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08.針の筵の学園生活
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ソレイユと婚約が決まってから私の地獄がさらに酷くなった。
学園に通うようになってすぐ、酷いいじめがはじまった。本来なら公爵令嬢ほど位が高ければそれを抑止することができるが、平民の出である私はその学園で誰よりも低い地位の認識とされていた。
物を盗まれたり、隠されたりしたし、聞こえるところで悪口をいう人たちが必ずいた。
「なんでここに元平民がいるのかしら」
「ここは貴族のための学校なのよ」
「あーあ、赤毛の娼婦と授業なんて受けたくない」
「公爵様の情婦が公女を名乗るなんておこがましいわよね」
「ソレイユ殿下のことだって事故に見せかけて嵌めて婚約したらしいわよ」
「酷い話。元は卑しい身分の人間らしいわね」
「ソレイユ殿下がサラサ嬢と親しくするの応援したくなるのよな」
「わかるわ。サラサ様はあの嘘つき女と違う貴族で聖女ですもの。お似合いよね」
悪意、悪意、悪意。
どこにいても悪意。私には何の後ろ盾もないことを知っているから、兄であるウィリアムだって助けたりしないとみんな知っているからいつも私はひとりだった。
だからこそ、聖女の印が浮かんでからは私は学園に通わなくなった。その代わりに私は市井にでて困っている人の傷を癒したり、ケガをして国に捨てられた元騎士の怪我を無償で直して回った。
別にこれは正義とかのためじゃない。単純に学園で辛い思いをするより少しでもいいことをして心を軽くしたかったとかそういう気持ちだけだ。
その日も、いつも通り癒しを行うために道を歩いていたら、いきなり柄の悪い男たちに声をかけられた。私の珍しい赤毛と緑の瞳から私を攫おうとしたらしい。
私は癒し魔法は使えるが、攻撃などは一切できない。
「お嬢ちゃん、上玉だな、これなら高く売れそうだ」
「こないで……」
「おいおい逃げても無駄……っ!!!」
突然男が、血を流して倒れた。後ろから誰かが切りつけたのだ。あまりのことに腰を抜かした私は信じられないものを見た。
柄の悪い男たちをよく知った人物が剣で切り倒していたのだ。真っ赤な血に染まるその頬に顔。よく知っているとても冷たい氷のような表情の男。
「何故、お兄様が?」
「何故はこちらのセリフだ。何故このような場所にうら若いお前が入り込んでいる」
ウィリアムは冷たく言い放つ。
もっとも私を憎んでいるはずの男は何故か暴漢たちを血祭りにあげたのだ。
「それは、癒しを行いに……」
そう答えた私に、ウィリアムは端正な顔をことさらに歪めた。
「癒しにとはこういう男達をその体で慰めてでもやるつもりだったのか?」
最初言葉の意味が理解できなかった。しかししばらくして体が怒りで震えた。この男は私を淫売といったのだ。こういう場所でいかがわしいことしているのだろうと言い切ったのだ。
「だとしたらどうするおつもりですか」
キッと睨み返すとその顔は見慣れた憎しみに満ちたものにかわった、そこに今回は憤怒さぇも浮かんでいる。
「お前は、私が……」
何かを言いかけたが、忌々しげに口を噤んでしまった。ウィリアムは私の腕を掴んで無理やり自身が乗ってきたらしい馬車の中に押し込まれた。
「いたい、なにするんですか?」
「……」
ウィリアムは何も答えない。そのまま馬車にゆられて強制的に家に連れていかれた。
その後、しばらく素行不良で私は家での謹慎を言い渡された。
学園に通うようになってすぐ、酷いいじめがはじまった。本来なら公爵令嬢ほど位が高ければそれを抑止することができるが、平民の出である私はその学園で誰よりも低い地位の認識とされていた。
物を盗まれたり、隠されたりしたし、聞こえるところで悪口をいう人たちが必ずいた。
「なんでここに元平民がいるのかしら」
「ここは貴族のための学校なのよ」
「あーあ、赤毛の娼婦と授業なんて受けたくない」
「公爵様の情婦が公女を名乗るなんておこがましいわよね」
「ソレイユ殿下のことだって事故に見せかけて嵌めて婚約したらしいわよ」
「酷い話。元は卑しい身分の人間らしいわね」
「ソレイユ殿下がサラサ嬢と親しくするの応援したくなるのよな」
「わかるわ。サラサ様はあの嘘つき女と違う貴族で聖女ですもの。お似合いよね」
悪意、悪意、悪意。
どこにいても悪意。私には何の後ろ盾もないことを知っているから、兄であるウィリアムだって助けたりしないとみんな知っているからいつも私はひとりだった。
だからこそ、聖女の印が浮かんでからは私は学園に通わなくなった。その代わりに私は市井にでて困っている人の傷を癒したり、ケガをして国に捨てられた元騎士の怪我を無償で直して回った。
別にこれは正義とかのためじゃない。単純に学園で辛い思いをするより少しでもいいことをして心を軽くしたかったとかそういう気持ちだけだ。
その日も、いつも通り癒しを行うために道を歩いていたら、いきなり柄の悪い男たちに声をかけられた。私の珍しい赤毛と緑の瞳から私を攫おうとしたらしい。
私は癒し魔法は使えるが、攻撃などは一切できない。
「お嬢ちゃん、上玉だな、これなら高く売れそうだ」
「こないで……」
「おいおい逃げても無駄……っ!!!」
突然男が、血を流して倒れた。後ろから誰かが切りつけたのだ。あまりのことに腰を抜かした私は信じられないものを見た。
柄の悪い男たちをよく知った人物が剣で切り倒していたのだ。真っ赤な血に染まるその頬に顔。よく知っているとても冷たい氷のような表情の男。
「何故、お兄様が?」
「何故はこちらのセリフだ。何故このような場所にうら若いお前が入り込んでいる」
ウィリアムは冷たく言い放つ。
もっとも私を憎んでいるはずの男は何故か暴漢たちを血祭りにあげたのだ。
「それは、癒しを行いに……」
そう答えた私に、ウィリアムは端正な顔をことさらに歪めた。
「癒しにとはこういう男達をその体で慰めてでもやるつもりだったのか?」
最初言葉の意味が理解できなかった。しかししばらくして体が怒りで震えた。この男は私を淫売といったのだ。こういう場所でいかがわしいことしているのだろうと言い切ったのだ。
「だとしたらどうするおつもりですか」
キッと睨み返すとその顔は見慣れた憎しみに満ちたものにかわった、そこに今回は憤怒さぇも浮かんでいる。
「お前は、私が……」
何かを言いかけたが、忌々しげに口を噤んでしまった。ウィリアムは私の腕を掴んで無理やり自身が乗ってきたらしい馬車の中に押し込まれた。
「いたい、なにするんですか?」
「……」
ウィリアムは何も答えない。そのまま馬車にゆられて強制的に家に連れていかれた。
その後、しばらく素行不良で私は家での謹慎を言い渡された。
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