女剣士の道は険しい?

星野 夜空

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本編

お説教もらいました

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 意識を取り戻すと、薬品のような匂いと、見覚えのない天井。横を見れば、いくつかベッドがある。
 保健室? 何で私、ここにいるの?
 頭の中がはてなマークでいっぱいになっているところへ、扉の開く音がしてそちらへ目を向けると、白衣を着た女性と、マリ、アランが入ってきた。

「起きたのね。外傷は特になさそうだし、起きればもう大丈夫だと思うけど。気分の悪さはない?」
「は、はい、大丈夫です。あの」

 どうしてここに? そう聞こうとしたらマリからタックル気味な抱きつきを食らった。短距離に自信があると聞いていたけど、その速さと的確な鳩尾ヒットにぐえっと女らしくない声が出てきてしまった。
 その本人はというと、涙を流しそうなほど瞳に水分を含んで睨みつけてきて、何というか、可愛いからこそ、迫力があるような?
 戸惑ってアランを見ると、あちらも複雑そうな顔でいる。だから何で?

「ラナ! 貴方、人に無茶をするなと言いながら自分が無理をするなんてどういうことですか!」
「マリの言う通りだ。実力確認の模擬戦で、それ以上のことをするなんて無茶以外なんでもないよ」

 保健室では静かにしましょうという思わず言いそうになる。無茶をしたつもりはないんだけど、はたから見ればそうなのかもしれない。
 心配、かけちゃったな。

「ごめんなさい。私もまさか倒れるなんて思わなくて。補助魔法を練って使うことが始めてで、加減が分からなかったの」
「補助の魔力練りは、身体を大幅に強化出来る分、後の負担も大きいのよ。日頃鍛錬してる攻撃系統で良かったわね。そうでなかったらその肌が傷だらけになっているところだったわ」

 女性──おそらくここの先生から受ける注意と説明にますます罪悪感が生まれる。初めての試みは自主練でやらず、自分より腕のある者、ようするに介護可能な人が側にいる時行うこと、とお教えを受けていたから、その感覚で行ったことが周りに心配をかけてしまった。
 特にチームの二人は気が気じゃなかっただろう。アランからもマリからも、もし倒れるとしたらマリだと話していたから、予想外の出来事に面食らったどころか、不安にさせてしまったかもしれない。

「本当にごめん。次からは気をつけるから」

 再度謝ると、二人はようやくホッとした雰囲気を出してきた。
 それにしても、時間はそれほど経ってないように見えるけど、あれからどれくらい経ったんだろう。

「ラナ、食欲はありますか? 後半戦も終わったからこちらへきました、良かったらお昼をご一緒しませんか?」

 多分こっちが本題なのだろう、少しキラキラした目で見てきた。というかもうそんなに経っていたの。軽く二時間は寝ていた計算になるんだけど。何かショック。
 今日の授業は模擬戦だけだから、後半戦見たかった。

「運動した後だから、むしろお腹ぺこぺこ。食堂ってここから遠い?」
「そんな離れてもいなさそうだったよ。お昼を食べながらさっきの反省会をしようか」
「それは良いですね、そうしましょう」

 先生にお礼を言って部屋を出る。ご飯、何があるかな?
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