女剣士の道は険しい?

星野 夜空

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本編

やっちゃいましたが後悔はないです

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 場の空気を壊した自覚を持つ頃にようやく頭が冷えた。アランがマリの様子がおかしいことを理由に客間へ連れてきてくれて良かった。あのままいたら何やらかしたか分からないから。
 それでもやっちゃったなー、と思う。だけど後悔は正直ない。身分がない、問題を起こすような人間と付き合っていると知られたらアランは困ってしまうだろうけど、その時はその時だ。私から二人の距離を遠ざけたら良いだけのことだし。
 それよりも、マリへ謝らないと。両親をよく思っていないとはいえ、悪口を言われていい気分にはならないだろうから。

「マリ、ごめんね。つい口出ししちゃって」
「いえ、それは良いんです。ラナが言うことも一理あるので……」

 ただ、と憂いを帯びた声は続きを紡ぐ。

「私はまだ、それでも信じているのです。私のことを愛している、その事が嘘だと思えないのもありますが……何よりも、あの二人が私の事を愛して可能性があることを、信じたくないのです」

 簡単に同意しては駄目だけど、それが子というものであるならば。つくづくあの二人がマリへした仕打ちに怒りが湧いてくる。
 事の顛末は聞くにしても、やっぱり私もあの場に残れば……でもマリを一人にはできないし……ジレンマ。

「ラナ、貴方は何故、先ほどあんなに怒っていたのですか?」
「え? そりゃ、友人のことを蔑ろにされてたら誰だって怒るよ?」
「そうだと分かっております。ですが、その、怒りというよりあれは……」

 言葉の続きをどう伝えようか悩む素振りを見せ、いざ口を開いたと思ったら、ノック音がしてまた閉じてしまった。どこかホッとしてるように見えるのは気のせいかな?
 許可を出すと、中へ来たのはある意味予想通り、部下らしい人──よくよく見るとヤコさんだった──を連れて入るアランだった。

「マリ、ラナ。気分は落ち着いた?」
「うん、まあ。ごめんね、折角のパーティなのに」
「申し訳ありません、アラン。家の事情をこの様な場へ持ち出してしまって」
「良いさ。僕自身、こんな大規模なものになると思ってなかったからね。親の見栄ってやつなんだ」

 だから気にしなくて良いと肩を竦めるけど、横を見れば顔を曇らせるマリがいる。平民の私には分からないけど、大変なことになっちゃったんじゃないの?
 もう少し貴族の暮らしってやつを知りたい。故郷にいる間たまに聞いてたけど、もっとしっかり聞くべきだったかな……。
 そんな心境など分からないだろうアランは、おまけに私達を口実にして、主役だというのに抜け出してきたとのたまった。

「それで、あの後のことを二人に話そうと思ったんだ。人伝よりも僕から聞きたいだろうし、その方が詳しく話せるからね」

 ニヤリ、と笑う様子に思わず苦笑する。こういう堅苦しい出来事、苦手そうだもんね。ま、私も知りたかったし、願ってもないことだからダシに使われてもいっか。
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