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「あんなのは、物語内での見せ場を作る為の演出効果さ。
現実世界でビーム兵器を水中で使おうものなら。
ビームブレードにしろ。ビームライフルにしろ。
エネルギーの出口で、水との緩衝を起こして暴発するのがオチだよ。
パイロットへの機体加速での干渉や、おおよそ理不尽なまでの機体の動き。
さらには、今現在の科学力では再現しきれていない兵器などのゲーム的要素は数多く在るけど。
GALAXY SOULは、そういう細かい設定は、製作者の拘りからか、そういった設定だからね。
そう言った事情を踏まえると。 宇宙ステージに行った時も、アニメや漫画みたいに、機体が通常の動きを出来ると思わない方が良いよ。」
人差し指を上に向けながら言うシズル。
「随分と詳しいですね。 シズルさん。」
一般的な女性では、考えないような事にまで詳しいので思わず訪ねてしまった。
「そうだね。 兄が生粋のロボットオタクでね。
兄の影響が大きいかもしれないね。
何せ、いい歳こいで、兄の夢は【自分でロボットを作って見せる】だからね。
その自分の夢を叶えたいが為に、ロボット工学の道に走ってしまった人だから。
兄の話だと、西暦2000年初期の技術力でも、人型の巨大ロボットを〝造るだけ〟なら作れたらしいからね。」
そう、2030年台の技術でも、アニメや漫画の様な、巨大ロボットを〝造る〟だけなら製造可能だった。
機動戦士ガンバインや、マシンガオガーZなどのロボットを造る事は出来た。
ただ、本当に製作可能と言うだけで。
実際に、2本の足で立って動けるかどうかは別問題なのだ。
まず重要な項目として、自機の重量を支えて立って動けるだけの、機体の形成強度や可動部強度。
某有名アニメの歌で、「身長57メートル 体重550トン」っと歌っているが。
あれ、不可能だからね。
57メートルもの鉄の塊で、人が乗れるのを考えて造った場合。
500トンどころか、軽く5万トンオーバーの質量になってしまう。
某光の巨人でさえ、60メートルの身長で5万トン超えなのだから
それに加えて、ミサイルやレーザーなどを防ぎきる装甲を加味すると…。
下手すりゃ、8万トンを超える質量を持ってしまう。
そんな質量を〝支え切って〟〝動かせる〟素材など見つかっていないので、〝造れる〟けど〝動かせない〟と、言うのが現状での科学力だ。
「さて、そこで悠夜くんと、香織さんに問題だ。
次に行く。 新しく解放されたミッションエリア。
海洋ステージで、有用そうな武装と思えば何だと思う?」
鋼の騎士団が、今度挑戦するミッションは、海洋エリア。
何故、海洋エリアかと言えば。
地底エリアでは、地中を掘って進むと言う行為は戦艦を改良するか、新造戦艦を購入する事で、地底エリアの戦闘域に進めば、地底エリアでの特殊条件下で機体と武装の多少の制約は在るが、概ね地上と大差はない。
普通に考えれば、確かに地中を掘り進んでいる状態での戦闘など出来る訳もない。
ところが海洋エリアでは、戦闘区域の大半が海中での戦闘となり、海中での機体制限と武装制限で、大多数のプレイヤー達が足踏みしている状態なのだ。
そこで、鋼の騎士団としては、初回の攻略特典を手に入れる事を目標に海洋エリアの攻略に動き出したと言うのが現状だ。
「普通に考えると、さっきも言ってた魚雷?」
香織が答える。
「だよなぁ~。 他に思いつくのは、格闘戦くらい?」
「まぁ、単純に考えると格闘戦と思うだろう。 だけど、それも間違いだ。」
「「ええっ!?」」
香織と悠夜、二人揃って驚きの声を挙げる。
「まず勘違いしているので言っておこう。
水の中で、格闘なんかは出来ない。
水中で腕や足を振ろうにも、水の抵抗値が大きすぎて、地上の威力の8分の1もダメージが通ればいい方だろう。」
そう。 水の中では殴る蹴る。 剣で切りつけるなどの攻撃も、水の抵抗で従来の半分以下の威力しか出せなくなる。
良く映画のシーンで、銃撃から逃げる為に、水中に飛び込んで逃げるシーンが在るが。
あれは本当の事だ。
現実世界での銃弾も、水の中では数メートルも進まない内に弾速が落ちてしまい、水中に沈んでいく。
ロケットランチャーの様な、火力での推進力を持った武器ですらも、水中では殆ど進まない内に、水との抵抗で推進力を無くしてしまう。
高周波剣などの武器でも使用でもしようものなら。
水中で武器の振動が水の抵抗をダイレクトに受けてしまって、武器を持つ部分からポッキリ折れるか、振動で周囲の水が共振動を起こして凄い状況になってしまう。
簡潔に言えば。 水の中では、スクリューと言う水中専用の推進装置がないと、9割以上は何もできないとも言える。
「水の中で有効な近接での攻撃方法は。
締め付ける。 握り潰す。 噛み付く。 引き裂く。 体当たり。
この5つ。」
シズルの言った、あんまりな回答に、悠夜も香織も、キョトンとした表情になる。
これには、ちゃんとした理由がある。
現実世界でビーム兵器を水中で使おうものなら。
ビームブレードにしろ。ビームライフルにしろ。
エネルギーの出口で、水との緩衝を起こして暴発するのがオチだよ。
パイロットへの機体加速での干渉や、おおよそ理不尽なまでの機体の動き。
さらには、今現在の科学力では再現しきれていない兵器などのゲーム的要素は数多く在るけど。
GALAXY SOULは、そういう細かい設定は、製作者の拘りからか、そういった設定だからね。
そう言った事情を踏まえると。 宇宙ステージに行った時も、アニメや漫画みたいに、機体が通常の動きを出来ると思わない方が良いよ。」
人差し指を上に向けながら言うシズル。
「随分と詳しいですね。 シズルさん。」
一般的な女性では、考えないような事にまで詳しいので思わず訪ねてしまった。
「そうだね。 兄が生粋のロボットオタクでね。
兄の影響が大きいかもしれないね。
何せ、いい歳こいで、兄の夢は【自分でロボットを作って見せる】だからね。
その自分の夢を叶えたいが為に、ロボット工学の道に走ってしまった人だから。
兄の話だと、西暦2000年初期の技術力でも、人型の巨大ロボットを〝造るだけ〟なら作れたらしいからね。」
そう、2030年台の技術でも、アニメや漫画の様な、巨大ロボットを〝造る〟だけなら製造可能だった。
機動戦士ガンバインや、マシンガオガーZなどのロボットを造る事は出来た。
ただ、本当に製作可能と言うだけで。
実際に、2本の足で立って動けるかどうかは別問題なのだ。
まず重要な項目として、自機の重量を支えて立って動けるだけの、機体の形成強度や可動部強度。
某有名アニメの歌で、「身長57メートル 体重550トン」っと歌っているが。
あれ、不可能だからね。
57メートルもの鉄の塊で、人が乗れるのを考えて造った場合。
500トンどころか、軽く5万トンオーバーの質量になってしまう。
某光の巨人でさえ、60メートルの身長で5万トン超えなのだから
それに加えて、ミサイルやレーザーなどを防ぎきる装甲を加味すると…。
下手すりゃ、8万トンを超える質量を持ってしまう。
そんな質量を〝支え切って〟〝動かせる〟素材など見つかっていないので、〝造れる〟けど〝動かせない〟と、言うのが現状での科学力だ。
「さて、そこで悠夜くんと、香織さんに問題だ。
次に行く。 新しく解放されたミッションエリア。
海洋ステージで、有用そうな武装と思えば何だと思う?」
鋼の騎士団が、今度挑戦するミッションは、海洋エリア。
何故、海洋エリアかと言えば。
地底エリアでは、地中を掘って進むと言う行為は戦艦を改良するか、新造戦艦を購入する事で、地底エリアの戦闘域に進めば、地底エリアでの特殊条件下で機体と武装の多少の制約は在るが、概ね地上と大差はない。
普通に考えれば、確かに地中を掘り進んでいる状態での戦闘など出来る訳もない。
ところが海洋エリアでは、戦闘区域の大半が海中での戦闘となり、海中での機体制限と武装制限で、大多数のプレイヤー達が足踏みしている状態なのだ。
そこで、鋼の騎士団としては、初回の攻略特典を手に入れる事を目標に海洋エリアの攻略に動き出したと言うのが現状だ。
「普通に考えると、さっきも言ってた魚雷?」
香織が答える。
「だよなぁ~。 他に思いつくのは、格闘戦くらい?」
「まぁ、単純に考えると格闘戦と思うだろう。 だけど、それも間違いだ。」
「「ええっ!?」」
香織と悠夜、二人揃って驚きの声を挙げる。
「まず勘違いしているので言っておこう。
水の中で、格闘なんかは出来ない。
水中で腕や足を振ろうにも、水の抵抗値が大きすぎて、地上の威力の8分の1もダメージが通ればいい方だろう。」
そう。 水の中では殴る蹴る。 剣で切りつけるなどの攻撃も、水の抵抗で従来の半分以下の威力しか出せなくなる。
良く映画のシーンで、銃撃から逃げる為に、水中に飛び込んで逃げるシーンが在るが。
あれは本当の事だ。
現実世界での銃弾も、水の中では数メートルも進まない内に弾速が落ちてしまい、水中に沈んでいく。
ロケットランチャーの様な、火力での推進力を持った武器ですらも、水中では殆ど進まない内に、水との抵抗で推進力を無くしてしまう。
高周波剣などの武器でも使用でもしようものなら。
水中で武器の振動が水の抵抗をダイレクトに受けてしまって、武器を持つ部分からポッキリ折れるか、振動で周囲の水が共振動を起こして凄い状況になってしまう。
簡潔に言えば。 水の中では、スクリューと言う水中専用の推進装置がないと、9割以上は何もできないとも言える。
「水の中で有効な近接での攻撃方法は。
締め付ける。 握り潰す。 噛み付く。 引き裂く。 体当たり。
この5つ。」
シズルの言った、あんまりな回答に、悠夜も香織も、キョトンとした表情になる。
これには、ちゃんとした理由がある。
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