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第10話 有給休暇
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腰を下ろし会話を楽しむアナスタシアとリントブルム。
「私はここにきて多くの事を学んだよ。もちろん魔法もそうだが、こんなふうに自分の好きな事を純粋に打ち込むことがこうも楽しい事だとは思わなかった。」
天井を見つめるように上を見上げ語り始めるアナスタシア。
「そうなの? 今まで楽しくない事ばっかりやってたの?」
「いや、そういうわけでもないのだが......そうだな。君の言う通り楽しんでやっていたかというとウソになってしまうかもな。」
かつては外様貴族として苦しんだ過去を思い出すように寂しい表情を見せるアナスタシア。
「しかしリントブルム。君はえらいのだな。産まれてからずっとここを守ってきたのだろう?働き者だな。」
「守ってるのかな? ここにいるだけだけどね。いつも。」
「それでもえらい。私達の世界ではな。長い間働いてくれた人には休みを拾得できる制度があるんだ。有給休暇というんだがな。」
「有給休暇? 変な名前だね。休みなんて取ってどうするの?」
「ははは、君らしい質問だな。そうだな、人によるがただ体を癒す者もいれば、好きな事に思いっきり打込む者もいる。今の私達みたいにな。後は遠くに出かけたりという者もいるな。」
「アナスタシアは有給休暇はないの?」
「私の仕事は特殊でな。仕事を仕事と思ってはいけないんだ。あまりこういう事は言いたくないんだが一言でいえば誰かの犠牲になる仕事......と言えばいいのかな? ハハハ......笑えるだろ?」
いつもの苦笑いは出ていない。
「君は休みとかはないのか? このエリアを変わってもらったり。」
「うーん。今までそういうのはなかったからね。」
「そうか......。」
しばしの沈黙が流れる。
「なぁリントブルム。」
口を開いたのはアナスタシアだ。
「私は明日ここからさらに下層に行くつもりだ。ここを抜けていこうと思う。」
「うん。」
静かにリントブルムは返事をする。
「だが君はここを守るエリアボスだ。私を通すわけにはいかないだろう。だから.....明日は私と本気で戦ってほしい。お互い本気なら私は明日君に殺されても恨みはないだろう。この願い受け入れてくれないか?」
アナスタシアは赤い瞳をグッとリントブルムに向け、自分の思いのたけを伝えた。
リントブルムは......その言葉に首を傾げ......
「なんで僕がアナスタシアと戦うの? そんなことしなくても下に降りてくれればいいよ。」
あっけらかんと答えたリントブルム。
思った返事と違うかったアナスタシアは動揺し――
「なっ!? き、君はエリアボスだろうに!! 私を通していいはずがないだろ!? 何を言ってるんだ!?」
「アナスタシアこそ何を言ってるの? その奥の階段を使えば下に降りられるはずだよ。」
「いや、そういう事じゃない!! いいのか君はそれで!? 君の使命なんだろ!?」
「使命っていうのがどういうものか知らないけど、そのために大好きなアナスタシアと戦うくらいなら使命なんて僕いらないよ。」
そんなの当たり前だろ。そういわれてる気がした。
アナスタシアは自分をからめとる使命は自分自身で作ったものなのだと理解した。
わかっている。わかっているんだ。
すでにアナスタシアはリントブルムに刃を向けるなどできる気がしない。
「君と別れるのはつらい......。」
ひっそりと涙するアナスタシア。
犠牲になった仲間を思えば、ここに居座るわけにもいかない。
心配そうにリントブルムは駆け寄り――
「大丈夫だよアナスタシア。僕いいことを思いついたんだ。」
涙するアナスタシアは顔を上げようとしない。
「ちょっと待ってて。今魔王様に話してみるから。」
その言葉にバッと顔を上げるアナスタシア。
「魔王? 今魔王と言ったのか!?」
すごい形相ですごむアナスタシア。
鼻水とかがついててちょっと汚いなと思うリントブルム。
「話せるのか? どうやって話せるんだ?」
「ちょっと待って。今呼んでみるから。」
そう言うとリントブルムは周りのマナを強く発光させ震わせ始めた。
――ねぇねぇ魔王様。――
リントブルムは心で話し始める。
もちろんこの声はアナスタシアには届かない。
――あら。久しぶりねリントブルム。楽しそうな声がいつも聞こえてきていたわ。――
クスクスと笑っている声が聞こえる。毎日楽しそうなリントブルムが嬉しいといった声だ。
――うん。最近は毎日がとっても楽しいよ。それでね、お話したいことがあるんだけどいいかな?――
――うふふ、あなたのお話を私が聞かないことがあって? それでどうしたの?――
――今からアナスタシアとそっちに行ってもいいかな? アナスタシアも魔王様に会いたいんだって。――
――そう......やっと会いに来てくれるのね。リントブルム。楽しみにしてるわ。アナスタシアにも伝えておいてね。――
魔王のその言葉で心の声を終えた。
「なんだ!? なんて言っていたんだ!?」
かぶりつくようにリントブルムの答えを待つアナスタシア。
「フンフン。待ってるよって言ってた。楽しみにしてるって。」
「なんだと!! 待ってる!? 楽しみにしてる!? それは挑戦状と受け取っていいのか!?」
「いや、違うと思うよ。魔王様は優しいから。さぁ行こう。魔王様が待ってるよ。」
「ん? は? なんだって? 優しい? というか君も行くのか!? 今から!? いったいどういう事なんだ!?」
「アナスタシアはこのダンジョンの一番下まで行きたいんでしょ。僕はアナスタシアと一緒にいたいんだ。だから一緒に行くんだよ。」
「な、し、しかし......いいのか? 君はエリアボス......その......ここを離れて怒られたりしないのか?」
「今から会いに行くって言ったから大丈夫だよ。ほら、早く準備してアナスタシア。」
「そんなものなのか? 私が考えすぎなのか?」
不安顔のアナスタシア。
だがリントブルムはウキウキ顔で鼻歌を歌っている。
しかしその時アナスタシアは大きな事実に気が付いた。
「いや、リントブルム......君も一緒に行くというが......この先に進むための階段はあそこ一つなのだろう? どう考えても君の体では通り抜けられないと思うのだが......?」
アナスタシアが指さす階段はどう考えても高さが3mに満たなく、横幅も2mほどだろうか。
高さ10mを超える暗黒竜のサイズではどう無理をしても潜れそうにない。
「フンフン。なに言ってるのアナスタシア? この姿で通れるわけないじゃないか?」
リントブルムはアナスタシアの言葉に見向きもせず当たり前の事を答えて見せる。
「あぁ......そうなんだが......別の道はなかったはずだが......ついてくるのだろう?」
「もちろんだよ。僕はアナスタシアと一緒にいたいからね。もう少し待ってよ。すぐに終わるから。」
「すぐに終わる?」
リントブルムの言葉に怪訝な表情を見せるアナスタシアであったが当のリントブルムは気にもせず魔法陣の中心に腰を据えた。
「何が始まるというのだ?」
ゴクリと生唾を呑むアナスタシア。
すぐにリントブルムの周りにあるマナがわずかに震え出した。
徐々に強くなる震え、地面の魔法陣も微かに光り出している。
「これはいったい......。」
何かが起こる。そう感じるのだが何が起こるか見当もつかない。
ひとまず急いで柱の影に隠れるアナスタシア。
高まるマナに徐々に危機感を募らせる。
「まさかリントブルム。君はあの階段ごと吹っ飛ばすというのではないだろうな!?」
返事のないリントブルム。
徐々にリントブルムの体が発光し始め強い光を覆い出す。
「待て! リントブルム! その威力はまずい!! ちょ、ま、ひぃええええぇぇぇぇぇ!!!!」
強烈な閃光が辺りを覆い、あまりのまぶしさにたまらずアナスタシアも目を腕で覆う。
その光はすぐに収束していき、爆発も衝撃波もないまま消えてなくなってしまった。
「うぅ、何だったのだ今のは?」
少しくらんだ目をこすりながら視界を確認していくアナスタシア。
「リントブルム......いったいこれはどういうことだ?」
何が起きているのか理解できないアナスタシア。
かすむ目がやっとはっきり見えだしてきた。
すぐにリントブルムの姿を確認する。だが、さっきまでリントブルムが立っていた場所にあの大きなドラゴンの姿がない。
「な、リントブルム!! いったいこれはどうしたというのだ!?」
慌てて辺りを探すアナスタシア。例のかくれんぼの続きか? そう思いマナを探ってもみるが見当たらない。
「おーい!! リントブルム!! おーーーい!!!!」
何が起こったのか理解できないアナスタシア。
先ほどの強い光は尋常なマナではなかった。
何かが起こったのか? リントブルムは無事なのか?
焦るアナスタシアだったが――
「ちょっと落ち着いてよアナスタシア。僕はここにいるよ。」
なに!? と声のした方を振り返るアナスタシア。
しかしそこは先ほどリントブルムがいた魔法陣の中心。
そしてそこにはあの大きなドラゴンの姿は確認できていなかったはず。
「なんだ、声しか聞こえない? まさかまた私の目におかしな映像を見せているのか?」
「何言ってるの? アナスタシア、ここだよ。下下。」
「下?」
いつも大きなドラゴンを見るために顔を見上げているアナスタシア。
声の通りゆっくりと目線を下に下げていく。そこには――
「な、な、な.......!!!」
魔法陣の中心には黒髪の上下真っ黒な服を着た少年がそこに立っていた。
身長はアナスタシアより少し小さいくらいで美しい整った顔立ちだ。
幼さは感じるものの、秘める何かを感じるのはあのドラゴンと同じ。
その少年は屈託にない笑顔でアナスタシアにこう語り掛けた。
「行こうか、アナスタシア。」
アナスタシアはあんぐりと口を開きながらその少年をマジマジと見つめ、こう一言――
「君は誰だぁーーーーー!!!!!!!」
静かな神殿にアナスタシアの声がこだました。
「私はここにきて多くの事を学んだよ。もちろん魔法もそうだが、こんなふうに自分の好きな事を純粋に打ち込むことがこうも楽しい事だとは思わなかった。」
天井を見つめるように上を見上げ語り始めるアナスタシア。
「そうなの? 今まで楽しくない事ばっかりやってたの?」
「いや、そういうわけでもないのだが......そうだな。君の言う通り楽しんでやっていたかというとウソになってしまうかもな。」
かつては外様貴族として苦しんだ過去を思い出すように寂しい表情を見せるアナスタシア。
「しかしリントブルム。君はえらいのだな。産まれてからずっとここを守ってきたのだろう?働き者だな。」
「守ってるのかな? ここにいるだけだけどね。いつも。」
「それでもえらい。私達の世界ではな。長い間働いてくれた人には休みを拾得できる制度があるんだ。有給休暇というんだがな。」
「有給休暇? 変な名前だね。休みなんて取ってどうするの?」
「ははは、君らしい質問だな。そうだな、人によるがただ体を癒す者もいれば、好きな事に思いっきり打込む者もいる。今の私達みたいにな。後は遠くに出かけたりという者もいるな。」
「アナスタシアは有給休暇はないの?」
「私の仕事は特殊でな。仕事を仕事と思ってはいけないんだ。あまりこういう事は言いたくないんだが一言でいえば誰かの犠牲になる仕事......と言えばいいのかな? ハハハ......笑えるだろ?」
いつもの苦笑いは出ていない。
「君は休みとかはないのか? このエリアを変わってもらったり。」
「うーん。今までそういうのはなかったからね。」
「そうか......。」
しばしの沈黙が流れる。
「なぁリントブルム。」
口を開いたのはアナスタシアだ。
「私は明日ここからさらに下層に行くつもりだ。ここを抜けていこうと思う。」
「うん。」
静かにリントブルムは返事をする。
「だが君はここを守るエリアボスだ。私を通すわけにはいかないだろう。だから.....明日は私と本気で戦ってほしい。お互い本気なら私は明日君に殺されても恨みはないだろう。この願い受け入れてくれないか?」
アナスタシアは赤い瞳をグッとリントブルムに向け、自分の思いのたけを伝えた。
リントブルムは......その言葉に首を傾げ......
「なんで僕がアナスタシアと戦うの? そんなことしなくても下に降りてくれればいいよ。」
あっけらかんと答えたリントブルム。
思った返事と違うかったアナスタシアは動揺し――
「なっ!? き、君はエリアボスだろうに!! 私を通していいはずがないだろ!? 何を言ってるんだ!?」
「アナスタシアこそ何を言ってるの? その奥の階段を使えば下に降りられるはずだよ。」
「いや、そういう事じゃない!! いいのか君はそれで!? 君の使命なんだろ!?」
「使命っていうのがどういうものか知らないけど、そのために大好きなアナスタシアと戦うくらいなら使命なんて僕いらないよ。」
そんなの当たり前だろ。そういわれてる気がした。
アナスタシアは自分をからめとる使命は自分自身で作ったものなのだと理解した。
わかっている。わかっているんだ。
すでにアナスタシアはリントブルムに刃を向けるなどできる気がしない。
「君と別れるのはつらい......。」
ひっそりと涙するアナスタシア。
犠牲になった仲間を思えば、ここに居座るわけにもいかない。
心配そうにリントブルムは駆け寄り――
「大丈夫だよアナスタシア。僕いいことを思いついたんだ。」
涙するアナスタシアは顔を上げようとしない。
「ちょっと待ってて。今魔王様に話してみるから。」
その言葉にバッと顔を上げるアナスタシア。
「魔王? 今魔王と言ったのか!?」
すごい形相ですごむアナスタシア。
鼻水とかがついててちょっと汚いなと思うリントブルム。
「話せるのか? どうやって話せるんだ?」
「ちょっと待って。今呼んでみるから。」
そう言うとリントブルムは周りのマナを強く発光させ震わせ始めた。
――ねぇねぇ魔王様。――
リントブルムは心で話し始める。
もちろんこの声はアナスタシアには届かない。
――あら。久しぶりねリントブルム。楽しそうな声がいつも聞こえてきていたわ。――
クスクスと笑っている声が聞こえる。毎日楽しそうなリントブルムが嬉しいといった声だ。
――うん。最近は毎日がとっても楽しいよ。それでね、お話したいことがあるんだけどいいかな?――
――うふふ、あなたのお話を私が聞かないことがあって? それでどうしたの?――
――今からアナスタシアとそっちに行ってもいいかな? アナスタシアも魔王様に会いたいんだって。――
――そう......やっと会いに来てくれるのね。リントブルム。楽しみにしてるわ。アナスタシアにも伝えておいてね。――
魔王のその言葉で心の声を終えた。
「なんだ!? なんて言っていたんだ!?」
かぶりつくようにリントブルムの答えを待つアナスタシア。
「フンフン。待ってるよって言ってた。楽しみにしてるって。」
「なんだと!! 待ってる!? 楽しみにしてる!? それは挑戦状と受け取っていいのか!?」
「いや、違うと思うよ。魔王様は優しいから。さぁ行こう。魔王様が待ってるよ。」
「ん? は? なんだって? 優しい? というか君も行くのか!? 今から!? いったいどういう事なんだ!?」
「アナスタシアはこのダンジョンの一番下まで行きたいんでしょ。僕はアナスタシアと一緒にいたいんだ。だから一緒に行くんだよ。」
「な、し、しかし......いいのか? 君はエリアボス......その......ここを離れて怒られたりしないのか?」
「今から会いに行くって言ったから大丈夫だよ。ほら、早く準備してアナスタシア。」
「そんなものなのか? 私が考えすぎなのか?」
不安顔のアナスタシア。
だがリントブルムはウキウキ顔で鼻歌を歌っている。
しかしその時アナスタシアは大きな事実に気が付いた。
「いや、リントブルム......君も一緒に行くというが......この先に進むための階段はあそこ一つなのだろう? どう考えても君の体では通り抜けられないと思うのだが......?」
アナスタシアが指さす階段はどう考えても高さが3mに満たなく、横幅も2mほどだろうか。
高さ10mを超える暗黒竜のサイズではどう無理をしても潜れそうにない。
「フンフン。なに言ってるのアナスタシア? この姿で通れるわけないじゃないか?」
リントブルムはアナスタシアの言葉に見向きもせず当たり前の事を答えて見せる。
「あぁ......そうなんだが......別の道はなかったはずだが......ついてくるのだろう?」
「もちろんだよ。僕はアナスタシアと一緒にいたいからね。もう少し待ってよ。すぐに終わるから。」
「すぐに終わる?」
リントブルムの言葉に怪訝な表情を見せるアナスタシアであったが当のリントブルムは気にもせず魔法陣の中心に腰を据えた。
「何が始まるというのだ?」
ゴクリと生唾を呑むアナスタシア。
すぐにリントブルムの周りにあるマナがわずかに震え出した。
徐々に強くなる震え、地面の魔法陣も微かに光り出している。
「これはいったい......。」
何かが起こる。そう感じるのだが何が起こるか見当もつかない。
ひとまず急いで柱の影に隠れるアナスタシア。
高まるマナに徐々に危機感を募らせる。
「まさかリントブルム。君はあの階段ごと吹っ飛ばすというのではないだろうな!?」
返事のないリントブルム。
徐々にリントブルムの体が発光し始め強い光を覆い出す。
「待て! リントブルム! その威力はまずい!! ちょ、ま、ひぃええええぇぇぇぇぇ!!!!」
強烈な閃光が辺りを覆い、あまりのまぶしさにたまらずアナスタシアも目を腕で覆う。
その光はすぐに収束していき、爆発も衝撃波もないまま消えてなくなってしまった。
「うぅ、何だったのだ今のは?」
少しくらんだ目をこすりながら視界を確認していくアナスタシア。
「リントブルム......いったいこれはどういうことだ?」
何が起きているのか理解できないアナスタシア。
かすむ目がやっとはっきり見えだしてきた。
すぐにリントブルムの姿を確認する。だが、さっきまでリントブルムが立っていた場所にあの大きなドラゴンの姿がない。
「な、リントブルム!! いったいこれはどうしたというのだ!?」
慌てて辺りを探すアナスタシア。例のかくれんぼの続きか? そう思いマナを探ってもみるが見当たらない。
「おーい!! リントブルム!! おーーーい!!!!」
何が起こったのか理解できないアナスタシア。
先ほどの強い光は尋常なマナではなかった。
何かが起こったのか? リントブルムは無事なのか?
焦るアナスタシアだったが――
「ちょっと落ち着いてよアナスタシア。僕はここにいるよ。」
なに!? と声のした方を振り返るアナスタシア。
しかしそこは先ほどリントブルムがいた魔法陣の中心。
そしてそこにはあの大きなドラゴンの姿は確認できていなかったはず。
「なんだ、声しか聞こえない? まさかまた私の目におかしな映像を見せているのか?」
「何言ってるの? アナスタシア、ここだよ。下下。」
「下?」
いつも大きなドラゴンを見るために顔を見上げているアナスタシア。
声の通りゆっくりと目線を下に下げていく。そこには――
「な、な、な.......!!!」
魔法陣の中心には黒髪の上下真っ黒な服を着た少年がそこに立っていた。
身長はアナスタシアより少し小さいくらいで美しい整った顔立ちだ。
幼さは感じるものの、秘める何かを感じるのはあのドラゴンと同じ。
その少年は屈託にない笑顔でアナスタシアにこう語り掛けた。
「行こうか、アナスタシア。」
アナスタシアはあんぐりと口を開きながらその少年をマジマジと見つめ、こう一言――
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注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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