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エリアミッション:16
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「無言は肯定と受け取るぞ。」
再度、アイザックが尋ねる。
誰も返事を返さない。
「悠夜。 作戦開始だ。」
「了解。 んじゃ、いっちょ頑張りますか。」
そう言って、竜騎兵を加速させて、デススパイダーから距離を取る悠夜。
「空戦部隊は時間稼ぎを!
地上部隊は、デススパイダーから距離を取れっ!」
アイザックの指示で、香織率いる空戦部隊が攻撃を仕掛けて、デススパイダーのヘイト値を集めて足止めを開始する。
その間に、地上の部隊がデススパイダーから距離を取る為に離れていく。
「香織さん。 判っているとは思うけど、竜騎兵が取り付いたら全力で上空に逃げてよ。」
個人通話チャットで、香織に話しかける悠夜。
「判っているわ。 遺言は?」
「終わったら買い物でも行かない?」
「……。」
冷たい眼差しで、悠夜を見る香織。
「……。 じょう」
「良いわよ。」
冗談と言おうとした悠夜の言葉をさえぎって、香織の返事が聞こえた。
香織の言葉に、悠夜の思考が一瞬停止する。
「ホントに?」
「ええ。」
心の中で、大きくガッツポーズを取る悠夜。
「頑張りなさい。」
そう言って、個人通話チャットを切る香織。
「頑張りますともっ!」
テンション上がりまくりの悠夜。
一方。 悠夜との個人通話を切り終えた香織はと言うと。
(どうして、受けちゃったのかしら……。)
戦姫のコクピット内で、ヘルメットの上から額の所に手を当てて大きな溜め息を吐いていた。
「悠夜。 避難は完了したぞ。 準備OKだ。」
「了解! 竜騎兵! 突貫しますっ!」
そう言って、アクセルペダルを踏みこみ、一瞬でデススパイダーの背中に張り付く。
デススパイダーも、おとなしく竜騎兵を背中に乗せている訳もなく、節の部分から伸ばした鋼糸で竜騎兵を攻撃する。
バリアフィールドを全開で、鋼糸の攻撃を軽減するが、竜騎兵のHPゲージはが凄い勢いで減っていく。
「重力制御砲! 発射っ!」
デススパイダーの背中に乗ったままで、下方に向けて重力制御砲を発射する。
胸部装甲が開き、重力制御砲が発射された。
重力場が周囲に広がり、バキバキと音を出しながら竜騎兵とデススパイダーを圧縮圧壊させていく。
そう、悠夜が提案した作戦とは。
デススパイダーの背中に乗り、0距離での竜騎兵による重力制御砲での攻撃だった。
0距離からの攻撃で、デススパイダーのHPを削れるだけ削って、後はアイザック達に任せる。
もちろん、こんな攻撃の仕方をすれば、竜騎兵も只では済まない。
どの道、エネルギー回復手段が戦艦幻夢での補給しか手の無くなった竜騎兵。
ならば。 最後に大きな花火を打ち上げて、デススパイダーのHPを道連れに自爆を選んだのである。
竜騎兵が空中戦闘をすれば、或いは少しは粘れたかもしれないが。
それでも、味方への被害が大きくなるのは目に見えているし。
討伐できるかどうかは微妙なところだ。
確実にエリアボスを討伐したかったら、この方法が確率的には一番大きいと判断したのだ。
「あとは任せたよ。」
圧縮圧壊していく機体の中で、ニヤニヤとした笑顔で呟く悠夜。
黒い塊が小さくなっていき消える。
重力場が消えた後には、デススパイダーだけが佇んでいた。
竜騎兵が、自爆覚悟の重力制御砲での攻撃耐に耐えたデススパイダー。
しかし、残るHPゲージは残り僅か。
「うおおおおぉぉっ!」
咆哮と共に、アイザックの駆る聖騎士がデススパイダー目掛けて剣を振り下ろす。
何とアイザックは、後方に下がる事はせずに、重力制御砲での攻撃を受けたのだ。
聖騎士も相当のダメージを負って、盾は完全に破壊されてHPは危険域にまで落ちている。
だが、デススパイダーは、未だに重力制御砲を受けた影響で、満足に動く事が出来ない為に、聖騎士の振り下ろす剣を、まともに受けてさらにHPゲージを減らす。
上空からも、香織の指揮する航空部隊が攻撃。
「爆炎拳!」
少し遅れて、加速したサラマンダー改が、デススパイダーに近接して特殊能力での攻撃を打ち込む。
★爆炎拳:サラマンダー改 特殊能力★
*敵に攻撃が当たり、拳を引く時に指向性の爆発を巻き起こし破壊する。
再度、アイザックが尋ねる。
誰も返事を返さない。
「悠夜。 作戦開始だ。」
「了解。 んじゃ、いっちょ頑張りますか。」
そう言って、竜騎兵を加速させて、デススパイダーから距離を取る悠夜。
「空戦部隊は時間稼ぎを!
地上部隊は、デススパイダーから距離を取れっ!」
アイザックの指示で、香織率いる空戦部隊が攻撃を仕掛けて、デススパイダーのヘイト値を集めて足止めを開始する。
その間に、地上の部隊がデススパイダーから距離を取る為に離れていく。
「香織さん。 判っているとは思うけど、竜騎兵が取り付いたら全力で上空に逃げてよ。」
個人通話チャットで、香織に話しかける悠夜。
「判っているわ。 遺言は?」
「終わったら買い物でも行かない?」
「……。」
冷たい眼差しで、悠夜を見る香織。
「……。 じょう」
「良いわよ。」
冗談と言おうとした悠夜の言葉をさえぎって、香織の返事が聞こえた。
香織の言葉に、悠夜の思考が一瞬停止する。
「ホントに?」
「ええ。」
心の中で、大きくガッツポーズを取る悠夜。
「頑張りなさい。」
そう言って、個人通話チャットを切る香織。
「頑張りますともっ!」
テンション上がりまくりの悠夜。
一方。 悠夜との個人通話を切り終えた香織はと言うと。
(どうして、受けちゃったのかしら……。)
戦姫のコクピット内で、ヘルメットの上から額の所に手を当てて大きな溜め息を吐いていた。
「悠夜。 避難は完了したぞ。 準備OKだ。」
「了解! 竜騎兵! 突貫しますっ!」
そう言って、アクセルペダルを踏みこみ、一瞬でデススパイダーの背中に張り付く。
デススパイダーも、おとなしく竜騎兵を背中に乗せている訳もなく、節の部分から伸ばした鋼糸で竜騎兵を攻撃する。
バリアフィールドを全開で、鋼糸の攻撃を軽減するが、竜騎兵のHPゲージはが凄い勢いで減っていく。
「重力制御砲! 発射っ!」
デススパイダーの背中に乗ったままで、下方に向けて重力制御砲を発射する。
胸部装甲が開き、重力制御砲が発射された。
重力場が周囲に広がり、バキバキと音を出しながら竜騎兵とデススパイダーを圧縮圧壊させていく。
そう、悠夜が提案した作戦とは。
デススパイダーの背中に乗り、0距離での竜騎兵による重力制御砲での攻撃だった。
0距離からの攻撃で、デススパイダーのHPを削れるだけ削って、後はアイザック達に任せる。
もちろん、こんな攻撃の仕方をすれば、竜騎兵も只では済まない。
どの道、エネルギー回復手段が戦艦幻夢での補給しか手の無くなった竜騎兵。
ならば。 最後に大きな花火を打ち上げて、デススパイダーのHPを道連れに自爆を選んだのである。
竜騎兵が空中戦闘をすれば、或いは少しは粘れたかもしれないが。
それでも、味方への被害が大きくなるのは目に見えているし。
討伐できるかどうかは微妙なところだ。
確実にエリアボスを討伐したかったら、この方法が確率的には一番大きいと判断したのだ。
「あとは任せたよ。」
圧縮圧壊していく機体の中で、ニヤニヤとした笑顔で呟く悠夜。
黒い塊が小さくなっていき消える。
重力場が消えた後には、デススパイダーだけが佇んでいた。
竜騎兵が、自爆覚悟の重力制御砲での攻撃耐に耐えたデススパイダー。
しかし、残るHPゲージは残り僅か。
「うおおおおぉぉっ!」
咆哮と共に、アイザックの駆る聖騎士がデススパイダー目掛けて剣を振り下ろす。
何とアイザックは、後方に下がる事はせずに、重力制御砲での攻撃を受けたのだ。
聖騎士も相当のダメージを負って、盾は完全に破壊されてHPは危険域にまで落ちている。
だが、デススパイダーは、未だに重力制御砲を受けた影響で、満足に動く事が出来ない為に、聖騎士の振り下ろす剣を、まともに受けてさらにHPゲージを減らす。
上空からも、香織の指揮する航空部隊が攻撃。
「爆炎拳!」
少し遅れて、加速したサラマンダー改が、デススパイダーに近接して特殊能力での攻撃を打ち込む。
★爆炎拳:サラマンダー改 特殊能力★
*敵に攻撃が当たり、拳を引く時に指向性の爆発を巻き起こし破壊する。
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