【第1部終了】断罪されて廃嫡された元王子に転生した僕は救国の英雄の叔父に監禁されえげつない目にあうようです

ひよこ麺

文字の大きさ
89 / 126

86.最初の男と最後の男

しおりを挟む
「レイズ、がいくら可愛いからといって、体を撫でまわして誘惑し、キスを強請るのは頂けない。何度も言っているがルークはもうだ」

今「ルーたん」って叔父様の口から聞こえた気がするのだけれど……。

全裸で兄上に抱かれてぼんやりしていた僕を、叔父様が素早い速度で歩み寄り取り返す。そして自身の羽織っていた白いマントで、僕の色々が見えないように優しく包み込んだ。その動きの速さに僕も兄上も呆然とする。神速ってヤツである。

「あの、僕の聞き違いでなければルーたんって今、おじたん言いませんでした?」

「ルーク、マクスまたは恥ずかしければと呼びなさい。ああ、ルークが心配で「魔導式貞操アナルプラグ改」には音声を収音する効果が付与されているから、そこからずっとふたりの会話は確認していた」

「いや、「魔導式貞操アナルプラグ改」そんな機能までついてるんですか!?それ基本、尻の中にあるんですが……」

尻の中に収音機能付きの物入れているとか、新しいプレイすぎるだろう。聞こえないで良い音まで聞こえてそうで全力で人間の尊厳を失っている気がする。アイデンティティーVS人間の尊厳のバトルがそろそろされかねない。

そんなことを考えていたら、兄上が深いため息をついた。

「叔父上、ルークの同意なく結婚するのは流石にどうかと思います。しかもあんなに大々的に宣言して逃げ場をふさぐなんて」

挑むように兄上が叔父様を睨みつけた。そう言えば兄上は、この間、別れる時に僕を諦めないと言っていたな。あれ本気だったんだ。

「確かに返事を待たずには、婚姻関係を結んでしまったが、それは僕がをルークとの間に作ったのでその責任をしっかり取るためだ」

既成事実とは、僕と叔父様が結ばれたことを指しているで間違いないだろう。確かに王族は契りを交わした相手と婚姻を結ぶのは一般的ではあるので、一旦ふたりの会話を大人しく聞こうとおもった。

すると兄上の表情が無に変わる。

「叔父上はルークを、ルークの処女を奪ったのですか?」

「そうだ。ルークからちゃんと同意を得てこちらは行っている」

凄い畏まって処女喪失の話されるのが嫌すぎる。そろそろふたりになにか茶々を入れようと思った時だった。

「まぁいい。電撃結婚についてはもう公的に認められてしまったので祝福します。けれど私はルークをまだあきらめていません」

「もうルークが僕だけの花嫁になったというのに諦めないと」

バチバチとふたりの間で見えない火花が散っているようで怖い。さらに兄上は続けた。

「僕はルークのにはなれなかったけれど、ルークのになることはできますから。命が尽きる時にルークと居れればそれで上出来だ」

そう答えた兄上の言葉が思わず胸を突き刺す。そこまで想われているのに、僕は今後も兄上に向き合う日が来るのかわからない。それでも兄上は僕を愛し続けるというのだ。

「残念だけれど、僕はルークの全てを君にすら譲る気はない」

「ええ。でも私の方が貴方より長く生きるはずだ」

泥仕合の様相を呈してきたので、そろそろ止めたいと思った、その時兄上が僕の方へ近づいた。

「ルーク、今はまだ愛せなくても良い。けれどせめて覚悟してくれ」

そう低く囁くと僕の額に触れるだけの優しいキスを落とす。その瞬間、叔父様に僕は抱き上げられる。そのまま二人は無言で見つめ合っていたが……

「では、レイズ王太子殿下、失礼いたします」

そうどこか冷たく言って、一度頭を下げた叔父様は、そのままいつものテレポートをした。

(こんな余裕のない顔はじめて見たかもな……)

なんやかんやいつも余裕綽々の叔父様がこんな表情するなんて、少し胸が高鳴ったのは秘密だ。

「家だ、なんだかほっとします……」

気が抜けたのでそう話しかけるが、叔父様はさっきから僕を抱えたままどこかへ脇目もふらずに向かっている。

「……ルーク、すぐに湯あみをしよう」

そう言うが早く、叔父様は僕をいつもと違う浴室へ連れて行った。そこは天然温泉が湧いているのか滾々とあたたかいお湯が沸き出していてすぐ入れるようだ。

(叔父様って案外温泉がすきなのかな……)

そんな呑気な考えは、叔父様の真剣な表情にかき消される。いままでも叔父様の真剣な表情は当然見たことがあるが、今見ているそれはなんというか……。

「ルーク。ルーたんの時、どこを触られた??」

「あ、えっと……首の下とかですかね……あまり覚えていなくて……」

滅茶苦茶、気持ちよかったのは覚えているけれど、記憶が割と曖昧だったりする。そんな僕に対して真剣だった叔父様の顔が笑顔になる。けれど僕は知っている。この笑顔は要注意の笑顔である。

「そうか、ならとりあえず首の下の部分を全て、キレイキレイしないといけないね」
しおりを挟む
感想 114

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。 さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった! しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って? いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

塩対応の同室αが実は俺の番を狙っていた

雪兎
BL
あらすじ 全寮制の名門学園に入学したΩの俺は、入寮初日から最悪の同室相手に当たった。 相手は学年でも有名な優等生α。 成績優秀、運動もできる、顔もいい。なのに—— めちゃくちゃ塩対応。 挨拶しても「……ああ」。 話しかけても「別に」。 距離も近づけないし、なぜか妙に警戒されている気がする。 (俺、そんなに嫌われてる……?) 同室なのに会話は最低限。 むしろ避けられている気さえある。 けれどある日、発情期トラブルで倒れた俺を助けてくれたのは、 その塩対応αだった。 しかも普段とは違い、必死な顔で言われる。 「……他のαに近づくな」 「お前は俺の……」 そこで言葉を飲み込む彼。 それ以来、少しずつ態度が変わり始める。 距離は相変わらず近くない。 口数も少ない。 だけど―― 他のαが近づくと、さりげなく間に入る。 発情期が近いと察すると、さりげなく世話を焼く。 そして時々、独占欲を隠しきれない視線。 実は彼はずっと前から知っていた。 俺が、 自分の運命の番かもしれないΩだということを。 だからこそ距離を取っていた。 触れたら、もう止まれなくなるから。 だけど同室生活の中で、 少しずつ、確実に距離は変わっていく。 塩対応の裏に隠されていたのは―― 重すぎるほどの独占欲だった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話

バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん<山野 石郎>改め【イシ】 世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中……俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない<覗く>という能力だけ。 これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。 無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。 不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

処理中です...