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episode:4
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「花梨ちゃん!隠れて!!」
「?」
周囲は放課後のガヤガヤとした雰囲気に包まれていた。
そんな中、学校帰りのショッピングを楽しもうとしていた伊織の表情は
スナイパーの様な顔をしていた。
「いきなり木に隠れて・・どうしたの?早く行こうよ!」
「花梨ちゃん・・あれ!!」
指をさした先には、夢統にいつもついているヤスの姿であった。
「あの人って・・。」
「誰に用事だろ、あんな目立つ正門で人を待ってるなんて・・。」
「もしかして・・伊織を待っていたりして~!」
「・・まさか~。」
「「・・・。」」
二人は顔を見合わせてため息をつく。
「王子ならあり得るね。いや、むしろ絶対伊織に用事だと思う。」
「私も嫌な予感がする・・。」
自分が一緒に帰れないからって・・まさかね・・
しばらく考えた伊織は思いついたように正門とは反対へ向かった。
「伊織?」
「裏口から帰ろう!!」
「いいの?そんなことしたら王子だって怒るんじゃ」
「いいの!!私はどうしても今日出かけたいの!!」
幼馴染にここまでするほうが悪い!!と伊織は口を尖がらせる。
(王子の気持ちって本当に報われない・・。)
ドンマイっと花梨は心で思いつつ、仕方がなく伊織の後を追った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ヤス、伊織とは会えたか?」
『若、かれこれ1時間になりますが来ませんね。』
「は?!教室を出るタイミングは同じくらいだったぞ?」
『もしかしたら、やられたかもしれませんね。』
あいつ・・
真っすぐ家に帰らずなにをするつもりだ・・
魔王こと甲賀夢統の表情はまさに魔王のような表情で固まったのであった。
「ヤス、お前は伊織の行きそうなところをあたってくれ。」
『わかりました。』
「俺は、親父との食事をさっさと終わらせてそっちに向かう。」
『では、のちほど。』
“ピッ”
夢統の口から長いため息が出る。
「伊織の奴・・見つけたら・・お仕置きだ。」
夢統は険しい表情で立派なお店へと消えていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「みて~~!!これ可愛い!!」
「そのワンピース伊織に似合いそう!」
一方なにも知らない女子高校生2人は放課後ショッピングを満喫していた。
普段は立ち寄れない、カフェやお店に目を輝かせる伊織は夢統の事など頭になかった。
「これ買っちゃおうかな~!!」
「伊織ってあんまりワンピースとか持ってないもんね!」
その理由は簡単であった。
「ゆーくんが・・ダメって言うの。」
「えっ?!そんなことも?!」
昔1度だけ着たスカートを夢統はこれでもか!と思うほど怒ったのであった。
「だから・・今日は買う!!」
伊織は選んだワンピースを嬉しそうにレジに持っていく。
「また怒られるよ~?」
「いいの!いつまでも気にしていたら、オシャレなんて一生できないもん!」
「うん~。まぁそうだけどさ・・。」
この服を着てゆーくんに会わなければいいだけの話!
こっそり着れば大丈夫!
「これ買ったら次は~どこ行こう!!」
「外が暗くなってきたし・・。さすがに帰ったほうがいいんじゃない?」
「えええ~せっかくの自由なのに~~。」
建物の中にいたため気付かなかったが、日は沈み周囲は会社帰りのサラリーマン達も増えていた。
「また行けるって!私からも王子に頼んであげるからさ!」
「花梨ちゃんがそういうなら・・。」
仕方がなく、花梨を駅まで送り二人はそれぞれの家路につくのであった。
せっかく1人でブラブラできるし~
帰りにもう少しだけどっか寄ろうかな~!!
家に帰る途中のゲームセンター前で伊織の足は止まる。
目にとまったのはクレーンゲームのクマのぬいぐるみであった。
「あのクマ・・目つきが悪くてゆーくんに似てる。」
今日のことも絶対に怒られるだろうし・・。
「よしっ!」
そういうと伊織はゲームセンターの中へと入っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“ドサッ”
いくらの100円玉を使っただろうか。
かれこれ1時間くらい粘ってやっとゲットすることができたクマのぬいぐるみ。
「初めてやったけど・・難しすぎる~!!」
ゲットしたぬいぐるみを抱きかかえて、いそいで時間を確認する。
「うわっ・・。」
時間を確認するために開いたスマホには恐ろしい数の着信履歴が表示されていた。
伊織は夢統の電話を避けるため、スマホの電源を切っていた。
着信・・59件・・。
さすがにスマホの画面を疑うレベルであった。
「帰りたくない・・。」
ボソッとつぶやいた伊織の言葉に前からやってきた男たちがいきなり反応する。
「おおお~こんなところに可愛い女子高校生が~!!」
「俺たちと楽しいことしない?」
伊織はいきなり肩をつかまれて動揺する。
「だれですか?!離してください!」
「君も帰りたくないんだろ~?俺たちとこの後でかけようよ~!!」
男たちは無理やり伊織の腕をつかんでを出口へと引っ張る。
(男の力って強い!振りほどけない!!)
顔が真っ青になる伊織の目にはすでに涙がたまっていた。
「ゆーくん・・」
「?なんか言ったか?」
「ゆーくん!助けて!!」
我慢していた涙はこぼれ落ちた。
「ゆーくん?誰だそれ~!!」
男たちは馬鹿にしたように笑った。
「それは俺の事だな。」
「?!」
男たちは急に手をつかまれて驚く。
「お前!誰だ!手はなせ!!」
握力100キロを超える夢統の手は更に力を強めた。
「そいつは俺のだ。お前らがその手を離せ。」
「チッ」
男たちが伊織の手を離したことを確認して夢統も手の力を緩める。
「覚えてろよ!」
そう言い残し男たちはさっさと走り去ってしまった。
腕を開放された伊織は恐怖から解放されて、さらに涙が止まらなくなった。
(怖かった・・。)
伊織は数分泣きじゃくった後、気持ちが落ち着いたのか涙は自然と止まった。
そして更なる恐怖を感じるのであった。
(ゆーくん・・絶対怒ってる・・。)
恐怖のあまり伊織は夢統の表情を見れないでいた。
「ゆーくん・・えっと・・。」
「はぁ・・。」
重いため息を聞き、伊織は覚悟を決める。
(怒鳴られる!すごい怒鳴られる!!)
目をギュっとつぶった伊織に夢統は優しく抱き着く。
「えっ?!」
いきなりの行動に伊織は混乱する。
「あんまり俺の寿命を縮めんな・・。」
「ごめん・・私・・迷惑かけて・・。」
「迷惑じゃない。」
「ゆーくん、ごめん・・。」
「謝ってほしくない。」
「・・助けてくれて、ありがとう。」
「それでいい。」
伊織の頬にはまた涙がこぼれた。
「俺もいつまで伊織を守れるか・・分からないしな・・。」
夢統は伊織の耳もとでつぶやいた。
「今なんて?」
「伊織、ヤスを近くに呼んでいる。今日は帰ろう。」
夢統の言葉の意味を今の伊織は知る由もなかった。
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「花梨ちゃん!隠れて!!」
「?」
周囲は放課後のガヤガヤとした雰囲気に包まれていた。
そんな中、学校帰りのショッピングを楽しもうとしていた伊織の表情は
スナイパーの様な顔をしていた。
「いきなり木に隠れて・・どうしたの?早く行こうよ!」
「花梨ちゃん・・あれ!!」
指をさした先には、夢統にいつもついているヤスの姿であった。
「あの人って・・。」
「誰に用事だろ、あんな目立つ正門で人を待ってるなんて・・。」
「もしかして・・伊織を待っていたりして~!」
「・・まさか~。」
「「・・・。」」
二人は顔を見合わせてため息をつく。
「王子ならあり得るね。いや、むしろ絶対伊織に用事だと思う。」
「私も嫌な予感がする・・。」
自分が一緒に帰れないからって・・まさかね・・
しばらく考えた伊織は思いついたように正門とは反対へ向かった。
「伊織?」
「裏口から帰ろう!!」
「いいの?そんなことしたら王子だって怒るんじゃ」
「いいの!!私はどうしても今日出かけたいの!!」
幼馴染にここまでするほうが悪い!!と伊織は口を尖がらせる。
(王子の気持ちって本当に報われない・・。)
ドンマイっと花梨は心で思いつつ、仕方がなく伊織の後を追った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ヤス、伊織とは会えたか?」
『若、かれこれ1時間になりますが来ませんね。』
「は?!教室を出るタイミングは同じくらいだったぞ?」
『もしかしたら、やられたかもしれませんね。』
あいつ・・
真っすぐ家に帰らずなにをするつもりだ・・
魔王こと甲賀夢統の表情はまさに魔王のような表情で固まったのであった。
「ヤス、お前は伊織の行きそうなところをあたってくれ。」
『わかりました。』
「俺は、親父との食事をさっさと終わらせてそっちに向かう。」
『では、のちほど。』
“ピッ”
夢統の口から長いため息が出る。
「伊織の奴・・見つけたら・・お仕置きだ。」
夢統は険しい表情で立派なお店へと消えていった。
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「みて~~!!これ可愛い!!」
「そのワンピース伊織に似合いそう!」
一方なにも知らない女子高校生2人は放課後ショッピングを満喫していた。
普段は立ち寄れない、カフェやお店に目を輝かせる伊織は夢統の事など頭になかった。
「これ買っちゃおうかな~!!」
「伊織ってあんまりワンピースとか持ってないもんね!」
その理由は簡単であった。
「ゆーくんが・・ダメって言うの。」
「えっ?!そんなことも?!」
昔1度だけ着たスカートを夢統はこれでもか!と思うほど怒ったのであった。
「だから・・今日は買う!!」
伊織は選んだワンピースを嬉しそうにレジに持っていく。
「また怒られるよ~?」
「いいの!いつまでも気にしていたら、オシャレなんて一生できないもん!」
「うん~。まぁそうだけどさ・・。」
この服を着てゆーくんに会わなければいいだけの話!
こっそり着れば大丈夫!
「これ買ったら次は~どこ行こう!!」
「外が暗くなってきたし・・。さすがに帰ったほうがいいんじゃない?」
「えええ~せっかくの自由なのに~~。」
建物の中にいたため気付かなかったが、日は沈み周囲は会社帰りのサラリーマン達も増えていた。
「また行けるって!私からも王子に頼んであげるからさ!」
「花梨ちゃんがそういうなら・・。」
仕方がなく、花梨を駅まで送り二人はそれぞれの家路につくのであった。
せっかく1人でブラブラできるし~
帰りにもう少しだけどっか寄ろうかな~!!
家に帰る途中のゲームセンター前で伊織の足は止まる。
目にとまったのはクレーンゲームのクマのぬいぐるみであった。
「あのクマ・・目つきが悪くてゆーくんに似てる。」
今日のことも絶対に怒られるだろうし・・。
「よしっ!」
そういうと伊織はゲームセンターの中へと入っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“ドサッ”
いくらの100円玉を使っただろうか。
かれこれ1時間くらい粘ってやっとゲットすることができたクマのぬいぐるみ。
「初めてやったけど・・難しすぎる~!!」
ゲットしたぬいぐるみを抱きかかえて、いそいで時間を確認する。
「うわっ・・。」
時間を確認するために開いたスマホには恐ろしい数の着信履歴が表示されていた。
伊織は夢統の電話を避けるため、スマホの電源を切っていた。
着信・・59件・・。
さすがにスマホの画面を疑うレベルであった。
「帰りたくない・・。」
ボソッとつぶやいた伊織の言葉に前からやってきた男たちがいきなり反応する。
「おおお~こんなところに可愛い女子高校生が~!!」
「俺たちと楽しいことしない?」
伊織はいきなり肩をつかまれて動揺する。
「だれですか?!離してください!」
「君も帰りたくないんだろ~?俺たちとこの後でかけようよ~!!」
男たちは無理やり伊織の腕をつかんでを出口へと引っ張る。
(男の力って強い!振りほどけない!!)
顔が真っ青になる伊織の目にはすでに涙がたまっていた。
「ゆーくん・・」
「?なんか言ったか?」
「ゆーくん!助けて!!」
我慢していた涙はこぼれ落ちた。
「ゆーくん?誰だそれ~!!」
男たちは馬鹿にしたように笑った。
「それは俺の事だな。」
「?!」
男たちは急に手をつかまれて驚く。
「お前!誰だ!手はなせ!!」
握力100キロを超える夢統の手は更に力を強めた。
「そいつは俺のだ。お前らがその手を離せ。」
「チッ」
男たちが伊織の手を離したことを確認して夢統も手の力を緩める。
「覚えてろよ!」
そう言い残し男たちはさっさと走り去ってしまった。
腕を開放された伊織は恐怖から解放されて、さらに涙が止まらなくなった。
(怖かった・・。)
伊織は数分泣きじゃくった後、気持ちが落ち着いたのか涙は自然と止まった。
そして更なる恐怖を感じるのであった。
(ゆーくん・・絶対怒ってる・・。)
恐怖のあまり伊織は夢統の表情を見れないでいた。
「ゆーくん・・えっと・・。」
「はぁ・・。」
重いため息を聞き、伊織は覚悟を決める。
(怒鳴られる!すごい怒鳴られる!!)
目をギュっとつぶった伊織に夢統は優しく抱き着く。
「えっ?!」
いきなりの行動に伊織は混乱する。
「あんまり俺の寿命を縮めんな・・。」
「ごめん・・私・・迷惑かけて・・。」
「迷惑じゃない。」
「ゆーくん、ごめん・・。」
「謝ってほしくない。」
「・・助けてくれて、ありがとう。」
「それでいい。」
伊織の頬にはまた涙がこぼれた。
「俺もいつまで伊織を守れるか・・分からないしな・・。」
夢統は伊織の耳もとでつぶやいた。
「今なんて?」
「伊織、ヤスを近くに呼んでいる。今日は帰ろう。」
夢統の言葉の意味を今の伊織は知る由もなかった。
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