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37:大神官と冒涜の代償01(ざまぁ?有、モブ視点)
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「……これが神の思し召しなのか……」
神殿で祈りを捧げていた。そして、私はある恐怖に駆られている。
20代後半と若くしてこの国の神殿のトップになった私は、元々は公爵家の三男だった。
長男で嫡男と、そのスペアでありもうひとつある伯爵位を次ぐ予定の次男。そこまでは家にいることを前提としていたが私は、幼き日から家を出される予定だったため、他のふたりより自由だった。
それが兄達は気に入らなかったのだろう。
幼い私は兄達に親のみていなところで虐待を受けた。ただの虐待でなく性的なそれは男としての尊厳を奪うには十分なものだった。
そのせいで、本来なら公爵家の三男である私は、それなりに高位の女性で爵位を継ぐ人のところへ婿入りするのが一番無難に貴族で居られる方法でありながら、兄からの虐待のせいで私は男性としての自信がなく、結果的に容姿には恵まれてはいたが、婚約までいたる女性には出会えなかった。
そして、その経験が私をどんどん大人の女性から興味を失わせていく要因となった。
ここまでなら私は同情されるような哀れな被害者だった。けれど、それが変わったのは寄宿学校へ通うようになってからだった。
寄宿学校は男子校で同世代の少年ばかりがいた。私はその中で勉強も運動もそこそこにこなしていたこと、顔立ちが整っていたこともあり、いつしか同級生、下級生問わず告白を受けるようになった。
その中で、自身が女性側の立場に立ちたいという少年を私は好んで犯すようになった。
しかし、それは好意の上でのものではない。ただ欲求を満たす行為。特に、自分より幼く中性的な容姿の子を好んで犯した。
逆に、私に対して兄のように犯そうとしていると分かるものには関わらないようにした。
特に、現騎士団の副団長であるレナードはその気配があり、かつ天敵だった。
侯爵の令息だが、嫡男であり騎士としての腕が立つその男は事あるごとに私に突っかかってきた。その感じが幼い日のトラウマを呼び覚ましたため、彼を避け続け、そして彼が恐ろしくてより幼い少年に耽溺していった。
そうして、寄宿学校を卒業する頃には私は完全に道を踏み外していて、最早通常の社会で生きていけるとは思えなかった。
運良く、勉強は学校でも上位の成績を保てていたので、そのまま神学を学び最終的には、神殿の神官になった。
私は少年時代の罪も俗世のしがらみも全て断ち切りしばらくその性癖を封印していた。
しかし、きっかけは小さなほころびからだった。
私に良くなついてきた孤児院の幼い少年。その愛くるしい姿に学生時代の甘美な思い出が重なり、更に当時新しい大神官を決める時期で自身もその候補でありとてもストレスがたまっていた。そう、魔が差してしまった。
(孤児なら誰も気付かないだろう……)
私は幼い、その子に性的な悪戯をした。そこから、落ちるのは簡単だった。
しばらくして、私は大神官となった。
仕事については真面目に行ったが、そのストレスを幼い少年に向けるようになったていった。
本来ならば、私は誰にもその領域を侵されなくなったのだから怯える必要などないのに、何故か怖くて仕方なくて私は幼い少年のその無垢な体に溺れた。
そんな折、一度あの男、レナードが神殿へやってきた。告解だった。
私はあの傲慢で大嫌いな男が何を思い悩んでいるのか弱みを握るという意味で興味があった。
だから……私はその懺悔を聞いた。
内容は、騎士団の副団長でありながら自身が男色家であること。
しかし、自身が一番愛している人間はとうとう届かないところに行ってしまい、その代わりに合意をえてではあるが未だに実のない男色行為を繰り返してしまうというものだった。
(合意の上での行為なだけ私よりマシだな)
幼い子供を、自身のトラウマから自分勝手に犯している化け物にまさかそんな告解をしたなんてあいつは知らないだろう。
私は自身とばれないように、無難なことを答えてその場を後にした。
その後も私は、仕事で疲れたりする度に幼い少年を汚した。
そんな時に理想ともいえる少年に出会った。彼は第1王子のルキオ殿下だ。本来ならば、私であっても目にすることも近づくことも難しい身分だか、酷く冷遇されていたため、まるで孤児のように神殿付近をさまよっていた彼を保護した。
怯えている彼にはじめは優しくした。懐に入り込むために。
飢えているようだったので食事を与えて、風呂に入れて、清潔な恰好をさせた。
後から、彼の保護者であった側妃様が亡くなり、彼の面倒を見るものが居なかったのだと聞いたが、つまり庇護者の居ない幼く美しい少年ということだ。
しかも竜の遅れ子であるルキオ殿下はとても愛らしかった。理想の体と見た目をした彼を私は汚した。何度も何度もいやらしいことをした。
あまりに小さくて犯すことはできなかったが、性的な行為を強いた。それがどれだけ心の傷になると知っていたのに、私はそれを辞めなかった。
しかし、美しい少年は生贄として差し出されることになった。私は最後まで反対だった。
しかし、国王様の意見を覆すことはできなかった。結果……。
お気に入りの少年は、生贄として殺された。
神殿で祈りを捧げていた。そして、私はある恐怖に駆られている。
20代後半と若くしてこの国の神殿のトップになった私は、元々は公爵家の三男だった。
長男で嫡男と、そのスペアでありもうひとつある伯爵位を次ぐ予定の次男。そこまでは家にいることを前提としていたが私は、幼き日から家を出される予定だったため、他のふたりより自由だった。
それが兄達は気に入らなかったのだろう。
幼い私は兄達に親のみていなところで虐待を受けた。ただの虐待でなく性的なそれは男としての尊厳を奪うには十分なものだった。
そのせいで、本来なら公爵家の三男である私は、それなりに高位の女性で爵位を継ぐ人のところへ婿入りするのが一番無難に貴族で居られる方法でありながら、兄からの虐待のせいで私は男性としての自信がなく、結果的に容姿には恵まれてはいたが、婚約までいたる女性には出会えなかった。
そして、その経験が私をどんどん大人の女性から興味を失わせていく要因となった。
ここまでなら私は同情されるような哀れな被害者だった。けれど、それが変わったのは寄宿学校へ通うようになってからだった。
寄宿学校は男子校で同世代の少年ばかりがいた。私はその中で勉強も運動もそこそこにこなしていたこと、顔立ちが整っていたこともあり、いつしか同級生、下級生問わず告白を受けるようになった。
その中で、自身が女性側の立場に立ちたいという少年を私は好んで犯すようになった。
しかし、それは好意の上でのものではない。ただ欲求を満たす行為。特に、自分より幼く中性的な容姿の子を好んで犯した。
逆に、私に対して兄のように犯そうとしていると分かるものには関わらないようにした。
特に、現騎士団の副団長であるレナードはその気配があり、かつ天敵だった。
侯爵の令息だが、嫡男であり騎士としての腕が立つその男は事あるごとに私に突っかかってきた。その感じが幼い日のトラウマを呼び覚ましたため、彼を避け続け、そして彼が恐ろしくてより幼い少年に耽溺していった。
そうして、寄宿学校を卒業する頃には私は完全に道を踏み外していて、最早通常の社会で生きていけるとは思えなかった。
運良く、勉強は学校でも上位の成績を保てていたので、そのまま神学を学び最終的には、神殿の神官になった。
私は少年時代の罪も俗世のしがらみも全て断ち切りしばらくその性癖を封印していた。
しかし、きっかけは小さなほころびからだった。
私に良くなついてきた孤児院の幼い少年。その愛くるしい姿に学生時代の甘美な思い出が重なり、更に当時新しい大神官を決める時期で自身もその候補でありとてもストレスがたまっていた。そう、魔が差してしまった。
(孤児なら誰も気付かないだろう……)
私は幼い、その子に性的な悪戯をした。そこから、落ちるのは簡単だった。
しばらくして、私は大神官となった。
仕事については真面目に行ったが、そのストレスを幼い少年に向けるようになったていった。
本来ならば、私は誰にもその領域を侵されなくなったのだから怯える必要などないのに、何故か怖くて仕方なくて私は幼い少年のその無垢な体に溺れた。
そんな折、一度あの男、レナードが神殿へやってきた。告解だった。
私はあの傲慢で大嫌いな男が何を思い悩んでいるのか弱みを握るという意味で興味があった。
だから……私はその懺悔を聞いた。
内容は、騎士団の副団長でありながら自身が男色家であること。
しかし、自身が一番愛している人間はとうとう届かないところに行ってしまい、その代わりに合意をえてではあるが未だに実のない男色行為を繰り返してしまうというものだった。
(合意の上での行為なだけ私よりマシだな)
幼い子供を、自身のトラウマから自分勝手に犯している化け物にまさかそんな告解をしたなんてあいつは知らないだろう。
私は自身とばれないように、無難なことを答えてその場を後にした。
その後も私は、仕事で疲れたりする度に幼い少年を汚した。
そんな時に理想ともいえる少年に出会った。彼は第1王子のルキオ殿下だ。本来ならば、私であっても目にすることも近づくことも難しい身分だか、酷く冷遇されていたため、まるで孤児のように神殿付近をさまよっていた彼を保護した。
怯えている彼にはじめは優しくした。懐に入り込むために。
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後から、彼の保護者であった側妃様が亡くなり、彼の面倒を見るものが居なかったのだと聞いたが、つまり庇護者の居ない幼く美しい少年ということだ。
しかも竜の遅れ子であるルキオ殿下はとても愛らしかった。理想の体と見た目をした彼を私は汚した。何度も何度もいやらしいことをした。
あまりに小さくて犯すことはできなかったが、性的な行為を強いた。それがどれだけ心の傷になると知っていたのに、私はそれを辞めなかった。
しかし、美しい少年は生贄として差し出されることになった。私は最後まで反対だった。
しかし、国王様の意見を覆すことはできなかった。結果……。
お気に入りの少年は、生贄として殺された。
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