【第1部終了】断罪されて廃嫡された元王子に転生した僕は救国の英雄の叔父に監禁されえげつない目にあうようです

ひよこ麺

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番外編:グレゴリー編

07.狂気には狂気で挑んでみた(グレゴリー(狂信者)編)

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※途中でグレゴリーが唱えている何かはスルーしても話は分かります。狂ってるんだなーという雰囲気だけ分かっていたけると……けてるけてる。

「あの夢は……」

「全て、君の魂の記憶だよ、グレッグ。ああ、君が呼吸して僕の前にいるだけで幸せで仕方ない」

そう言って、髪を撫でられそうになり急いでそれを突飛ばす。

「やめろ、触るな……」

甘い甘い砂糖菓子のように蕩けた瞳はその甘さを変えない。それが異質だと感じた。本来拒絶された人間は多かれ少なかれその事実にショックを受けるものだ。

しかし、リーンハルトにはその兆候がまるでない。それどころか尚も甘く微笑み、僕に再び迫る。

「なんで。なんで、ひるまない!!」

「怯む??まさか、どんな時も怯まず戦う美しさは君が教えてくれたこと。ああ、僕は逃げない。君を……」

「やめろ!!僕には大切な使命があるんだ、大切な……」

再びにじり寄るリーンハルトを思い切り突飛ばしたつもりだったが、しかし、甘い甘い砂糖菓子のように蕩けた瞳の男はそれをものともせずに僕を抱きしめた。

「捕まえた。ああ、やっとこの美しい魂を捕まえた。ふふふ」

「離せ!!」

「だーめ。離したらまた逃げちゃうから、ねぇグレッグ。僕はこの世界で一番君を甘やかして甘やかしてドロドロにしてあげられる。だから……」

その正気とは全く思えない男相手にどうすべきか考えた、考えた時、マーティンのアホのある言葉を思い出す。

「グレゴリー、宇宙人みたいに何言ってるかわからなくって怖いんよ」

それは、僕がルーク殿下への熱いパトスをぶちまけた時に言っていたセリフだ。

(それだ!!)

ここは偉大なる太陽、神たるルーク殿下への信仰心を早口で捲し立てよう。流石にこの男でも一瞬は怯むはずだ。僕はリーンハルトをまっすぐと見つめてこう、叫んだ。

「あかしけ やなげ 緋色の瞳の君 くさはみ ねはみ けをのばせ。ルーク殿下は偉大な御方、太陽の子にして偉大なる神であらせられる。その偉大さは夕暮れの色をした緋色の瞳を見れば分かる。ああ、偉大なる我が君よ、君を泣く。王太子に生まれし君、陛下の情けはまさりしも、陛下は辺境に送られて、ガルシア公爵とまぐわえと教えしや、ガルシア公爵と結ばれよと 十九までをそだてしや ああああああああ、ルーク殿下!!そんなの許すか、許さない、ルーク殿下のご意思に背くものを絶対に許さないルーク殿下は攫われた、悪辣なあの男にああああああ……けてるけてるけてる。緋色の瞳の君よ 未だ発たぬ」

途中から自分でも何言っているか分からない箇所があったが、これくらいで一旦やめようと思ったとき何故かリーンハルトが僕を抱きしめている力が強くなる。

「グレッグ、可哀そうに。そんなにあの変態の末裔が今も好きなのかい??君は知らないだろうし君の好きなものを悪く言いたくないけど、あの変態竜王は世界のはじまりの変態で、君のように素直で純粋で純白な子には全く合わないよ。でも、君が好きで幸せなら止めないつもりだったけど、完全に壊れてしまっている。もういいんだよ、無理に変態を好きにならないで心を解放して……」

「だめだ、ルーク殿下をあの邪悪な男から救わないと、それが僕の……」

「ん??もしかしてグレッグはルーク殿下を探しているだけなのかな??」

いきなり腕から話したリーンハルトが、あの狂った表情でなく正気の目でこちらを見たので、頷く。

「そうだ。僕は推し、ルーク殿下が幸せか確認したいだけだ」

その言葉を聞いた瞬間、リーンハルトがそれはもうなんだろうまるで念願が叶う寸前の人みたいな幸せそうな顔をした。

「ねぇ、グレッグ。僕には千里眼って能力があるんだ。この力を使えば簡単に君の望みを叶えてあげられる」

いきなりの提案に思わず目を見開く。今までと違うまともな話に思わず身を乗り出す。

「それは、本当か!?」

「もちろん。それで、まぁ色々僕のこと知った後にこの提案するの少し怖いのだけれど、君の願いを叶える代わりに僕と結婚を前提に付き合ってくれないかい??」

もじもじしながら頬を赤らめるリーンハルト。正直、狂ったこの男とお近づきにあまりなりたくないのだが、ルーク殿下の色々が掛かっていると思うとそんなもの些事に過ぎない。

「分かった。その代わり絶対ルーク殿下を……」

「やったー!!!!やっと、僕の僕のになるんだ!!任せて、ちゃっちゃして、ちゃっちゃ愛し合おうね!!」

「おい、えっ??」

ノリノリのリーンハルトが鏡のようなものを取り出して呪文を唱えると、ある光景が映し出された。そこには……。何故か、魔物に襲われている神たるルーク殿下と憎きガルシア公爵が現れた。
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