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第五話 女神のたわごと

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おまけ
スポーツするミミ


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女神アレスの執務室

コンコン

「失礼いたします。ミミです。あの、アレス様……」
「あら? 課題終わったのかしら? おめでとう。これであなたも立派な、めが……」

「「「ごめんなさい!!」」」
私は大きな声でアレス様に謝罪する。
「実は……タブレット……イセパットを壊してしまって」
「ん? なんですか? おもしろい冗談ですね? このイセパットは現代社会の女神には必要不可欠です。見習いのあなたはまだ所有する事ができないので、私のイセパットを貸してあげてるのですが、まさか壊してしまったなんてあり得ません」ハハハ
「あ、あのーこれ、なんですけど……」ボロボロタブレット
「え! 本当に壊したのですか? 女神の必須アイテムのイセパットを! なんで? どうして?」
 
「じつは……かくかくしかじか」
 
「ええええええええええええええええええええ! 本当に壊したのおおおおおおおおお!」

15分後
「はぁ、はぁ……なるほど、わかりました。たまにいるんですよね。次の異世界転生先に納得がいかない人が」
「本当にすみませんでした! 新しいイセパットと交換してください!」
「気をつけてくださいね。ちなみにタブレットは用意できますが、交換費用は払えますか?」
「ん? 交換費用?」
「ミミさん、学校で習ったことを思い出してください」
「えっと……」

『女神見習い卒業試験では公平な判断を必要としているため、対象者が無事適正な世界に辿り着くまでの費用は個人で持つものとする』
 
「いまは試験中です。そのためあなたが全て自分で解決するところも評価に入っているのです。だから、イセパットの交換費用はあなたが出してくださいね」
「そうでした……ところで、イセパットの修理費用はいくらなんですか?」
「えっと、このイセパットは120万エリカですね」
「120万エリカ!? アレス様、そ、それはかなり高額です。今すぐに用意できるわけありません!」
「女神たるもの、仕事器材に遠慮はしていてはいけません」
「そ、そんなあ。今一〇万エリカしか持ち合わせてなくて……つけといてもらえませんか?」
「だめです」
「分割は?」
「だめです」
「クレカで」
「天界にクレカ……そういうのはありません!」
「じゃあどうすれば?」
「決まっているでしょう? アルバイトして稼ぎなさい! 幸いこの試験の期限は九十九年もあるんですから」
「あの……確かにそうなんですけれど……みんなどれくらいの期間で女神見習い卒業試験を合格しているの?」
「基本的には一週間から1年前後の子が多いですね。今年の受験者は十五人だけど、もうすでに一人終わった人もいるわ。あなたも早く卒業できるように、まずはイセパットの交換費用を集めてきてくださいね!」
「わ、わかりました……アレス様……」
 
(と言われたものの、女神見習い卒業試験卒業の為に用意したお金は十万エリカしかない……百二十万貯めるためにまた、バイトをしないといけないし、それにアイツの宿代が無駄にかさむ……なんとかしないと……)
 
「そうだ!」

ピコーン閃き!
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