Life 〜【作成】スキルでのほほんサバイバル イカダを改造して戦艦にする〜

なか

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第22話 新たな世界

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「いやっほーーーーう!!!!!!!」


調子こいたサメがうざい。
昨夜の激闘から数時間後、俺は再度旅立ちのための準備にいそしみ全くの無睡の状態だった。

先ほどからよく寝たと言わんばかりにバシャバシャ海面を飛び跳ねながら騒ぐサメ吉。
どっから用意したのか先ほどまでサメ吉が付けていたサングラスがプカプカ海面に浮いている。

あれだけジャンプして海面に飛び込んでれば、そら取れるわな。
前はテンガロンハットをかぶって出てきたと思えば同じ事をしてたように思う。


「こいつのおしゃれ感覚が理解できない。」


ともあれこいつが元気というのは俺にとってもいい事なんだからと優しい目で見てあげる。
どうして俺がこうも急いでいるかというと、それはもちろん成瀬を探すためだ。
成瀬がこの世界で生きているというのは俺にとっては希望意外に何もない。

でもこの世界は何も知らない人からしたら地獄でしかないはず。
スキルとかシステムを成瀬が自分一人で理解できるとは思えなかった。

早く見つけてあげないと。
そう思う俺はいかんせん心に火がついてしまい、寝ずに準備を済ませたわけだ。


「さぁ準備も整った。出発しようか。」


サメ吉に声をかける。
すぐに海面から飛び出したサメ吉はイカダの後ろにかぶりつきグイグイとイカダを前進させ始めた。


「とりあえずまっすぐ行こう。頼むよサメ吉。」

「あいあいさー。」


能天気なやり取りだけど命がけの大移動になるかもしれない。
それでも成瀬を迎えに行かなければと俺の気持ちは早る。

待っててくれ。
俺は遥か水平線を眺めながらいつの間にか深い眠りに落ちるのだった。





ーーーーーーーーーーーー





頭がぼんやりする。
私、何してたんだっけ?

気づくと一人、イカダの上で海を漂流している。
海に会えた気がする。
学校でもずっと会えなかったのに。

名前呼んでくれた気がする。
いつ以来だろう。名前呼んでもらったの。

頭がボヤッとしている。
体もだるい。
起き上がれないくらいだるい。

しばらく横になったまま海を眺めてた。
次第に頭がはっきりしてきて私はあることを思い出した。


「海!!」


飛び起きたはいいものの頭に激痛が走り、うずくまってまた動けなくなってしまう。
頭痛がひどい。でも思い出してきた。

私、海に会ったんだ。でも急に後ろから襲われてそのまま意識が遠くなった。
多分薬品か何かを嗅がされたんだろうと思う。
それなら今の体のだるさも説明がつく。

今は周りに誰もいない。
海も......

考えると涙が出てきた。


「うぅ......訳わかんないよ。どこなのここ。誰か助けて......海......助けて......。」


どのくらいクヨクヨしていただろうか。
涙が止まった時には頭が冴えて元に戻ってきていた。

確かに海は近くにいた。
ここで泣いてても始まらない。

私は海に会いに行かなくちゃ。

この世界は何かのゲームの世界みたいになってる。
まずはこのシステムを理解しなくちゃいけない。

必ず会いに行くね海。
今度こそ海を助けられるようになって。






ーーーーーーーーー






うっすらと意識が戻ってくる。
俺寝てたのか?

どのくらい寝てたんだ?
そろそろ起きないと。

ゆっくり目を開け、体を重そうに起こす。
まず目の前の景色に驚いた。


「なんだこれ?」


辺りは夜になっていた。
さすがに徹夜明けで昼間はがっつり眠ってしまったようだ。
昼夜逆転生活。早く治さないと。

ってそんな事どうでもいい。
今目の前の景色。これどうなってんだ?

確かに夜なはず、だが海が光っている。
エメラルドグリーンっていうのかな? そういう光を放っていて何か幻想的な光景になっていた。
光には強い所弱い所があり、まるで海の中にオーロラがあるようなそんな景色だ。


「起きたかいダンナ。結構泳いだぜ俺っち。さすがに疲れたけどな。」


サメ吉の体も光り輝いている。
プランクトンか何かなのか?


「お前、なんかまぶしくなったな。」


嫌味交じりでそう伝えると、


「ダンナにもやっとわかったかい? 俺っちそういう星の元に生まれてんだ......。」


うるせぇから無視しよう。


「サメ吉。ここは何なんだ? 海が光ってるぞ。」

「そこは俺っちに聞かれてもわかんねぇよ。ただここは昔からそうなんだ。」

「へぇ~。まぁここならなんか新しい素材も手に入るかもな。一回この辺で休憩しようか。」

「おっ! ありがてぇ。もう尾ひれが痛くてしょうがなかったんだ。」


そう言うとサメ吉はイカダを離し、ザブンと海の底へ潜っていってしまった。


「おい。ってもういない。せっかちな奴だな。」


まぁあいつがいないとうるさくなくていいか。


「さてと......。」


新しい場所、また一から調べ直さないとな。
なんか新しい場所ってワクワクするな。

俺は煮沸機からコップを手に取り水を飲み欲し、魚を焼いて腹ごしらえした。

海は光っているがそのせいで視界は悪く、海面からでは中の様子がいまいちわからない。
まずは海に入って敵が出てくるかどうか調べないと。

サメなら何とでもなりそうだがそれ以外の生き物だと気を付けないと、という所だ。
水しか出ないシャワーで体を洗い気を引き締めた。


「今から海に入るんだからシャワーは余計だったかな。」


まぁ気持ちの問題だな。さっぱりした気持ちで新しい土地を散策したいっていうさ。
俺は【魚人】のスキルのおかげで泳ぎはかなり早くなった。
相当な不意を突かれない限り一方的にやられることはないだろう。

そう考え俺は静かに輝く海へ静かに飛び込んだ。
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