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第22話 多重発動
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メリアの寝息が聞こえだした。
それを確認して僕は魔法を発動。
周囲の空気をゆっくり圧縮していく。
僕らの四方の空気を圧縮し、結界とする狙いだ。
ゆっくりやっているのは、制御の問題もあるけど、一番はメリアを起こさないためだ。
空気は一気に圧縮したり膨張させたりすると音がでるからね。
雷の音がでかいのは、空気が急激に膨張するからだったりするんだよね。
後方にゆっくりと『空気の壁』ができてくる。
次に左右、そして正面の順だ。
僕らのキャンプ地が覆えるくらいの規模、壁の厚みは大体1mくらい。
メリアからは寝息の音が聞こえる。
よし、成功。
あとはこれを維持するだけだ。
風を結界とする方が楽は楽だけど、それもやっぱり音が出ちゃうからね。
さて、暇だ。
とは言え集中しているからか、時間はグングンと進む。
何度目だったか、木の枝を薪として焚き火に投げ込み、そろそろメリアを起こそうかと思ったその時、メリアがパチリと目を覚ました。
なにそれ?降車駅で目を覚ます日本人?
「おはようございます。そろそろ交代の時間ですよね?」
この人やっぱ才能人だよなぁ。
あんまり人に天才とか言うのは失礼だけれど。
なんで王国兵やってるんだろう?もったいない。
「メリアさんメリアさん、魔法使いになる気はありませんか?」
「え?なんですかそんな"霧から槍"に」
霧から槍には日本で言うところの藪から棒にと同じ意味の慣用句だ。
全然違う文化なのに、似たような慣用句が、同じ意味で使われてるの、なんだか不思議だよね。
……こっちのはかなり物騒な表現だけどさ。
「いやー。メリアは才能人だなーと思いまして」
この前走りながら僕を吹き飛ばしてくれた時の魔法制御とか構築速度とか、今見せた体内時計の正確さとか、他にもちょいちょい努力だけじゃどうにもならない能力の高さを見せつけてくれていたんだ。
その事を伝えるとメリアはため息をついた。
「レイさんの方がよっぽども化物だと思いますけどねー」
化け物って……。
「この結界張ってるの、レイさんですよね?魔法4つも同時発動なんて見たことも聞いたこともありませんよ」
メリアはそう言うけど、これは才能ではなく修練でできるようになったものだ。
「正しくは同時発動ではなくて、多重発動ですよ。多重発動であれば誰でも修練でできるようになりますよ」
メリアは疑わしそうだが、これは本当のことだ。
「これは心理学の話なんですけど、人間の行動のほとんどは無意識によって行われていると言われています」
メリアが「しんりがく?」と疑問を浮かべているけど構わず続ける。
「例えば歩くときに、わざわざ毎回『右手を振り上げて左ももを上げて、今度は左手を振り上げて右ももを上げて』なんて意識して歩かないじゃないですか?」
この説明で得心したようだ。
「つまり、ある程度無意識に魔法の発動ができるようになるまで魔法を使い込む修練を積めば、誰でも多重発動ができるってことなんですよ」
まぁ、完全に無意識でやってるわけじゃないから、集中力はかなり必要にはなるんだけどね。
もっと修練積んだら完全に無意識でできるのだろうか?
「よくわからないですけど、無意識で移動に使う魔法を使えれば、同時に矢を放つ時の補助魔法も一緒に使えるようになるってことですか?」
きっちり理解してんじゃねーか!
「なので、これは別に才能ってわけじゃないんですよ」
メリアはふーん。とか言ってる。
あんまり納得してなさそう。
まぁでも今は睡眠こそジャスティス。
「では僕は寝るので二刻ほどで起こしてください」
そう告げて僕は床に就いた。
明日は山越え2日目だ。
何事もないといいなぁ。と思いながら。
それを確認して僕は魔法を発動。
周囲の空気をゆっくり圧縮していく。
僕らの四方の空気を圧縮し、結界とする狙いだ。
ゆっくりやっているのは、制御の問題もあるけど、一番はメリアを起こさないためだ。
空気は一気に圧縮したり膨張させたりすると音がでるからね。
雷の音がでかいのは、空気が急激に膨張するからだったりするんだよね。
後方にゆっくりと『空気の壁』ができてくる。
次に左右、そして正面の順だ。
僕らのキャンプ地が覆えるくらいの規模、壁の厚みは大体1mくらい。
メリアからは寝息の音が聞こえる。
よし、成功。
あとはこれを維持するだけだ。
風を結界とする方が楽は楽だけど、それもやっぱり音が出ちゃうからね。
さて、暇だ。
とは言え集中しているからか、時間はグングンと進む。
何度目だったか、木の枝を薪として焚き火に投げ込み、そろそろメリアを起こそうかと思ったその時、メリアがパチリと目を覚ました。
なにそれ?降車駅で目を覚ます日本人?
「おはようございます。そろそろ交代の時間ですよね?」
この人やっぱ才能人だよなぁ。
あんまり人に天才とか言うのは失礼だけれど。
なんで王国兵やってるんだろう?もったいない。
「メリアさんメリアさん、魔法使いになる気はありませんか?」
「え?なんですかそんな"霧から槍"に」
霧から槍には日本で言うところの藪から棒にと同じ意味の慣用句だ。
全然違う文化なのに、似たような慣用句が、同じ意味で使われてるの、なんだか不思議だよね。
……こっちのはかなり物騒な表現だけどさ。
「いやー。メリアは才能人だなーと思いまして」
この前走りながら僕を吹き飛ばしてくれた時の魔法制御とか構築速度とか、今見せた体内時計の正確さとか、他にもちょいちょい努力だけじゃどうにもならない能力の高さを見せつけてくれていたんだ。
その事を伝えるとメリアはため息をついた。
「レイさんの方がよっぽども化物だと思いますけどねー」
化け物って……。
「この結界張ってるの、レイさんですよね?魔法4つも同時発動なんて見たことも聞いたこともありませんよ」
メリアはそう言うけど、これは才能ではなく修練でできるようになったものだ。
「正しくは同時発動ではなくて、多重発動ですよ。多重発動であれば誰でも修練でできるようになりますよ」
メリアは疑わしそうだが、これは本当のことだ。
「これは心理学の話なんですけど、人間の行動のほとんどは無意識によって行われていると言われています」
メリアが「しんりがく?」と疑問を浮かべているけど構わず続ける。
「例えば歩くときに、わざわざ毎回『右手を振り上げて左ももを上げて、今度は左手を振り上げて右ももを上げて』なんて意識して歩かないじゃないですか?」
この説明で得心したようだ。
「つまり、ある程度無意識に魔法の発動ができるようになるまで魔法を使い込む修練を積めば、誰でも多重発動ができるってことなんですよ」
まぁ、完全に無意識でやってるわけじゃないから、集中力はかなり必要にはなるんだけどね。
もっと修練積んだら完全に無意識でできるのだろうか?
「よくわからないですけど、無意識で移動に使う魔法を使えれば、同時に矢を放つ時の補助魔法も一緒に使えるようになるってことですか?」
きっちり理解してんじゃねーか!
「なので、これは別に才能ってわけじゃないんですよ」
メリアはふーん。とか言ってる。
あんまり納得してなさそう。
まぁでも今は睡眠こそジャスティス。
「では僕は寝るので二刻ほどで起こしてください」
そう告げて僕は床に就いた。
明日は山越え2日目だ。
何事もないといいなぁ。と思いながら。
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