6 / 11
捨てた理由。
3
しおりを挟む
「そんな……」
浅海は怒りと悲しみと裏切られたと言う感情がぐちゃぐちゃになり、涙を流すことさえできなかった。
「なら、その鈴音ちゃんは!鈴音ちゃんはどこよ!」
徐々に怒りの感情が勝ち、机を強く叩き、ここにはいない「実の子供」のことを聞いた。
『………………』
「なにか……言いなさいよ……」
2人は顔を伏せて黙ったまま。
「なに?なんで黙るの……?」
和之は言いにくそうに口を開いた。
「死んだんだ……事故で……3歳の頃に」
「……は?」
何を言ってるのか浅海はもう理解をする気にもなれなかった。
「人の子供を殺したの……?」
「わざとじゃないの!目を離した隙に……道路に飛び出して……私だって苦しかったわよ……」
「だから……だから自分の子供を返せって?」
(わがまま……いや、常識が無さすぎる。意味がわからない)
浅海は頭を抱えた。
「自分たちが苦労したって言いたいの?これからは自分たちが幸せになりたいからもう1人もくれって?冗談言わないでよ……」
浅海は泣きながら言葉を紡いだ。
「なんで貴方たちの勝手に付き合わなくちゃいけないの?花鈴は私の子よ……血が繋がってなかろうが私の子よ」
「それは違うわ。花梨は私の子よ」
「じゃあなんで入れ替えなんてしたの?なんで殺したのよ」
「………………」
「答えられないんじゃない!」
浅海が鋭い目で睨んできて、2人は喋れずにいたが、和之が口を少し開いて語り始めた。
「俺は、叶を愛したんだ。叶は1人で子育てをしようとしてたんだ。でも、俺が支えてやらないとって思った。だから、子供を入れ替えたら、俺と血は繋がってるから、その子供のことを愛せるし、2人を支えられると思った。血が繋がってない子供は愛せる気がしなかった……だから……」
「なにそれ……私と花鈴と一緒に暮らしながら叶さんとも一緒に暮らしていたってことでしょ……?」
「あぁ」
「子供が死んで、叶さんとは2人だけで暮らして私たちとは3人で……よく頑張ってきたわね」
半ば呆れ気味に理解をしようと口に出してみたが……どうしても気持ちが追いつかない。
「もういい……花鈴は貴方の子供なのよね……わかったわ、もう……いい……」
花鈴が自分の子供じゃない……そのことが頭を巡ってしまって他には何も考えられなくなっていた。
席を立ち、2人の顔も見ないでその場をあとにした。
外は雨が降ってた。
(ここに来る前は、晴れてたのに……)
一一一一一一
ガチャっ……。
「おかえりなさい!」
「ただいま……」
花鈴の笑顔がとても眩しくて耐えられない。
「花鈴……あなたはもういらないの」
「…………え?」
「だから、もういらないのよ。出ていきなさい。」
泣いてる顔を見られたくなくて、花鈴の顔を見ずに言い放ち、玄関のドアを開けて花鈴を追い出した。
ドアを閉め、鍵をかけてチェーンロックをして花鈴が入って来れないようにした。
(ウチは貧乏でろくにご飯も与えてあげられなかった……服も年相応のものを着せてあげられなかった……高校だって行きたかっただろうに……行かせてあげられなかった……ごめんね……)
玄関にもたれかかり、泣き崩れ、床にへたりこんで一晩中泣き崩れた。
浅海は怒りと悲しみと裏切られたと言う感情がぐちゃぐちゃになり、涙を流すことさえできなかった。
「なら、その鈴音ちゃんは!鈴音ちゃんはどこよ!」
徐々に怒りの感情が勝ち、机を強く叩き、ここにはいない「実の子供」のことを聞いた。
『………………』
「なにか……言いなさいよ……」
2人は顔を伏せて黙ったまま。
「なに?なんで黙るの……?」
和之は言いにくそうに口を開いた。
「死んだんだ……事故で……3歳の頃に」
「……は?」
何を言ってるのか浅海はもう理解をする気にもなれなかった。
「人の子供を殺したの……?」
「わざとじゃないの!目を離した隙に……道路に飛び出して……私だって苦しかったわよ……」
「だから……だから自分の子供を返せって?」
(わがまま……いや、常識が無さすぎる。意味がわからない)
浅海は頭を抱えた。
「自分たちが苦労したって言いたいの?これからは自分たちが幸せになりたいからもう1人もくれって?冗談言わないでよ……」
浅海は泣きながら言葉を紡いだ。
「なんで貴方たちの勝手に付き合わなくちゃいけないの?花鈴は私の子よ……血が繋がってなかろうが私の子よ」
「それは違うわ。花梨は私の子よ」
「じゃあなんで入れ替えなんてしたの?なんで殺したのよ」
「………………」
「答えられないんじゃない!」
浅海が鋭い目で睨んできて、2人は喋れずにいたが、和之が口を少し開いて語り始めた。
「俺は、叶を愛したんだ。叶は1人で子育てをしようとしてたんだ。でも、俺が支えてやらないとって思った。だから、子供を入れ替えたら、俺と血は繋がってるから、その子供のことを愛せるし、2人を支えられると思った。血が繋がってない子供は愛せる気がしなかった……だから……」
「なにそれ……私と花鈴と一緒に暮らしながら叶さんとも一緒に暮らしていたってことでしょ……?」
「あぁ」
「子供が死んで、叶さんとは2人だけで暮らして私たちとは3人で……よく頑張ってきたわね」
半ば呆れ気味に理解をしようと口に出してみたが……どうしても気持ちが追いつかない。
「もういい……花鈴は貴方の子供なのよね……わかったわ、もう……いい……」
花鈴が自分の子供じゃない……そのことが頭を巡ってしまって他には何も考えられなくなっていた。
席を立ち、2人の顔も見ないでその場をあとにした。
外は雨が降ってた。
(ここに来る前は、晴れてたのに……)
一一一一一一
ガチャっ……。
「おかえりなさい!」
「ただいま……」
花鈴の笑顔がとても眩しくて耐えられない。
「花鈴……あなたはもういらないの」
「…………え?」
「だから、もういらないのよ。出ていきなさい。」
泣いてる顔を見られたくなくて、花鈴の顔を見ずに言い放ち、玄関のドアを開けて花鈴を追い出した。
ドアを閉め、鍵をかけてチェーンロックをして花鈴が入って来れないようにした。
(ウチは貧乏でろくにご飯も与えてあげられなかった……服も年相応のものを着せてあげられなかった……高校だって行きたかっただろうに……行かせてあげられなかった……ごめんね……)
玄関にもたれかかり、泣き崩れ、床にへたりこんで一晩中泣き崩れた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
側妃の愛
まるねこ
恋愛
ここは女神を信仰する国。極まれに女神が祝福を与え、癒しの力が使える者が現れるからだ。
王太子妃となる予定の令嬢は力が弱いが癒しの力が使えた。突然強い癒しの力を持つ女性が異世界より現れた。
力が強い女性は聖女と呼ばれ、王太子妃になり、彼女を支えるために令嬢は側妃となった。
Copyright©︎2025-まるねこ
侯爵様の懺悔
宇野 肇
恋愛
女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。
そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。
侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。
その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。
おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。
――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる