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05.親友の弟がダメ人間すぎる(ギーレン(団長)視点)
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※ルベルスが目覚めて兄者と会話する少し前です。
「ギーお願いだ、弟を匿ってほしい」
定期通信で王都から辺境地へ連絡をしてきた、親友のレイモンド・フィッセルからそう言われた時は、思わず宇宙猫のような顔をしてしまっただろう。
しかも、王都の王立学園に通っていた際の一番の親友であるレイモンド、いや、レイは今まで彼が一度も見せたことがないようなとても苦し気な表情で言うものだから間違いなく大変な事態なのだということを察した。
「……何故だ??」
定期通信は軍事上の理由で他所からの盗聴はできないようにはなっているし、何より俺とレイは気心のしれた友人同士であるのに、それでもレイは思案しているようになかなか口を開けずにいる。
「弟が、ルベルスがこのままではキチガ〇王太子に監禁されてしまうんだ」
なんとか絞り出した言葉は、予想の斜め上をいくものだった。
レイは学生時代からずっと隠しているようだが結構なブラコンであるために、ありえないことを妄想しているという可能性もなくはないのだが、たとえそれがただの妄想でもレイは親友であり俺にとってかけがえのないヤツだから助けてやりたいという感情が勝る。
「……そうか、わかった。ならば匿おう」
「ありがとう」
その言葉に安心したように微笑んだレイは、それからいつも通りの真面目だが普通の無表情に戻った。そして、ポツリポツリと今回の経緯について俺に説明をした。
どうやら、王太子の婚約者を寝取ったとしてルベルス身柄の引き渡しを要求されていること、身柄を引き渡せばルベルスの無事が望めないこと、そして、それを防ぐためにフィッセル侯爵家はルベルスを罰として女性の一切いない辺境の地の我が騎士団に送り一兵卒にすることで罰としたいという意向らしい。
「確かに、我が騎士団はもっとも過酷とされるゆえ苦役なら王家も文句は言えないだろうな」
「ああ、奥の手だったが仕方ない。ギー、ルベルスは天使のようなヤツだ。だから……どうか守ってほしい。そのためなら私は何を差し出しても構わない、何かあれば王家に漏れないようにこの定期通信で連絡してほしい」
「ああ、わかった」
親友の懇願には答えるが俺自身はレイの弟であるルベルスにはあまり良い印象は持っていなかった。
生まれが不幸なのは気の毒だが、その不幸に酔いしれて自身では努力はしないような人間であるルベルスは俺がもっとも好まないタイプだった。
けれど、レイから頼まれたとはいえ我が騎士団に入団させる以上はその根性含めてある程度叩きなおそうと考えていたところでそれに気付いたのかレイがいつもの明朗な声色ではない蚊の鳴くような小さな声で言った。
「……くれぐれもお手柔らかには頼む」
「それだけは約束は難しい。俺にとって団員はみんな家族。だから、ひとりだけ甘やかすわけにはいかない」
その言葉に、ちいさく「そうか……」と返したレイはとても辛そうだったが、そこだけは曲げられない。
「大丈夫だ、その代わり必ず安全に匿うと誓おう」
俺はレイに微笑む。レイはその笑顔に安心したようにコクリと頷いた。
何もかも抱え込みがちな真面目で努力家のレイは、見ていて心配になる。俺にとって親友であるレイは親友であると同時にとても特別な人でもある。
だから、たとえ危険になろうとも俺はレイを助け、いけ好かないルベルスも守ろうと決めたのだった。
しかし、このことが、思いもよらない方向に運命をすすめていくことをその時の俺は、全く予想していなかったのだった。
「ギーお願いだ、弟を匿ってほしい」
定期通信で王都から辺境地へ連絡をしてきた、親友のレイモンド・フィッセルからそう言われた時は、思わず宇宙猫のような顔をしてしまっただろう。
しかも、王都の王立学園に通っていた際の一番の親友であるレイモンド、いや、レイは今まで彼が一度も見せたことがないようなとても苦し気な表情で言うものだから間違いなく大変な事態なのだということを察した。
「……何故だ??」
定期通信は軍事上の理由で他所からの盗聴はできないようにはなっているし、何より俺とレイは気心のしれた友人同士であるのに、それでもレイは思案しているようになかなか口を開けずにいる。
「弟が、ルベルスがこのままではキチガ〇王太子に監禁されてしまうんだ」
なんとか絞り出した言葉は、予想の斜め上をいくものだった。
レイは学生時代からずっと隠しているようだが結構なブラコンであるために、ありえないことを妄想しているという可能性もなくはないのだが、たとえそれがただの妄想でもレイは親友であり俺にとってかけがえのないヤツだから助けてやりたいという感情が勝る。
「……そうか、わかった。ならば匿おう」
「ありがとう」
その言葉に安心したように微笑んだレイは、それからいつも通りの真面目だが普通の無表情に戻った。そして、ポツリポツリと今回の経緯について俺に説明をした。
どうやら、王太子の婚約者を寝取ったとしてルベルス身柄の引き渡しを要求されていること、身柄を引き渡せばルベルスの無事が望めないこと、そして、それを防ぐためにフィッセル侯爵家はルベルスを罰として女性の一切いない辺境の地の我が騎士団に送り一兵卒にすることで罰としたいという意向らしい。
「確かに、我が騎士団はもっとも過酷とされるゆえ苦役なら王家も文句は言えないだろうな」
「ああ、奥の手だったが仕方ない。ギー、ルベルスは天使のようなヤツだ。だから……どうか守ってほしい。そのためなら私は何を差し出しても構わない、何かあれば王家に漏れないようにこの定期通信で連絡してほしい」
「ああ、わかった」
親友の懇願には答えるが俺自身はレイの弟であるルベルスにはあまり良い印象は持っていなかった。
生まれが不幸なのは気の毒だが、その不幸に酔いしれて自身では努力はしないような人間であるルベルスは俺がもっとも好まないタイプだった。
けれど、レイから頼まれたとはいえ我が騎士団に入団させる以上はその根性含めてある程度叩きなおそうと考えていたところでそれに気付いたのかレイがいつもの明朗な声色ではない蚊の鳴くような小さな声で言った。
「……くれぐれもお手柔らかには頼む」
「それだけは約束は難しい。俺にとって団員はみんな家族。だから、ひとりだけ甘やかすわけにはいかない」
その言葉に、ちいさく「そうか……」と返したレイはとても辛そうだったが、そこだけは曲げられない。
「大丈夫だ、その代わり必ず安全に匿うと誓おう」
俺はレイに微笑む。レイはその笑顔に安心したようにコクリと頷いた。
何もかも抱え込みがちな真面目で努力家のレイは、見ていて心配になる。俺にとって親友であるレイは親友であると同時にとても特別な人でもある。
だから、たとえ危険になろうとも俺はレイを助け、いけ好かないルベルスも守ろうと決めたのだった。
しかし、このことが、思いもよらない方向に運命をすすめていくことをその時の俺は、全く予想していなかったのだった。
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