4 / 39
第四話 天界に居候
しおりを挟む
おまけ
ケーキを食べるミミ
ーーーーー
ペラッ
白い世界の端をめくるとそこは天界に繋がっていた。
「ここが、天界か……」
「はい、通常なら普通の人間は既に次の世界に飛んでしまって、ここに立ち入る事すらできないのですが、事情が事情なんだから仕方がないです」
「それにしても驚いたよ。さっきの白い何もない世界に立っていたのに実はペラッとめくる所があって、その先が天界に繋がっていたなんて。 しかも俺が想像していた天界とは全然違う。なんというか、もっと豪華で地面は白い雲が敷き詰められていて、まるでRPGゲームででてくる聖地を期待していたのに! 今まで俺が住んでいた世界と殆ど変わらないじゃないか!」
「あなたはファンタジーのような……『ザ・聖地』を期待していたみたいですが。期待外れで残念でしたね。この世界には車もありますし、ビルもありますし、特別あなたがたが住んでいる世界と変わりがありません」
「うう。思った世界と全然違う……」
「そうですね。でもそういう気持ちにさせないために白い世界を用意しているんです。さあ、そこが将大さんの今日泊まる宿屋です。」
「……なんかビジネスホテルみたいだな」
何のとりえもない普通の建物、天界だと思って期待していたが、普通の建物だ。
「……」
「ん?どうしたんですかミミさん。」
ミミさんは俺の事をギロリとにらみつけてつぶやく。
「すぅーはぁー。いいですか。天界のお金は持っていないと思うので、今日は私のなけなしのお金で泊まらせてあげるんです。感謝してくださいね」
「そ、そういう事ですか。それはどうもご迷惑をおかけしました」
(はぁ……私のアルバイト1日分が……消えていく今月まだ長いのに……)
「それでは私は女神アレスの所にイセパットの交換依頼をしに行きます。また明日迎えにくるまでにこの宿屋で過ごしててください。最低限の食事もついてるプランを予約しといたので」
「ありがとうございます。食事……天界の食事ってなんだろう、少し楽しみだな」
「あ、誤解してるかもですが一番安いプランなので、夜ご飯はそうめんですよ」
「どうせなら天界のオリジナル料理が良かったけどなぁ。我慢だなぁ」
ミミさんは再び俺の事を睨めつけて「はぁ」と重いため息を一つ。
「はい。それではまた明日……余計なオプションとか使ったらだめですよ」
「は、はい!」
俺はミミさんの言う通り、ビジネスホテルで一泊を過ごした。
〇 〇 〇
天界 第5番通り
ミミは怒っていた。
(何こいつ! 私が天界のパン屋さんで汗水垂らして働いて稼いだお金なのに我慢ってなんですか! ぷんぷん! この人を宿屋に泊めてあげるだけでも感謝して欲しいのに! いっそさっきのゴリラ転生させてあげようかしら? ぷんぷん!)
『女神たるもの平等に審査しなさい。主観で次の世界を決めてはいけません』
(ああ、アレス様。こんなことがあっても学校で習った内容を忘れていない私はなんて優秀なんでしょう! はやくこの方を次の世界へ送って、わたし一人前の女神になります!)
ケーキを食べるミミ
ーーーーー
ペラッ
白い世界の端をめくるとそこは天界に繋がっていた。
「ここが、天界か……」
「はい、通常なら普通の人間は既に次の世界に飛んでしまって、ここに立ち入る事すらできないのですが、事情が事情なんだから仕方がないです」
「それにしても驚いたよ。さっきの白い何もない世界に立っていたのに実はペラッとめくる所があって、その先が天界に繋がっていたなんて。 しかも俺が想像していた天界とは全然違う。なんというか、もっと豪華で地面は白い雲が敷き詰められていて、まるでRPGゲームででてくる聖地を期待していたのに! 今まで俺が住んでいた世界と殆ど変わらないじゃないか!」
「あなたはファンタジーのような……『ザ・聖地』を期待していたみたいですが。期待外れで残念でしたね。この世界には車もありますし、ビルもありますし、特別あなたがたが住んでいる世界と変わりがありません」
「うう。思った世界と全然違う……」
「そうですね。でもそういう気持ちにさせないために白い世界を用意しているんです。さあ、そこが将大さんの今日泊まる宿屋です。」
「……なんかビジネスホテルみたいだな」
何のとりえもない普通の建物、天界だと思って期待していたが、普通の建物だ。
「……」
「ん?どうしたんですかミミさん。」
ミミさんは俺の事をギロリとにらみつけてつぶやく。
「すぅーはぁー。いいですか。天界のお金は持っていないと思うので、今日は私のなけなしのお金で泊まらせてあげるんです。感謝してくださいね」
「そ、そういう事ですか。それはどうもご迷惑をおかけしました」
(はぁ……私のアルバイト1日分が……消えていく今月まだ長いのに……)
「それでは私は女神アレスの所にイセパットの交換依頼をしに行きます。また明日迎えにくるまでにこの宿屋で過ごしててください。最低限の食事もついてるプランを予約しといたので」
「ありがとうございます。食事……天界の食事ってなんだろう、少し楽しみだな」
「あ、誤解してるかもですが一番安いプランなので、夜ご飯はそうめんですよ」
「どうせなら天界のオリジナル料理が良かったけどなぁ。我慢だなぁ」
ミミさんは再び俺の事を睨めつけて「はぁ」と重いため息を一つ。
「はい。それではまた明日……余計なオプションとか使ったらだめですよ」
「は、はい!」
俺はミミさんの言う通り、ビジネスホテルで一泊を過ごした。
〇 〇 〇
天界 第5番通り
ミミは怒っていた。
(何こいつ! 私が天界のパン屋さんで汗水垂らして働いて稼いだお金なのに我慢ってなんですか! ぷんぷん! この人を宿屋に泊めてあげるだけでも感謝して欲しいのに! いっそさっきのゴリラ転生させてあげようかしら? ぷんぷん!)
『女神たるもの平等に審査しなさい。主観で次の世界を決めてはいけません』
(ああ、アレス様。こんなことがあっても学校で習った内容を忘れていない私はなんて優秀なんでしょう! はやくこの方を次の世界へ送って、わたし一人前の女神になります!)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
