乙女ゲーのラスボスに転生して早々、敵が可愛すぎて死にそうです

楢山幕府

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 弟がいたらこんな感じなのだろうか。
 少なくとも殿下に悪感情は抱かれていないらしい。
 じゃなきゃ、隣に座ったとしても、太ももは密着しないだろう。
 キツネ狩りに行くからか、今日の殿下は裾の長いズボンを履いている。
 しかし殿下、くっつき過ぎではありませんか? 別にもたれかかってくれるのはいいんですけど。

「アルフレッドには、そなたを見習って落ち着いて欲しいものだ。座学の成績も素晴らしいと聞いている」
「過分なお言葉です」

 落ち着いているのではなく、僕の場合は感情が顔に出ないだけだ。
 今も内心では、伝わってくる殿下の体温の高さに焦っている。
 ロリとショタはノータッチが原則だと、前世の記憶が訴えていた。

「謙遜するでない。そうだ、勉強のコツを教えてやってくれんか? アルフレッドは地理が苦手でな」

 陛下の言葉に、殿下が居心地悪そうに身を揺らす。

「勉強は嫌いだ」
「他の科目は成績がいいではないか。全て得意である必要はないが、地理は必須だぞ」

 地理を理解していなければ、他国との関係や、貴族の領地がどういったものかもわからなくなる。
 僕も歴史と地理については、重点的に教えられていた。

「アルフレッドにも地理の教師にはコーン氏をつけているから、教え方に差異はないはずだ」
「もうっ、今日はキツネ狩りに行くんだ!」

 殿下が僕の腕に絡みついて顔を隠す。よほど嫌な話題らしい。
 あぁ、でも……。

「僕も苦手だな」
「地理がか? コーン氏はそなたを褒めていたぞ」

 つい呟いてしまった言葉を、陛下に拾われる。
 一度口から出た言葉は取り消せない。

「地理というか、コーン氏が……です」

 苦みが隠せない返答に、隣から予想外の反応があった。

「ルーファスも?」
「殿下もですか?」
「なんだ、氏は厳しいのか?」

 僕たちの共通点に、陛下が笑う。
 厳しいだけなら、まだ耐えられるのだけど。

「教えは素晴らしいです。ただ僕は……距離感が苦手で」
「ふむ? 距離感かね?」
「教師として親切にしてくださってるのが、合わなくて……」

 他にどう表現したらいいのかわからない。
 視線が粘着質に感じるのは主観だ。
 殿下はどうなのだろうと視線を向けると、首を大きく縦に振っていた。

「そうなんだ! やたら触ってくるし!」
「あぁ、肩とか」
「太ももとか! 疲れてないのに揉んでくる!」

 え。
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