【第1部終了】断罪されて廃嫡された元王子に転生した僕は救国の英雄の叔父に監禁されえげつない目にあうようです

ひよこ麺

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08.BL小説の世界らしいおそろしい裏設定があるとか聞いてません

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「マクスおじたん、お願いがあるのです」

「なんだい、僕の可愛いルーク。そんなにうるんだ瞳で見つめて」

とりあえず叔父様にお願いする時は首を少し傾げ、上目遣いに涙をプラスするというあざとい負けヒロインみたいなのが一番効果的と学んだので頑張って涙を流せるようになった。
涙を流すには最初はまばたきをしないで目を乾燥させて涙を流したり、あくびをしてみたりしたがそうするとバレたので必死に脳内で昔、都内在住の会社員だった頃に飼っていたペットのカメのジョナサンとの別れを思い出して泣くようにしている。

ジョナサンは小さな時、縁日の亀釣りで買った亀だったけどすごい長生きして賢い子だった。そのジョナサンが老衰で死んだときの悲しみを必死に思い出して涙を流す僕は今なら俳優を目指せるかもしれない。

(ルークって外見はいいからね)

「ルークは世界一美しく可愛いよ。それでお願いはいつ聞かせてくれるのかな?僕はルークのお願いなら外に出たいとか、処女で居続けたいとか、服を自分で着たいとかそういう非現実なもの以外なら大半叶えてあげるつもりでいるよ」

待て待て、人間の尊厳に関係する諸々が禁則事項に含まれていたし、なんなら今頼もうとしていたことがもう無理だって言われているのだが。しかし、ここでへこたれると永遠に叔父様の許可がないと全裸で歩き回らないといけない。「歩く公然わいせつ」「全裸で厄災をもたらすもの」などのふたつ名がついてしまう。それだけは阻止したい。人間の尊厳にかかわるからね。

「僕は自分で服を着たいです。全裸はその風邪引きそうで……」

「ルークの部屋は季節問わず適温に設定してあるから、全裸でも寒いはずはないのだけれど……」

「僕はこのお屋敷の中を冒険したいんです。全裸じゃそれができません」

そしてあわよくば自由への脱出計画もこっそり練りたい。逃げると大変なお仕置きをされるらしいけどそれでも1回くらいはその強制力に挑みたい。僕も男の子だから挑戦し続けたい……とは尻とか尻とかに相談しながら考えるとは思うけど。

「ルーク、だめだよ。この屋敷の中は僕の信頼した人間しか置いていないから問題は起きないと信じているけれど、ルークは天使だ。その美しさ、可愛さ、その色香に惑わされて不埒なことをされないとは限らない」

「いやいや、流石にそれはないですよ、この世界女性もいるでしょう!?」

大切なことなのですが、BL小説だと設定により男性しかいない世界というのも存在する。その場合恋愛対象が男と言うことはままあるし普通なんだけれど、いや普通じゃないけどその世界の理だから仕方ないけど、今僕の居るここはちゃんと女の子がいるし普通に恋愛対象は呪われている叔父様以外は女性が大多数って思っている。

実際に僕だって王太子時代は女の子大好き人間だったわけで、いや、今も好きだよ女の子。危ない、今は違うみたいなこと思いかけた。そんな考えになる自分が怖い。

「ルーク、また記憶が混濁してしまったのかい?この国では「至高は美しい青年を愛すること」であり、女性との婚姻はあくまで義務に過ぎないというのが貴族の考え方だし、もちろん騎士の間でもそれが主流だよ。僕はこの国の騎士の統括を行っている。その関係もあり屋敷にいるのは全員騎士関係者でかつ貴族の子息がほとんどだ」

「ええええええええええええ」

それは完全にアウトでしかないじゃないですか。というかそんな魔窟に僕住んでるの?今まで僕の尻よく無事だったな。あ、そうか叔父様さいきょうのえいゆうの加護下にいるから手を出されないだけか。後良く考えたら部屋から出てないから出くわさなかったのか。

(でもよく考えたら、その考え方が主流の中で女の子にうつつを抜かしてるような僕ははみ出し者で嫌悪されたりしてたんじゃないか。そうすれば襲われる対象ではない気もする。)

「ルーク、違うよ。女に現を抜かすようなところがルークは未熟で可愛い。男を知らない無垢で愛らしいその姿に1からちゃんと男同士の良さを教えてあげたいと思わせてしまうんだ。しかも処女。自分の好きなプレイを沢山仕込んであげて気持ち良くなって堕ちていく姿を想像しただけで誰もがルークを狙いたくなるし、いますぐぶち犯して男の子宮を孕ませてあげたくなる」

「ごめんなさい、ゆるしてください」

あまりの恐怖に僕の許容量を超えてしまったので、とりあえず意味もなく土下座した。

怖いよこの世界。BLの世界ってわかっていたけど、それってつまり全員が僕の尻の穴への最初の侵入を狙ってるってことじゃん。大体尻の出口から挿れるのってどうなんだよ。そこ出口ぞ、入口じゃないんだよ逆流してんだよ。

一応前世の知識として物語を思い出してみたけど、そんな恐ろしい設定はなかった、いやそうかあの小説、主体が僕と叔父様の溺愛ハード調教ものだから端の設定はほぼ書かれていなかったのかもしれない。ただ、あれ割と長い話で、確か途中から……

僕は何かを思い出しかけたが、急に頭の中に靄がかかったようになり大切なことが思い出せない。

「ルーク、床は冷たいからそんなところで寝ころんではいけないよ。あたたかいベッドに行こうね」

そう言って、エグイ体感と逞しい胸板を持つ叔父様に簡単にお姫様抱っこされてそのままゆっくりベッドに寝かされる。

「あ、あの……」

「今日から、ゆっくりその可愛いお尻で僕を受け入れられるようになる練習をしようね」

「いや、そ、それは……」

だめだ、それは、なんとか阻止を……そう思ったが、叔父様の優しいけど有無を言わせない笑顔に僕は蛇に睨まれた蛙、戦車を前にした三輪車くらいに怯えて声がでない。

(なんで……?昨日までは平気だったよね??)

そう疑問に思ったとき妙に明るい声に『いい加減に神様的に濡れ場がみたい』とか言われた気がしたけど、そんな軽率な理由で尻を暴かれるの嫌すぎるんだが!?

しかし、叔父様の美しい顔が僕に近付いて触れるだけの優しい口づけをした時、それだけで胸が高鳴ってしまう自分に気付く。どんどん自分が自分でないものに作り替えられていくみたいな感覚。それが怖くないといけないはずなのに何故か心地よく感じてしまうなんて、これから僕はどうなっちゃうの?
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