ダンジョンはモンスターでいっぱい!! ~スライムと成り上がる最弱冒険者の物語〜

なか

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50階層へ

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「というわけで現在に至るということだ。」

 クラウスに今までの経緯を話すアレン。
 ひとしきり聞いたクラウスは何度も驚愕の表情を見せ難しく考え込んだ表情も見せる。

「言ったそばからなんだけどこの事は他言無用でお願いしたいの。わかってるとは思うけどこんなのがばれたら国家転覆罪並みの異例の事件よ。」
「こっぱみじんこ拳? なんだそりゃ?」
「あんたは黙ってて!!」

 アレンのおとぼけにニアが一括を入れる。

「しかしこれはまたとんでもない秘密だね。」

 クラウスは引きつった笑いを浮かべ両手を軽く上げて降参のポーズをとる。

「ただ、僕がどうこうできる問題じゃない。安心しなよ。僕らは仲間だ。
 使用してくれ。」
「クラウス...ありがとな。」

 クラウスの言葉に安心したため息が一同から漏れ出す。

「これだけの戦力を個人が持っているのにアレン君はステータスがオール1という状態だ。
 彼を守る人間がいるね。ニアもそう。下の階層のモンスターの攻撃に耐えれるだけの力がない。
 僕はうってつけの戦力なわけだ。
 そしてもしディアドラの力が解放されたときアレン君がどのくらいの力になってしまうのかは僕も想像がつかない。だが見てみたい。」

「あぁ、あっという間に50階層まで行ってブルーノに呪印を解いてもらうよ。」

「そこが問題だね。ブルーノは僕もほとんどあったことがない。なにせほとんどの時間をダンジョンの50階層で過ごしている。かなりの奇人という話も聞く。すんなり事が運ぶかどうか。」

「それよね。逆に敵として認識された日にはアークグラッド最強のパーティーの一人 呪いのブルーノと対峙することもあり得るわ。」

「まぁそこらへんも行ってみなくちゃわからないって事だろ。どうせダンジョンの深層に潜るにはディアドラの力は必須だ。俺は見てみたい。ダンジョンの1番下を。」

「わかったっての。みんな考えてることは一緒よ。きっと。」
「あぁそうだね。」

 みんなの思いも一つになったところで今日はもう遅いからと解散しかけた時にふとニアが

「そういえばおばあちゃんは?」

 先ほどまで占っていたカレンの姿が見えない。

「さっきまでこの席に...ん???」

 アレンが先ほどまでカレンが座っていた席を調べようと近づいてみると

「カレン!!!」

 なんとカレンが鼻血を出してひっくり返っていた。

「ふにゅぁぁあ.....きゅらうしゅさまぁー.... 」

 うわごとのようにクラウスの名を言うカレン。

「これ大丈夫なのかよ。」
「よっぽどうれしかったのね。とりあえずベッドに運びましょ。」
「僕のせいではないよね。」

 皆それぞれが明日のダンジョンアタックの気持ちをおおいにそがれたのであった。





 ーーーーーーーーーーー




「せや!!! はっ!!!」

 さすがはクラウスである。
 剣技も並みの剣士とは比べ物にならない腕前。

「きゅぴぴぷぷ!!!」

 ゴンゾウも雷切を振り回し遊ぶようにモンスターを蹂躙していっている。
 かつては回避とサポートをこなしながら魔法攻撃を行っていたニアも今ではクラウスがひきつけゴンゾウが敵を退けてくれるおかげで集中した魔法詠唱が可能になっていた。

「10階層なのにまったく敵を寄せ付けてないわ。しかもすごく戦いやすい。守りが固くなるってここまでパーティーの機能性を上げるのね。」

 ニアは全くの苦戦しらずのこのパーティーに自信が持ててきた。

「いいよなーあいつら。戦う力があって。」
「そういうな主よ。まだ出番ではないということだ。」

 まったくの戦力外アレンとそもそも戦う気すら起こしてないディアドラが後方で暇を持て余していた。

「良いではないか主よ。どうも苦戦とは程遠いみたいだぞ。我らの出番はまだまだだ。」

 そういうとディアドラは わふぅ~ とあくびをしながらテケテケと歩き、モンスターの残骸をむしゃむしゃと食べだした。

 ダンジョンは5階層ごとに景色が忽然と変わる。
 5階層までは岩やコケばかりの景色だがそれを過ぎると徐々に景色が明るくなり草木も見える。
 そしてここ10階層を過ぎると

「あった。ここから下の層へ降りれるわ。」

 ダンジョンの中にさらに洞穴のような形をしている場所がありそこが急角度のスロープのような構造になっている。

「さぁ次は11階層だ。ここから徐々に敵も強くなる。気を引き締めていこう。」

 完全にリーダーはクラウスになっている。
 しかしダンジョンとは不思議だ。
 一同は11階層への坂道を下る。
 徐々に先に光が見えゴンゾウが元気に1番乗りで出口を出る。

 そこにはまるで晴れた昼のように明るく、だが霧が覆っていて視界は極めて悪いエリアに出た。
 地面には草が生え所々に木も生えている。
 周りに壁は見えなく、天井も視界が悪いせいか確認できない。
 そのせいかどこまでも続く草原のように見えるエリアであった。

 鳥の鳴き声が聞こえてきそうな雰囲気に一同は一瞬気を抜いてしまう。
 突如視角から1本の矢が飛んでくる。
 完全に油断した一同ではあったがクラウスだけは気を抜かずその矢に反応しニアに刺さる直前に手で捕まえた。

「へっ!? なに!?」

 ニアはまだ何が起こっているのかわからない。

「ここはダンジョンだ。油断をする暇なんて一瞬もないよ。」

 じりじりと影から子供くらいの大きさの犬のような姿だが二足歩行で近づく数体のモンスターが現れた。
 手には弓を持っており口元の牙は鋭い。

「コボルトだ。」

 知能が高く群れでの狩りを得意とする。
 弓の殺傷力は高く当たり所が悪ければ死に至る恐ろしい武器だ。

 ニアは自分の油断して緩めた気を引き締める。

「大丈夫だよニア。こんなところじゃ僕らは止まらない。自信を持つんだ。」

 クラウスがニアに声をかける。
 おそらく見えている数がすべてではない。
 十数匹はいるのではないだろうか?

 どこからの攻撃にも対応できるようにニアとクラウスは互いに背中を預ける。
 しかしアレンはというと未だに状況が把握できずオロオロしていた。
 それを見たディアドラが わふぅ~ とうなだれ

「世話のかかる主だ。」

 と嘆くのだった。




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