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プロローグ(幼少時代)
お勉強の日々
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適性の儀から、丁度三年。私は6歳となった。
今日から本格的に神父様の元で魔力と魔法の勉強をする為、かなりワクワクしている。日常で使う文字と魔法文字、計算のやり方を一通り覚えたところで、タイミング的にも丁度良いからとのこと。前の世界に魔法なんてなかったから、弾む心はどうしようもない。
もちろん、あの日知ってしまった将来への過酷さは今でも不安にさせるけど、それはそれとして、今は新しく知ること、学ぶことを楽しもうと決めた。月日が経つことは、やっぱり大事だなぁと思っていると、後ろから馴染みのある声が呼びかけてきた。
「ラナ、いよいよ今日からだね! 楽しみで僕、寝れなかったよ!」
「レオ。ふふ、そうだね! 私もだよ!」
同じ月に生まれた友人であり、密かにライバルとしているレオも楽しみにしていたらしい。茶色がかった瞳をキラキラとさせながら意気込んでいる。
私自身もそうであるから、気持ちはとても分かる。何せ年の暮れに生まれた、あの五人の中で私達だけしか適性はなかった。同年代で習っている子ども達の中では最も遅く学び始めるのだから、やっとお許しを得られた嬉しさは半端なく大きい。
お喋りしながら教会へ向かうと、今まで勉強を教えてくれたシスターさんと、これから教えてくれる神父様が入口に立っていた。
「お二人とも、おはようございます」
「おはようございます、シスターさん、神父様!」
「おはようございます」
「おはようございます。いよいよ今日からですね、頑張ってください」
「はい、ありがとうございます」
「教えてくださり、ありがとうございました」
挨拶をして、シスターさんに深々とお辞儀をすると、隣で私にならってレオもしてきた。神のご加護がありますように。そう呟いたシスターさんは、顔を上げると後ろを向いていた。声がちょっと潤んでたから、もしかしたら泣いてるのかも。
「そろそろ行きましょうか。皆さんが待っていますよ」
「分かりました」
「はい」
動きそうにないシスターさんを置いてけぼりにするのは心がひけるけど、このまま泣き続けることはないだろう。そっとしておくことにした。
さて、肝心の教室はちょっと広めの教室だ。途中だから勉強についていけるか心配だったけど、一緒の部屋で勉強する個別指導のようなやり方らしい。シスターさんと同じ方法でホッとした。私達みたいに途中から入ったり、ある程度出来るようになれば止めたりする子がいるからだろう。
それにしても魔法って、元の世界でいうなら化学や物理を学ぶものだと思ってたのに、全く違う。習わないわけじゃないけど、メインとなるものが体育と保健と医療と数学で、うん、これは時間がかかりそう。
そもそも、ここで学び終えたとしても、まだまだやること学ぶことが私には控えているから、その為の勉強だってしなくちゃいけない。飛び級制度があるここの国の入学試験は、その分とてつもなく難しいと聞くから、かなり努力を必要とするはずだ。裕福でもないから、お金だってそのうち稼いで、少しでも学費の足しにしなくちゃいけない。もしくは、あるのか分からないけど奨学金を狙うとか。
いずれにせよ、今この瞬間学び尽くせば良いわけじゃない。少しずつ、やれるだけのことをやっていかないといけない。
ペンを動かしながら、そう遠くない未来のことを考えた。
今日から本格的に神父様の元で魔力と魔法の勉強をする為、かなりワクワクしている。日常で使う文字と魔法文字、計算のやり方を一通り覚えたところで、タイミング的にも丁度良いからとのこと。前の世界に魔法なんてなかったから、弾む心はどうしようもない。
もちろん、あの日知ってしまった将来への過酷さは今でも不安にさせるけど、それはそれとして、今は新しく知ること、学ぶことを楽しもうと決めた。月日が経つことは、やっぱり大事だなぁと思っていると、後ろから馴染みのある声が呼びかけてきた。
「ラナ、いよいよ今日からだね! 楽しみで僕、寝れなかったよ!」
「レオ。ふふ、そうだね! 私もだよ!」
同じ月に生まれた友人であり、密かにライバルとしているレオも楽しみにしていたらしい。茶色がかった瞳をキラキラとさせながら意気込んでいる。
私自身もそうであるから、気持ちはとても分かる。何せ年の暮れに生まれた、あの五人の中で私達だけしか適性はなかった。同年代で習っている子ども達の中では最も遅く学び始めるのだから、やっとお許しを得られた嬉しさは半端なく大きい。
お喋りしながら教会へ向かうと、今まで勉強を教えてくれたシスターさんと、これから教えてくれる神父様が入口に立っていた。
「お二人とも、おはようございます」
「おはようございます、シスターさん、神父様!」
「おはようございます」
「おはようございます。いよいよ今日からですね、頑張ってください」
「はい、ありがとうございます」
「教えてくださり、ありがとうございました」
挨拶をして、シスターさんに深々とお辞儀をすると、隣で私にならってレオもしてきた。神のご加護がありますように。そう呟いたシスターさんは、顔を上げると後ろを向いていた。声がちょっと潤んでたから、もしかしたら泣いてるのかも。
「そろそろ行きましょうか。皆さんが待っていますよ」
「分かりました」
「はい」
動きそうにないシスターさんを置いてけぼりにするのは心がひけるけど、このまま泣き続けることはないだろう。そっとしておくことにした。
さて、肝心の教室はちょっと広めの教室だ。途中だから勉強についていけるか心配だったけど、一緒の部屋で勉強する個別指導のようなやり方らしい。シスターさんと同じ方法でホッとした。私達みたいに途中から入ったり、ある程度出来るようになれば止めたりする子がいるからだろう。
それにしても魔法って、元の世界でいうなら化学や物理を学ぶものだと思ってたのに、全く違う。習わないわけじゃないけど、メインとなるものが体育と保健と医療と数学で、うん、これは時間がかかりそう。
そもそも、ここで学び終えたとしても、まだまだやること学ぶことが私には控えているから、その為の勉強だってしなくちゃいけない。飛び級制度があるここの国の入学試験は、その分とてつもなく難しいと聞くから、かなり努力を必要とするはずだ。裕福でもないから、お金だってそのうち稼いで、少しでも学費の足しにしなくちゃいけない。もしくは、あるのか分からないけど奨学金を狙うとか。
いずれにせよ、今この瞬間学び尽くせば良いわけじゃない。少しずつ、やれるだけのことをやっていかないといけない。
ペンを動かしながら、そう遠くない未来のことを考えた。
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