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リアルイベント編

イベント:2

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「はぁ、いつ見ても羨ましい限りですね。」

小さな溜め息をついて廣垣さんが言う。

廣垣さんの家はマンションで。 妹と同じ部屋を使っている。

なので、廣垣さんは高校を卒業したら、一人暮らしが目下の目標で。

将来のために資金を貯めたくて。 いまも、アルバイトが出来ないか探している。

「何度も言ってるけど。高校出た時に1人暮らしするなら離れ家を貸すよ?

俺は母屋に行けば良いだけだし。」

「魅力的ではあるんだけどねぇ~・・・。」

「俺が離れ家を使ってるのだって。 使っていないと、家ってのは傷んでいくから、仕方なく使っているだけだからね。」

そう、健太けんたが離れ家を使っているのは、離れ家を傷ませない様にする為だけに使っていると言っても良い。

家と言うのは、使っていないと、いくら管理だけをしていようとも傷んで来るものらしい。

母屋の管理は、健太けんたの両親が居て。 長期不在の時には、家政婦の人が管理してくれているので奇麗だ。

いくら管理だけしても、常時人が居るのと居ないのとでは傷み具合が違ってくる。

「まぁ、あと2年以上あるんだし。 その時になって、見つからなければで良いんじゃない?」

俺が言うと。

「そうですね。 今すぐって訳では無いし。」

「おう。 遠慮するなよ?」

「はい。」

「んじゃ、テーブル出すから。 桂子けいこさん、お茶の用意でも頼める?」

「はい。」

「んじゃ、俺は買い出しにでも行ってくるか。」

「あっ!待て!悠夜ゆうや!」

「ん?」

「母屋にかおるさんが居るから。 母屋の方で貰ってきてくれ。」

押し入れから、長方形の組み立て式テーブルを引き出しながら言う健太けんた

「わかった。」

そう言って、母屋の方に向かう。


ピンポーン。

母屋の開き戸の前でインターホンを鳴らす。

少しして、引き戸が開きかおるさんが顔を出す。

「はい。 片桐さん。 どうかしましたか?」

俺の顔を確認してかおるさんが言う。


小林 かおるさん。32歳。既婚。

そして、男性。


「勉強会をするので。 間食用の、お菓子を母屋の方で貰って来る様に健太けんたに言われまして。」

「そうですか。 それでは中にどうぞ。」

「失礼します。」

軽く頭を下げて、かおるさんに着いて行く。

「私は、袋を持ってきますので。 好きなのを選んで持って行ってくださいね。」

「ありがとう御座います。」

かおるさんに着いて行った部屋には、所狭しとお菓子の棚が。

ポテチにビスケットにチョコ。果てはスルメにジャーキーなど。

これ、実は健太けんたの両親がかおるさんに言って買い溜めしているものだ。

普段は家に殆ど帰って来ないが。 家に居る時には、とにかく何処にも出る事が無くて引き籠もり。

なのに、お菓子とかケーキが大好きなのに。 買いに行くのも嫌がるレベル。

家政婦のかおるさんに買い込みをさせているらしい。

あれこれ選んで、傍のテーブルに置いていると。、かおるさんが戻ってきて、紙袋の中にそれを入れていってくれる。

「片桐さん。健太けんたくんに、晩御飯はどうしますかと聞いて貰えますか?」

「あぁ~、そうですね。 ん~・・・。 僕が離れ家で作りますので。 材料を取り来ても良いですか?」

「それでしたら、母屋の方でお作りなって食べてはどうです? 私も手伝いますし。」

「迷惑じゃなければ。」

「それでは、母屋の方で調理すると事で宜しいですか?」

「はい。お願いします。」

「判りました。」

「あ! 食べる場所は居間で、お願いしますね。」

「居間ですか?」

「はい。 かおるさんも、一緒に食べましょう。」

俺の言葉に、一瞬面食らった表情をしたが、すぐに表情をとりなおす。

そして、一礼して去っていく。
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