が決まりません!

ヤム58684

文字の大きさ
6 / 39

第六話 女神見習いと同居  

しおりを挟む
 




次の日 朝 天界の宿屋にて
「ムニャムニャ……」
「こら! 起きてくだい!」
 
 ゴス! ゴス! 
 
「??? 痛い! なんかおなかに激しい痛みが!」
「将大さん、お迎えに来ました。こちらへ来てください!」
「迎えって何? もしかして夜のお誘い?」
 
 ゴス! ゴス!
 
「違います! というか今は明け方です! さあ宿代がもったいないからうちに来てください!」
「え? ミミさん。どうしてここに」

 ゴス! ゴス!

「わ! わかったよ! だからおなかをゴスゴスしないで!」
「わかればよろしいです。詳しい話はあとです! この宿は朝ご飯前にチェックアウトすると少し安いんです!」
「え……そうなんだ……」
「さあ、行きますよ!」
「行くってどこへ?」
「私の家に来てください。詳しくはそこでお話しします!」
「あ、はい……」
ミミさんは俺の手を強引に引っ張り、彼女の家に上がらせた。
 

ー天界 ミミのおうちにてー
 
「ここがミミさんのおうちですか……なんというか普通のマンションですね」
「天界ってそんなもんです! 現実はそんなに甘くないですよ、将大さん。異世界があくまでもイレギュラーなだけであなたの生きてる世界とほぼ変わらないです」
「まじかぁ」
「残念がらないでください。さあ、ここが私の部屋です。入って」
「はい……お邪魔します……いい匂いがしますね。インテリアもすごく女の子ってかんじで、すぅううはぁああああああ」

「ラベンダーの香りよ。心を落ち着ける効果があるんです」
「なんか女の子のおうちって感じがします。この長い髪の毛はミミさんの?」
「キャ! 恥ずかしい。ちゃんと朝片付けしたのに……」
「いえ……大丈夫です(むしろご褒美です)」
「? なんかいいました? えっと、そこらへんに適当に座ってください。これからあなたがやらねばならない事をお伝えしますね」
「あ、はい。よっこいしょっと」
「わたしもお隣り失礼しますね。よいしょっと……あ! そういえば私、朝ご飯食べてなかったから用意しました! ハムカツサンドです! これを食べながらお話ししましょう!」
そういうと、ミミさんはハムカツサンドを俺に出してくれた。昨日のビジネスホテルでの夕食はそうめんだったからなぁ、こういう味がしっかりとしたものは嬉しい。
「ありがとう、ミミさん」
「どういたしまして」

「さて、あなたは昨日、異世界紹介タブレット……略してイセパットを壊してしまいました。これは大変なことです。今回その交換代金がとても払える金額ではありません」
「というと?」
「アレス様からはイセパット修繕のために120万エリカが必要と言われました。この金額はあなたの住んでいた世界と同様な価値で120万円分になります!」
「な! なんだってえええええええええええええええええええええ!」

ゴス! ゴス!
「ぐぅう」
※ゴス! は骨が揺れる音です。

「静かにしてください! 他の人にバレてしまいます。このマンション女性の一人暮らし限定で壁薄いんですから。しかもまだ朝の7時です。寝ている人は寝ています」
「う、ごめんなさい。……それ補償とか入ってないの?」
「天界でイセパットなどの物を故意に壊す人はいませんので、補償などはありません。天界のタブレットなので、システム的なエラーも絶対起こらないので保証の必要がないんです。でも普通に壊す人なんて私初めて見ました」
「あの時は悪かった……ごめん」
「いえいえ、わたしもここに来るものがそういう事をすると予測しなかった点は反省です。ですが、今後はイセパットは私が入力しますので、触らないでくださいね」
「わかりました……ミミさん」
「わたしは女神見習いで今回はあなたを次の世界へ飛ばす事が最終試験なのです。それはあなたの満足いく世界に飛ばさなければなりません」
「なるほど」
「その為にまずは壊れたイセパットを新しいものに交換する必要があるのですが、その費用の一部をあなたにも手伝っていただきます」
「うん、わかったよ。お金を節約する為に宿屋から早朝チェックアウトしたのもその為だね」
「はい。その通りです。見習い卒業試験は対象者が次の世界へ向かうまでが試験なので、それまでは全て私のお金を使用します。私のなけなしのお金ではイセパット修繕費も宿泊費も足りませんのでそのため私があなたにぴったりなお仕事を用意しました! これから二人で一緒にお金が貯まるまでバイト生活です!そして将大様はこのお部屋でこっそり寝泊りしてください!」
「おー!」
(こっそり、ミミさんの部屋で寝泊りだって! なんという僥倖!)

「はい! それでですね……わたしはいつもパン屋さんで働いています。」
「へぇ……ミミさんってパン作れるんだ」
「誰がパンツ、くれるんだ! ですって? あげません!」
「いや、パンですよ! パン!」
「知ってます!」 
「じゃあ言うなよ」
「ネタなので、すみません!」
「ミミさんって結構はっちゃけてるんだね……。じゃあ俺もパン屋で働くということか?」
「ちがいます!」
「違うんかい!」
「わたしの働いているパン屋は時給700エリカだから、あなたはもっと時給が高いアルバイトを用意しときました! 先輩女神のダリアさんが経営しているアルバイトです。あなたがやるのは時給1万エリカ、一日8万エリカです!」
「おお、1万エリカ……大金だな。一日8時間労働で8万エリカ……これなら五日働けば40万エリカ……余裕稼ぐことができるじゃん!」
「将大さん。そう言うことです。お金を貯めてタブレットを新しいものに交換してちやんと使えるようになった後、あなたの次に行く世界を決めることができるのです!」
「なるほど!」
「でもまぁ……ちょっと特殊なアルバイトなんで、詳細はダリアさんに聞いてください。さあ、朝ごはんを食べてそれぞれのバイト先へ向かいましょう! 私が作ったハムカツパンを食べてください!」
「いただきます! お、おいしい!」
「ふふふ! 気に入ってもらって良かったです」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...