上 下
122 / 140
リアルイベント編

イベント:3

しおりを挟む
母屋から、お菓子を持って離れ家に帰ると、既に全員そろっており。

ノートやら参考書を出していた。

1人、増えているが。

「あ、お邪魔してます。」

俺を見て、軽く頭を下げて礼をする小鳥遊さん。

俺も軽く頭を下げて礼を返して、適当に空いている場所に座ると持っていた菓子を取り出す。

と言っても。 空いてたのは健太けんたの横だけどね。

「あ、そうだ。 かおるさんが、みんなの分の晩飯の用意をするって。

だから、晩飯は健太けんたの所で食っていくって連絡入れた方がいいんじゃないか?」

「いや!流石に、それは悪いでしょう?」

結城さんが声を上げて言うと。

「さすがに、この人数が居るとは思ってないのでは?」

廣垣さんが言う。

確かに。 この場に居るのは6人。

健太けんたの分はともかく。

俺に、廣垣さん。

島村くんに、結城さんに、小鳥遊さん。

合計6人分の料理だ。

「ふっ。かおるさんを舐めんなよ。スーパー家政夫のかおるさんに掛かれば。

この人数の料理なんて楽勝なんだぞ。」

何故か健太けんたが威張りながら言う。

「まぁ、確かに。 かおるさんなら問題ないと思うし。 適当な時間に為ったら切り上げて、俺も手伝うし。」

「えっ!? 片桐くんって、料理できるの?」

結城さんが驚きながら聞いてくる。

「まぁ、うちは1人暮らしに近いし。」

「そういや、両親揃って海外だっったな。」

「ああ。最初は、父さんだけの海外出張だったんだけど。 母さんが着いて行ったからな。」

ほんと。40も過ぎてラブラブ夫婦なのも困りもだよ。 夫婦喧嘩が盛んな家よりは遥かにマシだけどね。

料理するのは、元々嫌いではなかったし。 いくら仕送りがあると言っても、食費くらい浮かして何かの為に溜め込んで置かないと。

悠夜ゆうやの料理は美味いぞ。 なっ、蒼夜そうや。」

「だね。 僕は勿論いただいて行くよ。」

笑顔で言う島村くん。

「迷惑じゃない?」

廣垣さんが聞いてくる。

「おう。それに、どうせ食べるなら、多い方が楽しいだろう。 いつもは、俺とかおるさんだけだし。」

結局。 健太けんたの勢いと、島村くんの説得で、全員が食べて行く事に為った。



1時間半後。 時刻は5時半。


「んじゃ、俺はかおるさんを手伝いに行ってくるよ。」

「そうですね。流石に集中力も切れてきだしたし。 僕たちも、一息入れるよ。」

「楽しみにしてっからな。」

と。 島村くんと健太けんた

そして悠夜ゆうやは、そのまま母屋の方に向かう。

「しかし、今日は。いつもと違って覚えやすいわぁ~」

加奈かなが言うと。

「ええ。結城さんと、島村くんのお陰で。 いつもより、はかどっていますし。」

「私だって、廣垣さんと、片桐くんのお陰で、助かってるよぉ~。」

「そうですか? 小鳥遊さんの成績も悪い方じゃないでしょ?」

「それでも、蒼夜そうや沙耶さや釈愛しゃなじゃなくて、宝蔵院ほうぞういんさんに比べると見劣りしてるでしょ?」

「比べる対象が高すぎですよ。」

クスリと笑いながら言う桂子けいこ

中学の頃から、島村 蒼夜そうやは学年10位以内には入ってるし。

宝蔵院ほうぞういん 釈愛しゃなも30位から落ちた事は無い。

結城ゆうき 沙耶さやも、50位園内には入っている。

桂子けいこに至っては、中学の頃から学年3位以内という成績だ。

「しかし、片桐くんが、あんなに教え上手なのに。 なんで、あの順位なんだろうか、私は不思議でないよ。」

加奈かなが言うと。

悠夜ゆうやは手を抜いてるからな。」

「ですね。多分、本気を出せば、学年トップもキープできると思いますよ。」

健太けんた桂子けいこの言葉に、蒼夜そうや沙耶さや加奈かなの瞳が大きく見開かれて驚く。

「学年トップをキープできるって・・・。 手を抜いてるとは思っていたけど、そこまでとは・・・。」

蒼夜そうやが言うと。

「気が付いてたんだ?」

健太けんたが問い返す。

「そりゃ、あれだけ教え方が上手いとね。

教えるのが上手いって事は、それだけ教える事を理解して居ないといけないからね。」

「確かに。蒼夜そうやが教えてくれるよりも解かり易かったよ。」

加奈かなが言うと。

「島村くんのは、ある程度理解しているのが前提での教え方ですからね。

それに対して。悠夜ゆうやくんのは、知らないと前提して教えていますので。」

「うん・・・。かなり解かり易かった。」

桂子けいこの言葉に頷く加奈かな

「俺も、桂子けいこさんにも世話になってるけど。 どうしても悠夜ゆうやに頼っちまうしなぁ。」

「正直。私も凄いと思いますよ。 私も、つい。これ位は分かっているだろうって思ってしまうので。」

「見習わないとね。 他人に教えるって事は、自分の復習にもなるんだし。」

腕を組んで頷く蒼夜そうや
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

君が大好きという呪い

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:747pt お気に入り:393

転生から始まる敵国兵

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

1人の男と魔女3人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:1

僕と君と1.5人暮らし

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

JKメイドは思いを告げたい。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

護国神社の隣にある本屋はあやかし書店

キャラ文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:117

突然現れたアイドルを家に匿うことになりました

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:96

海原の抱擁と綴る魔法の冒険譚~モフモフと駆け巡れ~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:71pt お気に入り:84

二番煎じな俺を殴りたいんだが、手を貸してくれ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:0

処理中です...