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甘い砂糖菓子だと誰かが言っていた

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フワフワと心地良い感覚に目が覚めた。

「・・・あったかい?」

眠気眼でもぞもぞと出ようとしたら大きな腕に引き寄せられ、ぽふんと厚い胸板に抱き寄せられた。

「うわっ!?・・・クラウス?」

「んぅ・・・ナンシー、すき・・・」

どうやら私はクラウスと一緒の布団で寝ていたらしい・・・。まだ寝ているのかクラウスの寝言が聞こえて照れてしまう。ボンッと一気に顔が赤くなり、ついさっきの情事を鮮明に思い出してしてしまった。うぅ・・・どうしよう顔だけじゃなくて体まで熱くなってきた。

「・・・それにクラウスに抱き枕にされて動けない。うわー、恥ずかしい恥ずかしいっ!あんなエッチなことしちゃったなんてクラウスの顔がちゃんと見れないよぅ!」

私は、クラウスを起こさないように心の中でバタバタと暴れた。

「・・・あふっ、ナンシー?」

心の中で暴れていたつもりだったけど口に出して喋っていたから起こしてしまった。

モゾっと体勢を変え、私とクラウスの間に隙間が空き冷気が入ってきた。

「うわっ!寒いから離れないでよ!」

私は寒くなりクラウスにペトっとくっつき暖をとった。

「あぁ、ごめんごめん。もっとくっついて良いよ・・・おいで?」

さっきよりも抱きつきやすくなり、私はもぞもぞクラウスに抱きついた。

「・・・あったかい。クラウスって体温高いよね?熊さんだからあったかいのかな?」

熊さんぽいのは耳と尻尾くらいで、後は体格が大きいくらいだけど気持ち体温が高い気がする。

「・・・熊だからかな?ナンシーがあったかいなら良かった。逆に暑いとか言われて離れられたら淋しいからな」

「今は寒いからくっつくけど、暑い季節になったら言うかもしれない・・・私、暑がりなの」

私がそう言うとぎゅっと抱きしめる力が強くなった。

「うぐっ、クラウス苦しいよ?力弱めて・・・」

「・・・暑くても俺にくっついてくれるか?」

「え?」

クラウスがボソリと呟いた。もぞりと顔を動かし、クラウスを見ると熊耳がへにょんと垂れていた。

か、可愛い!もしかして私が暑がりだからくっついてくれなくなると思って淋しいのかな?

「・・・ナンシー、どうなんだ?」

「あはは、安心してよ。暑くてもクラウスにくっつくよ?」

「良かった・・・」

安心したのか優しく抱きしめてくれた。

「ねぇクラウス?そろそろ起きようよ。私、お腹空いちゃったからさ」

私がそう言うとタイミングよくお腹からグーっと鳴った。

「・・・むぅ、恥ずかしい。クラウス聞こえちゃった?」

「い、いや聞こえてない!大丈夫だ」

確実に聞こえていた話し方だった。不意に視界に入った熊耳がピクピクしているのに気づいた。

あ、この耳分かりやすい!尻尾もフリフリする・・・いや、熊の尻尾は短いから分からないか。

「よし、朝ごはんを作りに行くか。ナンシーは昨日いっぱい無理させちゃったからベッドで待ってて?」

「昨日?・・・あぅ!?っ痛、うん待ってる。下腹部がなんだか鈍く痛いみたい・・・」

私も一緒に行こうと、少し体を起こそうとしたら下腹部がズクンと鈍く痛かった。

「ほら、無理しないで?温かいスープとか作ってくるから少し待ってて・・・チュッ」

クラウスが私のおでこに軽くキスをして台所に向かって行った。

「・・・なんだか新婚さんみたい?ふふ、そういえば村の誰かが言ってたな・・・新婚生活は砂糖菓子みたいに甘いって、本当に甘そうだなぁ」

私は布団に潜り直し、クラウスが呼びにくるまで二度寝をすることにした。
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