染具羅譜(ゾグラフ)家の引越し

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ぼちぼち魔力開放するか

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 今日は兄と僕の魔力開放日だ。昨日ジギスムント先生が

「みなさ~ん明日、魔力開放しま~す!」

と宣言した。今日まで僕たちは辛い修行に耐えた!血の滲むような、辛い毎日だった。
喜怒哀楽。この感情に揺さぶれれることなく、常に平常心を心がけた。

 第一段。喜の巻き。《笑ってはイカン!牛乳出したらビリビリよ!》
口の中に牛乳を入れ、昔のバラエティー番組を見る。笑わずに、牛乳を吐き出さず耐える!ひたすら耐える!だが、兄の顔で撃沈。僕ばっかりビリビリしていた。
兄は目と鼻から牛乳出してたのに、セーフ。

 第二段。怒の巻き。≪クレーマー撃退!どんな理不尽でも怒っちゃやーよ≫
ジギスムント先生がクレーマーになり電話口で対応する。この世界でもクレーマーはいるのだろう。動物の形をした、饅頭がかわいそうだと、定食屋の女将さんからのクレームだったり。家に虫が出るというゴミ屋敷のおっさんからのクレームだったり。みんな平等!と学力、運動の優劣をつけないほうがイイ!とのたまうママさん。僕は以外と得意だった。長々話すクレーマー、ずっと話を聞いていられた。
兄は2秒でキレた。
兄いわく、定食屋は、肉を出さねーのか!おっさん!ゴミを片付けろ!平等?何、言っていやがる!平等の意味を履き違えてるわ!!だそうだ。まったくそうなんだが、鼻息を荒くして散々怒っていた。兄は、怒りの巻きをクリアできず、ヘトヘトになっていた。

 第三弾。哀の巻き。≪○ロー!!!≫
名作。フラン○○○○犬。泣くな!と言われても、泣くよね。
「○○ラッシュ・・・疲れたろ。僕も疲れたんだ」
なんて言われてみなされ!3人で大号泣!誰よりも泣いていたのは、ジギスムント先生だった。ア○アと一緒に「○ーロー!!!」と叫んでいた。
先生・・・名作だが、チョイスを失敗したね・・・

 第四弾。楽の巻き。≪夢の国へご招待≫
有名なネズミの国です。僕たち家族は、リンが小学校に上がる年に初めてネズミの国へ行った。ネズミの耳のカチューシャを家族全員分買って、写真を撮った。満面の笑顔のおっさんが、ネズミの耳を付けた、家族写真。父いわく遺影にしてほしいそうだ。そんな楽しい思い出の場所。リンを連れて来たかったと、僕はおもった。それがよかったのか、はしゃぎまくらなかった。兄も同じおもいだったらしく、二人とも楽の巻きはクリアできた。

 そんなこんなの修行を積んで、ようやく感情を抑えることができた僕たち。
今日魔力を開放する。
平均的に魔力は、頭にシュークリーム1個分、ちょっと多くて、メロンパン。僕たちは、力士らしい・・・なぜ食べ物じゃないのかは不明。そこは、ジギスムント先生に突っ込んでみようか?とおもったが、やめた。

 「じゃー開放するぞー オレの前にこーい」

と畑に水やりするから、ホースから水出すぞーぐらいの軽~い感じでジギスムント先生が、言った。
僕と兄はジギスムント先生の前に正座をして、手を合わせ目を閉じた。日本人の習性なのか?お願いします。の時は、手を合わせて拝んでしまう・・・?

「ソイヤーサッ!!!」

ジギスムント先生の掛け声と共に、僕と兄の体が光出す。緊張で心臓がバクバクする。体が温かくなってきているのが判る。強大な魔力に耐えることが、できるのだろうか?

だがそれも一瞬の出来事。

ん?音にするならプシュン。すかしっぺ?

恐る恐る片目を開け、周りを確認する。変わった様子は、ない。自分の体もなんら変化は、なし。

えっ!終わり?

僕も兄も目を開け回りをキョロキョロする・・・・
が突然!僕と兄の体からとてつもない何かが噴出した。

「「ワーーッ!!!」」

部屋の中に大竜巻が起こってる。何もない部屋なので家具が倒れたりしないが、厚手のカーテンがバサバサして、窓ガラスが、ガタガタ今にも割れそうだ。

「リク!ソラ!魔力を抑えろー!!」

ジギスムント先生の叫び声が聞こえる。僕は自分の体から噴出してる何かを一生懸命抑えようとした。だが焦って、どうにも出来ない。どうしよう・・・どうしよう・・・気持ちばかり焦る。どうしよう・・・抑えられなきゃ僕、死んじゃうのかな?どうしよう・・・僕は泣きそうになりながら、何かを抑えようとするが、うまくいかない・・・・とその時。なぜか急に頭の中に母の声が聞こえた・・・

『布団圧縮袋って便利よねー』

そうだ!!圧縮しよう!僕の体から出てくる何かを集め。袋の中に入れ。掃除機をON!!とイメージし、見る見る圧縮される。それはもうぺったんこに圧縮してやった!嵩張る布団をぺったんこにして、押入れに隙間を作ると、布団に勝った気がする。気分は、えへへザマーミロ!な感じ。
僕が布団に勝った瞬間、竜巻が収まった。一部カーテンが外れ、ガラスはヒビが入っていた。

「はあ~収まったな!ごくろうさん!この部屋以外は被害が出てないから安心しろ。で?どうやって魔力を抑えた?」

ジギスムント先生は、ケロっとした感じで聞いてきた。

「俺は・・・何故か?子供の時の事、思い出したんだよ・・・子供の頃、フルチンで外を駆け回るのが好きだったんだよな・・・今やったら、犯罪だけど。それで母さんがパンツ持って俺を追い回しながら、「パンツ履かなきゃおちんちん取っちゃうよ!」って怒られて・・・俺の俺を取られるわけにいかないじゃん!開放感を我慢してパンツを履く・・・そんなイメージしたら収まった」

「お兄ちゃん今でも、お風呂上がりは、小1時間ほど全裸じゃん」

「そうなだよ。出来ることなら裸族でいたいんだよ。だがそこは、グッと堪えるのが大人だろ!」

大人どーこーじゃないと思うよ。兄よ。

「ふんふん、そっか・・・リクは、パンツか・・・・で?ソラはどうやった?」

兄の裸族希望は無視して、ジギスムント先生は僕に聞いてきた。

「僕は・・・僕も、お母さんの事、思い出したのかな?声が聞こえたんだ・・・「圧縮袋って便利よね」ってそれで圧縮するイメージしたら収まった」

「ふ~ん・・・二人とも・・・か・・・」

ん?途中、声が聞こえなかったぞ?・・・か ってなんだ?僕と兄は顔を見合わせながら???な感じだけど、ジギスムント先生はフムフム考えてる。

「よし!今日はこれで解散!!お前たち今はもう大丈夫だろ?どこか具合が悪いところあるか?」

「「別にない」」

「それじゃー解散!明日、属性と魔力量を測ってから、魔法を教えてやるよ。楽しみにしてろ!ああ寝る1時間前に体に魔力を循環させろ。ほどよく寝れるから」

コクコクと頷く兄弟。魔力って安眠効果があるんだ。スゲー!!そして明日、魔法なるモノを教えてもらえるんだー。うひゃーワクワクする。

「あざーした!」っと部屋を出て、兄と僕はすぐ父のもとへ向かった。

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