ヴェリテ〜賢竜帝様の番は過ちを犯し廃嫡されて幽閉されている元王太子で壊れていました

ひよこ麺

文字の大きさ
72 / 77

65.おかしくなった番と薬の副作用(竜帝様視点)

しおりを挟む
「竜帝様、落ち着いてください。スースーハーと呼吸をして……」

ガトーが、オオアリクイの威嚇のポーズをとりながら諫めようとしてくるのが腹立たしいが、それでよりも気になるところがある。

「それはラマーズ法だろう。そうじゃない。ルーエリンが、朕の愛する番がおかしくなった、原因はあのお菓子にあるはずだ!!」

ガトーから受け取ってお菓子を、変態だが側近だからと信じて食べさせたのが良くなかった。ルーエリンに会いに行っていつものように冷たくあしらわれていたが、急に何故かルーエリンの様子がおかしくなった。

具体的にはもしかしたら呪いが解けたので番発作を起こしてくれた、いや、起こしたのかもしれない。

そう思ってルーエリンを抱きしめたところ、虚ろな瞳でキスをされた。その辺りで止めればよかったのだが、今まで冷たかったルーエリンからのキスで変なスイッチが入ってしまった結果……。

ルーエリンをそのまま押し倒して、ヴィクトールから受け取った例のモノを潤滑油代わりに使用した結果……。

物凄くルーエリンがキマってしまった。

むしろ、キマりすぎてびっくりした。それは、百歩譲って問題ない。むしろ永遠にルーエリンを抱いていたいし、かの祖先の竜神が成し遂げた巣籠1年だってどんとこいである。

では何がルーエリンに起こったかというと……。

「おかしくって、どうおかしくなったんですか。もしかしてキマりすぎてイクのが止まらないとか……」

「違う、それなら嬉しくて抱き潰すだけだ。そうじゃない。熱が下がらないのだ」

そう、ルーエリンがとんでもない高熱を出してしまったのだ。もちろん具合の悪い番を抱くなんて流石に俺が飢えているといっても絶対にしない。

「竜帝様なら回復魔法が使えますよね??それを使えば……」

「魔法が効かない。薬も飲ませてみたが全然だめだ」

正直、諸々ためしたが全くルーエリンが良くならない。こうなると例のお菓子と媚薬の相性、つまり食い合わせが悪いみたいな突然変異が原因だと思った。

例の媚薬の成分はそこにあったのですぐ分析したが、お菓子は食べてしまったのでわからなったのでその元凶であるガトーに確認しにきたのだ。

「なるほど、あのお菓子にはガトー印のマタタビ淫という……」

「よし、この件が終わったらお前を×××からな!!何故朕の番に恐ろしいモノを飲ませているんだ」

それは、あいつが口に出せえない方法で生成したヤバイ媚薬だ。ち~〇もやばいがもっとまずいものだということを俺は知っている。

ただ、ネコ科に対しては有効だがネコ科でないルーエリンにどのような影響を与えたのか……。

「……あの、竜帝様。王太子殿下の熱が下がらないとのことなのですが、昔同じようなことがありましたにゃ。その際は実は食品のアレルギーと判明して事なきをえたのですにゃ……」

「アレルギー!!」

マタタビはキウイに近い。それに対してルーエリンがアレルギーを持っていたもおかしくない。ただ、本来なら回復魔法で治せるが、かの媚薬の影響でその魔法を何故か跳ね返してしまっているのかもしれない。

「ありがとう、ミケ。ガトーは××すが、ミケには何か後ほど褒美をつかわす!!」

そう言って、ルーエリンを寝せているベッドへ急いだ。
しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...