女剣士の道は険しい?

星野 夜空

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本編

話はくるりと

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 流石に祭真っ盛りの中で話す内容でないと思い、人気の少ない寮地区へ足を運んだ。皆王学祭を楽しんでるんだろう、まるで誰もいなくなったかのように静まり返っている。
 はあ。私も楽しみたかった……。気づいてしまったから無視するなんて出来ないけども……。

「それで、さ。そのアクセサリーなんだけど……」

 どう話せば良いか分かりかねて口ごもる。簡単に話すとも思えないしさ。
 こういうのは頭のいい人がやるべきなんだよ。私考えるの苦手なのに。具体的にいうなら今ここにいないチームメイトとか。
 まあやるしかないと思い直して、改めてリンに顔を向ける。穏やかな表情は変わらずにいて、後ろめたいことなんてないかのようだ。

「うん。剣舞祭の物に似てるんだっけ? そういうこともあるんだね」
「ん。まあ、意外だよね。伝統技術製品を一部とはいえ、完全再現してるんだから。模倣品でも作った人の技術、凄いよ」
「そうね。でも、どうしてこんな人気のないところに?」
「……え、えーと……」

 まさか怪しいからとりあえずここに来てみたなんて言えない。壊されたことを知ってる人なんてあの場にした数人の学生と先生しか知らないし、壊れた物が魔法で直るなんて前例がないことをしでかしたから、この事は他言無用とされたし。
 あーどうやって切り出したら良いかわっかんないよ。頭沸きそう。こういうの本当苦手。

「……ラナさんって、自分の運命を呪ったことないの?」
「え?」

 思わず漏れたと言わんばかりに呟かれた言葉。本人も無意識に言ったらしく、手を口に当てていた。
 この場合の運命って、剣舞祭に関わること、で、良いんだよね?
 必死にどういう意味か考えていると、出た言葉はしょうがないとばかりにため息をつきながら、口に添わせていた手を下ろすリンの姿が見えた。

「ラナさんは、攻撃魔法が使えるでしょ? この国どころか世界中でもそれは珍しいって知ってた?」
「……国で初めて出てきた、っていうのは流石に知ってるけど」
「ええ、普通はそうよね。私達ですら噂でしか聞かない女剣士がこの国に誕生するなんて思わないもの」

 私達、ってことはリンは貴族、なのかな。真偽はどうあれ伝統技術製品ってかなり高価だし、仮にあれが模造品でも一般の人が買える額じゃないからその可能性は高いかも。

「ねえ、少しだけ昔話に付き合ってくれる?」

 そうしたら貴方の疑問にも答えられると思うわ。
 悠然と微笑むその姿を見て、私は頷く他なかった。
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