純愛パズル

久遠寺風卯(ペンネーム)

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第2話 都市伝説

都市伝説(10)

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               10

 蕨は目を開けると、気付けば夢の中。
 一が観ている夢の中に来ていた。
 しかし、どうやら蕨は自分じゃない姿、夢の中で他の誰かになっているような感じだ。
 同化しているのかは分からないが、男性の姿だった。
 時代劇みたいな古い戦国から江戸時代のように、服装も髪型も丁髷や袴を着ている。
 彼の夢の中にしては随分とはっきりとした現実的な夢だ。
 男は夕方、とある屋敷廊下で一人、柱の壁を背にして座って三味線を奏でていた。
 歳は四十ぐらいかと思いながら蕨は考えていると、男は途中で弾くのを止めて、口元に掌を
抑える。
「コンッ、コンッ! ケホッ! ゴホッ! ゴホゴホッ! 」
 男は辛い表情と顔が青白い状態で深い溜息を吐く。
 掌についた血をグッと握り、片方の空いた手で着物の裾から手拭いを取り出し、口元などを拭き取る。
「……っ。」
 男は夕焼けの空を眺めながら、過去の記憶に想いを馳せていた。
 歳は十七の時、この屋敷ではない何処かの土地で自分の許嫁である女性に別れ、婚約破棄をしていた頃。
「どうして、私じゃダメなんですか? 何が悪かったのですか? 私の何が劣っているというの? あの女のどこが良いんですか⁉ 」
 許嫁だった女性は目を赤く腫れるほどを泣きながら、男の袖を掴んだりして強く訴えていた。
 その数日後、城の領主の元へ行って、その人と会い自分から願いを承知で直談判と許しを得る為に、座って深く頭を下げた。
「良いだろ。認めよう。いつか多くの民の命を助け、またここに戻って来た時、この土地の役に立って。」
 領主は男の話を真剣に聞いて、強い意志と想いに胸を動かされ、彼の願いを承諾した。
「有り難く感謝至極に存じます。必ずや、役に立ち、このご恩をお返し致します。」
 そして、その後の自分の屋敷に帰って早々に家族から反対されるのだった。
「冗談じゃないわ! 勝手なことをして! 」
 特に母親は火が付いた鬼のような怖い顔で怒鳴る。
「許嫁とは婚約破棄。この城の領主様にも「医者になる為に、この土地を去り、旅に出るですって⁉ 母は絶対に許しません! 」
 本当は穏やかで温厚、優しい顔のはずの母は今や変貌したようで自分の母親ではない別人の顔になっているような雰囲気だ。
「母上! お待ちください! 私は本気です! 」
 居間で、両親と弟一人、座布団の上に座り、男も一緒になって話す。
 しかし、聞く耳持たないという感じで母親は席を立とうとする。
「そんな夢物語のように人生上手く行くとも思えん。もし医者になれたとしても人の命を救えずヤブ医者と罵られたら、世間の笑い者だぞ。少しは頭を冷やしなさい。」
 父親も眉間に皺を寄せながら静かに怒っている様子だ。
「この先の人生は、あなた方の思い通りの選択の道ではなく、自分で決めて歩みたい。悔いのない道を歩きたいのです! 私は以前から人の命を救いたいと思っていたのです。どうか、お願い致します!」
 深く父親に頭を下げて頼む。
「先祖代々この家を守る為に、長男である者が意志を継ぎ、当主となる。それを放棄する覚悟の上でか? 」
 男はどうやらこの屋敷の息子で長男、跡継ぎ候補だったらしい。
「弟には申し訳ないと思っています。でも、それも承知の上です。」
 男は、弟の姿を見ながら申し訳ない表情で口を噤んだ状態で言葉にする。
「俺は別に兄上みたいに、やりたいこともないから、別に構いません。」
 弟は真剣に兄である男に賛成していた。
 それを父親は見て「分かった。お前の好きにしなさい」と認めた。
「ありがとうございます! 」
 男は喜ぶが母親だけは断固反対のようだった。
「行かせないわ! 津九一つくいち! 」
 立ち上がり、何処か違う部屋に向かおうとしていたが足を止めて翻し、座る男、長男であり息子を無理やり立ち上がらせて顔を強く掌で叩かれる。
「お前は、あの小娘に唆されているんです! 母の目は誤魔化されはしないんだから! 今まで誰のおかげでここまで生きて来られたと思っているの! 」
 そして無理やり母親に強く手を引かれて、蔵に閉じ込められたりした壮大で波乱な騒動となり、親の目を盗んで家出という形で旅立った。
 それから何十年と時は過ぎ、今に至る。
 自分で薬を作ったりしているが、自分の胸の病は直せない。
 以前のように人の命を救うことも出来ない。
 こうして、身体が軽く調子の良い時は暇さえあれば三味線を弾いたりする。
 本も読むし、筆で文や習字や俳句も綴る。でも、それだけだ。
 若い時、護身用に腰に差していた刀も振ることも出来ない。
「空虚だ。」
 男は、そう呟いて静かに目を閉じた。

               ◆

 しかしそこで映像は遮断され、今度は別の映像、夢を見る。
「『津九一』? その名前……っ! ううっ、頭が痛い! 」
 蕨は夢の中でもありイメージ世界でもある表層意識の中で情報量が多すぎてか脳に負担がかかる。

                 ◆

 それとは裏腹にまた違う人物になる。
 今度も男だ。しかし年齢は十五くらいで、時代もまた飛んでいた。
 大正の終わりぐらいの時期か。
 男子学生の男は科学科で何やら実験をしていた。
 そして、その男の同期仲間の一人が、親しく話し掛けて来た。
「空想話っというのか、怪奇話になるのか……よくあるじゃねぇか。座敷童子が家に住み着くと裕福になるだ、幸せになれるとか。」
「ああ、聞いたことあるよ。見たことないけど。」
 男は同期仲間の話を聞きながら、ノートに必死に成果を書き込む。
「でも、半妖の座敷童子に出逢うと、何かしら不運、不幸が訪れるらしい。今、その噂話が持ちきりなんだよ! 話すだけで気味が悪いし、怖くないか? いずみ~! 」
 しかし、噂話を聞かされても男は至って冷静だ。
「ふーん。って、ごめん。話の腰を折るけど、そもそも『半妖』って何? 」
 突っ込むとこはそこかよ。と同期はあきれながら説明する。
 半妖は人間と妖怪の間に生まれた存在らしい。
「要するに、ただの日本人と外人の間に生まれたハーフの子供みたいなもんじゃねぇか。」
「まあ、そうだけど……何かしら普通の人間と違って超能力や妖術的なこと使えるかもじゃん。」
 同期の言葉よりも男は目の前の実験に夢中だ。
「そんな憶測で物事語ってもしょうがないだろ。
 本物を見たら信じてやってもいいけど。
 俺は怖い話なんかより、科学ぐらいしか興味がない。噂話している暇があるなら、さっさと片づけて帰れ。」
 冷たく足われて同期は「酷い! 」と呟く。
「俺は自分で見たものしか信じない性分だから。ある程度の『火の玉』を見た騒動も、科学の力を持ってすれば、いつか解明される。」
 冷静沈着に男は淡々と言葉を並べる。しかし、同期は男の、好奇心的な気を惹かせる為に、ある提案をする。
「なら、科学の力で、その半妖の座敷童子を誘き出そう! 現れたお前は信じるだろ! 」
「お前は俺に何をさせる気だ? 非現実的な馬鹿げた話を振るな。」
 そういった話をする頃。
 次はまた時は過ぎ昭和前半辺りだろうか。戦争の影響で日本の暮らしは厳しく、貧しく、法律も厳しく自由な発言も許されない。先が見えない混沌とした暗い時代。
 おそらく昭和十四年から昭和二十年辺りだろうか。
 男の歳は二十歳前半。戦争に行っていない国民服を着てバッグを背負い歩く中で、急に景色は変わり人気のない静かな森の中、怪しい頭に狐の耳。顔には狐のお面を着けた十二単の着物を纏った長髪の黒髪男が目の前に現れていた。
「愚かな。未だにお主は、この腐った日本に留まって居るとはなあ。」
「俺に何の用だ? 」
「忠告じゃ。近いうち戦争は、より勃発し否応なく武器も食べ物も貧しくなる。
 人々の暮らしも荒れるなら妖怪達の暮らしにも支障が出る。だから、あの小娘らを逃がすか、
お主も一緒に外国に逃げると言う、どちらかの良き選択を選ぶがよい。」
 男は妖怪、妖狐と対峙していた。それは半分、現実的な話と非現実的な話が交差する。
「……。」
「お主は馬鹿か? ここは嘘でも、日本を出て外国に逃げる選択をするはずじゃろ? 何を悩む必要がある? 賢い人間なら大半は生き延びたいと思うものが多いぞ? 」
 扇子を広げて口元を隠して、妖狐は男を不思議そうに見つめる。
 男は拳を強く握りながら、真剣な眼差しで訴える。
「俺は現実から目をそらして、臭いものには蓋をして、違う国に逃げたくない。
 こんな世の中でも、俺が生きて来た国だ。あいつだって、同じ気持ちだ。だから、俺達はここで生きて行くし、行きのびてみせる。」
 男の言葉に妖狐は高笑いする。半分は嘲笑いだ。
「ふっ、あははは! 傑作じゃのう! いや、傑作を通り越して哀れに思えるぞ。
 正気か? お主に赤紙が来たらどうする? 好きな女子が国家の偉い者達に捕えられたらどうする? 
 或いは核爆弾で自分らの命が吹き飛んだら……どうするのじゃ? 」
 途中からの低く怖い声に変わる言葉に男は、口を堅く噤む。
 それでも、それが男にとっては本音と覚悟なのだ。
 二人の会話はそれからも続いていたが途中で途切れ、また何年か過ぎた頃。
 男が居ない間に家へ勝手に土足で上がり込み、軍隊の人、四人が土足で上がり誰かを探していた。
「いないか。何処かに隠れたか、或いは逃げたか。」と一人が話すと、別の人が「もっとよく見つけ出せ! 」と強い口調で指示を出す。
 仕事を終えて帰って来た男は、荒れた家に帰って来て驚愕する。
「何なんだ! あんた達は! 失礼だろ! 他人の家に土足で上がるなんて! 」
 男は怒りながら軍隊の人に注意して近寄る。
 すると、一人の軍人が男に気付くと振り返り「これは。泉さん。すいませんなあ。 勝手に調べさせてもらっていますよ。」と言いながら愉快で悪気もなさそうな表情で話し掛ける。
「国のトップか知らねぇが、軍人だからって何でもしていい。許される。などと思うなよ。
 他人の家に土足で上がり込んで何をしてんだ。あんた達は。」
 男は、眉間に皺を寄せながら苛立っていた。しかし、冷静に尋ねる。
 一人目の軍人は司令官のようだ。彼は笑顔で男に答えた。
「半妖の座敷童子を探しているんですよ。噂で聞いたんです。あなたが、この家で半妖の座敷童子を匿っているとか。」
「あくまで噂でしょう。そんな根の葉もない噂を信じるなんて、どうかしているんじゃないんですか? 」
「随分と泉さんは口が達者の様だ。」
「何のことですか? 俺は事実を述べただけですが」
 男は軍人の人でも態度が悪い人柄に軽蔑するような目つきをして見る。
 すると「何だ! その気に食わない目つきは! 我々軍人を愚弄するのか! この非国民が! 」と一人の軍人が男の胸倉を強く掴み怒鳴り散らした。
「暴力振るって正義を振りかざす……随分とおこがましい真似をする。いい加減、醜い正義……いや詭弁と偽善を振りまくの、止めた方がいいですよ。」
 男は冷静にそして、目は真っすぐに相手を見つめる。
 権力や法律で定められた自由な発言が許されなくなったやり方が、間違っている。
 自分は間違っていない。言っていることは間違いない。でも最低限の悪い発言には入っていないはずだ。しかし、ギリギリの境目だ。
 男の胸倉を強く掴んでいた軍人は、彼の真っすぐに、何の迷いもない強い圧のある眼差しに恐怖する。が、庶民のクセに生意気な態度を取ったことに腹も立ち、片方の拳で顔を強く一発殴られるのだった。
 男は、床に強く身体を叩きつけられた。荒らされた家具の角や倒れた椅子にも打ち腕や肩を痛める。
 司令官の人は、殴られた男を嘲笑う。
「ははは! 面白い男だ。」
 しかし、どんなに探しても人が出て来る姿はない。
「おい、今日はもう引き上げるぞ。」
 無駄な時間を費やした。と、呆れた様子で司令官は残る三人に指示を出して、この家を撤退して行く。
「……っ。」
 痛む肩を押さえながらも、態度が悪すぎる軍人達を睨む男。
 司令官が帰ろうとした時、足を止める。
「ああ、そうだ。渡し忘れるところだった。」
 上着の中に入れていた一枚の紙を男に手渡す。
「あなたに『召集令状』です。」
 それも怖い笑顔で、赤紙を見せつけるように。
「……っ。」
「では。またいずれ、お尋ねします。お邪魔しましたなあ。」
 司令官は三人の軍人を引き連れて、乱暴に男の家の引き戸を強く締めて出て行った。
 受け取りたくもなかった『召集令状』の赤紙を、男は掌で強く握り潰す。
 怒り、悔しさ、虚しさが心に強く突き刺さる。今までにない感情だった。
それが最後の映像だった。

             ◆

 蕨は体験した夢の中での情報量が多すぎ更なる負担で頭痛らしき痛みが強く増す。
「『泉』? 何でこんな映像の情報が? 」
 彼女は、混乱で涙を流しながら頭を片方の手で押さえる。
 しかし、見てしまった。顔の表情は見えなかったが、声は一と同じだった。
「……っ、だ、だめっ! もう限界っ。」
 とてもじゃないが立て続けに、他の夢の記憶をどうこう探るどころではない。
 蕨は意識を戻して現実に戻って目を開ける。

             ◆

 彼女が目を開けた瞬間、そこは現実の世界だった。
 顔を上げて身体を起こすと、目から涙か零れていた。
 蕨の胸はドキドキと高鳴なりつつも、半分恐れるように後ずさる。
( あの夢の中の記憶は……間違いなく、あの人達の? )
 考えに老け込んでいると「おい」と誰かの声が近くで聞こえた。
 目の前に心配そうな表情をする一の姿があった。
「大丈夫か? 顔色、真っ青だけど。」
 一は蕨こと詩暮が目覚める前から一足先に起きていた様子だ。
「起きたら驚いたぜ。あんたの眠った顔が自分の近くにあったからさ。」
 彼は何事もなく平然と普段通りに会話していた。
 しかし、詩暮にとっては一の顔が直視出来ないでいた。
 起きて早々に夢の中と同じく強い頭痛がする。
 片方の手で頭を押さえながら、黙って立ち去ろうとするが、視界が不安定に揺れる。
 手を床に着けて、背を低くしゃがみ込む詩暮の姿に一は驚く。
「詩暮さん!? どうした!? 」
 彼女の様子と体調や顔色の悪さを心配して隣にすぐ、優しく寄り添う。
 詩暮は隣にある一の顔を見る。
 すると、夢に出て来た男性二人の顔が交互に入れ替わるような、現実と夢が混濁し、一の顔が認識出来ない。
「ううっ! 」
 それと同時に、より強い衝撃の痛みが頭に叩きつけられる。
 気付けば涙もさっきより目から、どんどんと溢れ流れ出て来る。
 それだけじゃなく、呼吸も荒くなり胸も苦しくなる。
「はぁっ、はぁ、はぁっ! 」
 詩暮は胸を押さえて、息苦しい。息が続かない。
 身体も何故か重圧みたいなものが圧し掛かる。
 いつも懐にある事前に持ち歩いて精神安定剤のような薬を取り出そうと、着物の間に手を入れて探るが、なかった。
「何でっ、こんなっ、肝心な時にっ……はぁっ、はぁっ。」
 歯痒い思いをしながらも、どうすればいいのか、この状況を治めるにはどうしたらいいのか
分からなかった。情報を引き出しすぎ、思考もかなり使ってしまい、落ち着こうと考えようにも混乱と焦りで、息が苦しい。
 そんな彼女とは裏腹に一は、焦るな。冷静に。と、詩暮の顔色だけでなく呼吸など観察みたいに診る。
「パニック障害か過呼吸な可能性があるな。」
 彼は落ち着けと自分に言い聞かせ、声を荒げず優しく冷静に詩暮に声をかけて対処する。
「とにかく、落ち着いて。ゆっくり息を吐いて……。」
 すると、一の背後からカラスの鳴き声が聞こえる。
「カアー! 」
 一はこんなまだ夜明け前で外は暗いのに烏の声がする。
 空の色はまだ青くないはずなのに。
 疑問に思うこと色々あるけれど、今は目の前に居る詩暮の様子が心配だ。
 そう思って、彼女の傍を一旦離れて、自分が持って来ていたリュックの中身を
確かめて何かを取り出そうとしていた。
 すると、また再びあの鳴き声を出していた一羽の烏が、開いている小さな窓から一の顔に向かって飛んで来た。そして、烏は何か口ばしに挟んでいた物を彼の額に軽く叩きつけた。
「痛っ! 」
 一は、額に軽くへばり付いた物を手に取ると、精神安定剤の粉薬が目に入る。
 困惑していると、また烏が鳴く。
「カラス? 」
 烏は心配する様子で苦しそうにうづくまる詩暮に近付いてひたすら鳴き騒いでいた。
 一は、鳥の声も動物の声も聞き取れたことはない。しかし、不思議なことに今、目の前に居る烏は彼に「早く飲ませろ。」と騒ぐように訴えるように鳴く。そんなことあるわけがないのに。
 しかし、そんなことはどうでもいいと、一は急いで、ペットボトルの飲み水と精神安定剤の薬、そして飴玉を持って詩暮に駆け寄る。
 薬を破り、彼女に声をかけて口に薬を流し込む。あと水も飲ませる。
 幸いにも、胸の苦しさや呼吸も安定し、詩暮は布団の上で横になって休んでいた。
「とりあえず落ち着いたみたいだな。良かった」
 一は詩暮の傍に付き添い、ほっと安堵していた。
「詩暮さん、大丈夫か? 他にどっか体調に不調はないか? 」
 彼女は、一から目をそらすように身体を反対の方向に横向け寝返りを打つ。
「ないわ。」
 目を細め、詩暮は疲れた表情をしている。
( それにしてもついてないわ。久しぶりに能力を使った挙句、あんな夢で動揺し過呼吸になったせいで、体力消耗と負担をかけ過ぎて反動し起きていられない。 )
 瞼も重い。詩暮は、気付けば意識が途絶え静かに眠りに落ちそうになる。
 そんなことには気づくことなく一は彼女に話しかけていた。
「あ、そう言えば。さっき、この窓からカラスが一羽入って来てさあ。あんたの為に薬を急いで届けてくれたんだぜ。 あのカラス、あんたの友達かペット? 」
 一は、隣に居ると思っていた烏の方に振り向く。が、いつの間にか姿を消していたことに驚く。 
 知らない間に外へ飛んで行ったのだろうか。でも普通飛んで行くにしても、バサッ! と羽が広がる音がするはず。
 疑問に思うことは烏ばかりではない。何故、詩暮が自分の部屋に訪れ眠っていたのか。
 それから彼女が起きてすぐ過呼吸という症状を起こし、体調が悪くなったり。
 今は気分もだいぶ落ち着いているが、体調は回復してないのか伏せっている。
 しかし、こんな状況で詩暮に色々質問をするのは野暮な話だ。
「まあ、いっか……とりあえず、もう少し休んでから部屋に戻って……。」
 すると、わずかに彼女の寝息が聞こえた。
「眠った……のか。」
 しかし、どうしたものか。
 時計時間を確認すると午前四時。
 本来なら、この時間帯にこの家を出て、自分のバイクに乗り東京の病院まで向かうはずだった。だが予想外なことが起きたが為に予定が少し狂った。
 別にそれは構わない。病院側へ、少し遅くなると連絡すればいいだけのことだから。
 問題はそこではなく、今の状況だ。
「眠るのは勝手だけど……まずいよな。この部屋にずっと居させるのは。」
 一は小声でそう呟いて、自分の頭をガシガシと手で掻いた。
 このままここにずっと詩暮を寝かせておくのは良くない。
 男同士ならまだしも、女性だからだ。
 あくまで一は居候であり下宿人でもある。けど、彼女はこの家の娘だ。
 もし、誰かにこの状況を見られたら。
 ライムやふぶきに、夜這いだの不潔など言われかねない。
 言い訳したところで、信じてくれなさそうだ。悪い状況に寄っては『滞在契約三か月間』が破棄されかねない。それは流石にまずい状況だ。
「起きて下さい。そのまま、そこの布団で寝られると困るんです。」
 軽く詩暮の身体を揺り動かすと、彼女の遠退いきそうだった意識は戻り、目が開く。
「横になって休むのは構わないと言ったけど、寝るなら自分の部屋で休んでほしい。体調がまだ悪いなら俺が、おんぶして、あんたの部屋まで送るから。」
 一は寝ぼけて身体を起こす詩暮を見ながら背中を向けて、おんぶする体制をとる。
 詩暮は、ふらふらしつつも一の背中に寄りかかり、両腕を彼の首に回し、おぶさった。
 彼女を落とさないように、しっかりと彼女の両足足を支え、おんぶし、ゆっくりと立つ。
 おんぶして早々、一の背中で眠る詩暮を彼は起こさないように、自分の部屋のドアを開けて
廊下に出て歩く。幸い誰も居ないし静かで暗い。
 暗い視界に慣れていた一は歩きながら階段がある場所を見つけると、ゆっくりと、慎重に一段ずつ下る。
 十段ぐらいある階段のうち五段目まで下りた時だ。
「津九一……泉……ごめんね。」
 一の背中におぶさって眠る詩暮は寝言でそう彼の耳元で呟いた。
「寝言? 誰だよ。そいつら。」
 彼は、詩暮に小声で尋ねるが返事は返ってくるはずがない。
 階段を降り、一階に着く。
 確か玄関から入って一番先にある部屋が詩暮の部屋だったことを思い出す。
 幸い廊下に台所や居間もまだ電気、明かりが点いていないことに安堵する一だった。
 詩暮の部屋のドアに辿り着くと、一は「着いたぞ。」と小声で詩暮を起こすけれど、反応がない。しょうがないという表情と深いため息を着き、ドアノブを手で引いて彼女の部屋に入る。
 ベッドがあることを確認すると、一は彼女の身体をゆっくりと下ろし、そこに優しく寝かせる。
 仰向けになって眠る詩暮の顔色は白く青ざめている。
 よっぽど体調が悪いのだろう。と思った一は、後で何か栄養のつく食べ物とかドリンクとか持って来ようと思いながら、ベッドの足元に置いてある夏用毛布を彼女の身体にかけた。
 すると、ふと彼女の部屋にある古いタンスに目が行く。
 何故か一はタンスの細い引き出しが気になり、そこに手をかける。
 引き出すと蕨こと詩暮が取り出していた、あの鞘に収められていた刀だった。
 手に取ると、刀の重さを感じる。
「何だこれ? 本物か? 」
 自分は一体何をしてんだ。非常識極まりない行為だ。他人の物を勝手に漁るなんて。
 しかし、なんだか不思議と、この刀には見覚えがある気がすると感じだ。
 そんなことあるわけないのに。
 本物かどうか確かめたいという好奇心とは別に、自分がこの刀に惹かれる理由を知りたく、鞘を抜こうか考えていた。しかし、我に返るとすぐに刀を元の引き出しに直して閉めた。
 少しの間だけ持っただけで、何故か冷や汗が出ていた。頭痛もしだす。
「疲れてんのかな。最近寝不足だし。」
 一は、とりあえず容体が落ち着いている詩暮の様子を再確認すると、部屋を後にした。
 ドアを閉めると気配を消し、隣の壁際に腕組みをして物静かに立つ観月に気が付く。
「うわっ! み、観月……か。びっくりした。」
 一は、ぞわっと一瞬だが自分の身体に悪寒を感じだ。
「随分と朝起きるの早いんだな。杉浦。」
 ここに来て二週間経つが、観月だけは態度が上から目線だ。
 色々腹立たしいが、ここは自分が大人になって冷静に答えようと口を開く。
「おはよう。お前も随分と早いな。あの、誤解しないで聞いてくれ。実は朝方、四時ぐらいに詩暮さん、俺の部屋で過呼吸になって医者として対応して、彼女は今さっき落ち着いて寝たところだ。」
 観月は冷徹な目で一を見つめて、彼の話に興味なさそうにしながらも耳を傾ける。
「知ってるよ。そんなこたあ。朝からご苦労だった。」
 半分、一を嘲笑っている様子だ。
 観月は自分と話す時、態度は最悪だし冷たい。しかし、詩暮の前では優しい表情を見せる。
 会った時から、いけ好かない。妙に癪に障る。
「じゃあ、俺はこれで。」
 苦笑いしつつも、耐えろ。自分。笑顔を保とうとする。一は観月に背を向けると、すぐに台所へ向かい明かりを点けた。
 食器棚の戸棚を開けてミキサーを探し出し、冷蔵庫から果物をいくつか用意する。
 バナナ、リンゴを包丁で切り、ミキサーにその二つと蜂蜜、ヨーグルトを適度に入れる。
 そして蓋をし、ミキサーの電源を入れて、機械で良くかき混ぜる。
「何なんだ。観月のヤツ。朝っぱらから機嫌が悪いのか知らねぇけど、睨むことないだろ。胸糞悪い。」
 一は深い溜息をつきながら、また食器棚からグラスを一つ手に取り、水道水をそれに注ぐ。
 喉が渇いていた一は水を飲む。
 ミキサーの中に入っている果物類は上手く掻き混ざっただろうか。
 蓋を開けると、ミルクセーキっぽく出来ていた。
「よし。詩暮さんが飲むかは分からないけど、少しは栄養付けた方が良いだろ。」
 試しに味見と、水を飲んでいたグラスに注き、飲む。
「おいしい。」
 すると「何しているの? 朝早くから。」と、ふぶきが驚いて声を掛けて来た。
「お、おはようございます。ふぶきさん。」
「これは? 」
「ああ、詩暮さんが夜中、過呼吸症状があり今は安定して休んでいます。
 でも顔色が、まだ悪いみたいなので栄養のつく飲み物をと……思って作ったというか。」
 ふぶきは目を細め、一が作った飲み物を眺める。
「良かったら、ふぶきさんも飲みますか? 量はたくさん残っているので。」
 違うグラスに入れて彼女に渡す。
 しかし「ぬるい。冷たくない」と指摘されてしまった。
「すいません。入れ忘れてました。」
「でも、おいしいわ。」と褒めてくれた。そして、詩暮の看病をしてくれたことを感謝していた。
「あの、詩暮さんって……どっか体調が悪いんですか? 」
「何で?」
「ほとんど家で過ごされていることが多いじゃないですか。妹の蕨ちゃんも持病あるなら姉の詩暮さんにも何か病気とか、あるんじゃないか気になって。」
 一が心配そうに尋ねる中、ふぶきは笑顔で「ただの夏風邪よ。」と答えた。
「あと、あの子は意外に精神が強くないし、ストレスに弱いのよ。」
 ふぶきは一が作った飲み物を飲み干すと、すぐに朝食の準備をしだす。
「そういえば、杉浦さん。朝早く東京に出る予定だったんじゃないんですか? 」
「ああ、昼に変更して東京に向かいます。今更、慌てて行っても、ろくなことないだろうし。」
 一は、残った飲み物を別の容器に移し、冷蔵庫に冷やして置く。使ったミキサーを洗い、乾かしながら、ふぶきに伝える。
「そう。娘が心配かけて、ごめんさない。予定が狂ってしまったわね。」
「気にしないで下さい。医療仕事関係なしにトラブルはつきものですし。」
 一は自分の携帯をズボンのポケットから取り出して、ふぶきに病院に電話してくると伝えると「杉浦さん。」と引き止められる。
「詩暮と親しくするのは構いませんが、あまり深追いするのは、やめてくださいね。」
 ふぶきの顔は笑顔だが、不気味なくらい話す声は怖かった。寒気がするほどだ。
「分かりました。」
 一がそう言って去ると、ふぶきは切っていた野菜の大根に包丁を思いっきり強く突き刺した。
「あと五ヵ月……か。」
 ふぶきは、そんな一言を呟くと彼女の目は虚ろになり、気付けば一筋の涙がこぼれた。

              ◆

 一方、一と別れた観月は、廊下の壁に立ったまま苛立っていた。
「ホント、気に入らねえ。」
 そう呟くと観月は、詩暮こと蕨の部屋のドアノブに手を掛けることなく、ドアをすり抜けて彼女の部屋に入る。
 顔色が悪い状態で眠る蕨を見つめる。
 あの時。
 蕨が一の部屋で突然、過呼吸で苦しみ出した時、一羽の烏が外の窓から部屋の中へ入って来た。
 あの烏の正体は観月が変身した姿だった。
 もちろん、それは一が知るすべはないし、必要もないことだ。
 彼女の様子が落ち着いたら、すぐに何事もなかったかのようにして姿を消していた。
 けれど彼は、それでも蕨のことが心配で外にある電柱に烏の姿で止まって遠野家を眺めていた。
 観月は、心配しながら蕨の傍に近寄り、蕨の手を握る。
「自分の寿命のこと分かった上で、よく仕事出来るもんだぜ。」
 そして彼は、もう片方の手の候で彼女の顔を優しく撫でる。
「こいつは、蕨は俺が守る。」
 そう呟き、目を瞑ると、蕨の身体の周りに淡い黄緑の光のオーラが現れる。
 すると徐々に彼女の顔色が良くなる。
 彼が目を開けると、その光は消えた。
「亡霊みたいな存在のあいつには渡さねぇ。」
 そう言って、観月は蕨の頭を優しく撫でて、席を立ち部屋を後にした。

           ◆

 午後十三時頃。
 蕨は目を覚ますと、見覚えのある天井が見える。
 ガバッと勢いよく目を覚まし身体を起こし、部屋を見渡すと自分の自室だ。
 閉めてあるカーテンを開けると、朝の風景ではない。じりじりと蒸し暑い日差しが射す
 昼の風景だ。
「ウソ⁉ もう昼過ぎ⁉ 」
 蕨は、慌てふためきながら身支度をする。
 しかし、どうやって部屋に戻って来たのか、記憶がない。
「確か昨日は……。」
 着替え終わり、いつもの着物姿に着替え部屋を出る。
 すると、玄関先に一の姿を目撃する。
「あ、やっと起きたか。おはよう……って言っても、もう昼過ぎだけど。」
 一はリュックだけ背中に背負い、床に座り靴を履きながら起きて来た詩暮に振り向いた。
「一……くん。」
 そうだ。自分は今、詩暮なんだ。と彼女は我に返る。本当は蕨だが。ややこしい設定にしてしまったものだ。と深い溜息を吐く。
「あれ? 確か朝早く出て東京に向う予定だったはずだったよね。」
「あんたが、夜中体調崩したから、心配で。向かう時間変更したんだ。」
 夜中という言葉を聞いて詩暮は、思い出す。
 そうだ。自分は一の頭の中の情報を読み取ろうとし、彼の部屋に勝手に忍び込み、寝ている間に夢の中へ侵入し、必要ない情報に触れてしまい、力を使いすぎた挙句に混乱からのストレスが負担になり過呼吸が起きて体調を崩したことに気が付いた。
「体調、落ち着いた? 頭痛とか平気か? 」
「うん。平気。心配かけてごめんなさい。ありがとう。」
「……。」
 一は詩暮に笑顔で礼を言われるが、何故か嬉しいと感じなかった。
 脳裏に過るのは、昨日の夜中、詩暮は何故自分の部屋に居たのだろう。
 自分は確か一人で部屋に居て、色々仕事をしていたし、医療仲間の同期と連絡したりして、疲れたから、その後寝ていたはず。でも目が覚めたら詩暮が傍で眠っていた。
 疑問の数々に一は不審に思い彼女に「昨日はどうして自分の部屋に? 」と尋ねようか迷っていた。
「ん?」
「いや、別に。」
 しかし、彼女は病み上がりのようなものだし、また具合が悪くなったら大変だ。しばらく安静に過ごさせてあげるのが妥当だろう。帰って来たら尋ねればいい話だ。
 一はそう思い立ち上がって「行って来ます。」と言い、家を出る。
 すると「一くん、あのね!」と詩暮に呼び止められる。
「この前は、その……ごめんなさい。人探しの件のこと。心にもないこと呟いたから。」
 一は振り返り、昨日の朝の朝食での出来事かと思い出す。
「ああ、あれか。別に気にしてねぇよ。」
 詩暮は胸に手を当てながら安堵する。
「良かった。何か一くん、変わってるね。この前、人探しのことであんなに怒っていたのに随分とあっさり平然と何事もなかったみたいな態度をとっているから拍子抜けっていうか……なんというか。」
「まあ、仮にその人を見つけたところですぐに終わり、解決とはいかないだろうしな。」
 一は、他所を向いて独り言のように呟いた。
「え?」
「それに東京の病院に居る患者さん診なくちゃいけないし、それに一つのことばかりに構ってられないんだよ。」
 そんなそっけない会話でさえも詩暮は真剣に耳を傾けていた。
「改めて考えると、大変だよね。医師の仕事。海外へ行ったりすることもあるんでしょ? 」
 詩暮は心配そうに一に言葉を掛ける。
「まあ、そんなこともあるけど……。なんだよ? 急に態度改まって。」
「私はただ、人として心配しているの!」
 変な人だ。冷たいことも言うし、かと言えば優しい言葉も言う。しかし何故か嫌な人という印象はない。
「私の知り合いの人も海外に行ったりして人の命救って来ていた人だったから、一くんのように、色々掛け持ちのようなことをしながら医療仕事するのって本当に大変だと思う。」
 詩暮は誰かに思いを耽り切なそうな顔をして話す。
 彼女は我に返ると、首を左右に振り明るい雰囲気になり、暗くしんみりした顔を祓う。
「だから、睡眠もだけど朝昼晩ちゃんと、ご飯も食べて体調崩さず、無理せず仕事頑張って、帰って来てね。」
「ありがとう。」
 一は明るく温かい言葉、優しい笑顔に心が嬉しくなった気がした。
 すると、東京に戻る前に遠野家の皆に伝えるのを忘れていたことを思い出した。
「あ、詩暮さん。ちっこいの……妹の蕨ちゃんに、伝えておいてくれ。お盆前には帰って来れるか分からないけど、俺から渡したい物があるって。」
 大事な伝言中だったが、一の携帯の着信が鳴る。
「渡したい物? 」
 詩暮は、首をかしげながら聞こうとするが、一には時間がなさそうだ。
「あんたには秘密。んじゃ、行って来る。」
 一は、観月のバイクを借りて行くことにした。
 初めてこの遠野を訪れた時は新幹線やバスなど色々利用したが、流石に毎回は無理がある。
 観月に密かに頼み込んで東京に戻る際は、彼のバイクを借りることにしたのだ。
 幸いにも一は車もバイクの運転免許も持っている。しかし愛車はない。バイクは東京だ。
 いつかはタイミング見計らって彼に返さなければと地味地味思い、感謝して乗り、遠野家を出て東京へと向かった。
「行ってらっしゃーい! 」
 一の姿が見えなくなると、詩暮は明るい笑顔が消えて、辛い表情になる。
 玄関の戸を閉めて、すぐに洗面所へ向かい、水の出る蛇口を捻り、両手で水を掬い、顔を洗う。
 目の前にある鏡に映る自分の姿、表情を見て呟いた。
「私……ちゃんと笑えているよね?」
 タオルで顔を拭きながら誰でもなく自分に問いかけた。
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