【梅雨が招いた雲の下の花鈴】

充ちる

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好きなんだ。

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それから数日、休暇を貰って、少し気持ちを落ち着かせられたので、久しぶりに出勤した。

「おはよう」

久しぶりの出勤にみんなは驚き、大丈夫?だのもう出勤してもいいのか?などを聞いてきた。

「うん。もう大丈夫」

僕はそう答えて自分の席に着いた。

それから仕事をして昼休憩。

中津が声をかけてきた。

「飯、行くぞ」

中津は顎で部署の出口を指して歩き出した。

中津を追いかけて少し後ろを歩く。

会社を出て少し歩いたところにある綺麗な喫茶店。

僕と中津の行きつけの場所だ。

「んで、何があった?」

僕は俯きながら静かに、ゆっくりとこれまでの経緯を話した。

「そっか……」

中津は言葉を見失っているのか、どう僕に声をかければいいのか分からないと言った表情をしている。

「いいよ。なにもいらない」

僕がそう言うと申し訳なさそうにこっちを見た。

「じゃあなんで……」

中津は小さく聞こえるか聞こえないかの声で、絞り出すように問いかけてきた。

「じゃあなんで……そんな泣きそうな顔してるんだよ」

(そっか……僕、泣きそうなんだ)

泣き疲れてもうそんな顔さえできないと思ってたのに。

「きついんだ。あの子がいなくなってからの毎日が……彼女がいた日の方が圧倒的に短いのに…1人でいた時の方がずっと長い時間だったのに……なのに……彼女がいるのが当たり前になって……いないと苦しくて……」

「………………」

(本当に僕が思ってること……自分でも分からなかったことが……なんでこいつの前だと言えるんだろ……)

「多分お前……その子のこと好きだったんだよ」

「……え?」

驚いた。

(僕が?彼女を好き……?

また理解が追いつかないことを言われた……。

でも、そっか……好き…なんだ)

心にストン。と落ちてきた「好き」という言葉。

なんか他のどんな言葉よりもしっくりきて、
心に収まっていく。

「あぁ、好きなんだ……好きだよ」

「あぁ、認めたな」

(だから……こうなってるんだよな……)

「俺はその子のことなんて知らないけど、ここ半年ぐらいお前幸せそうだったもん」

「顔に出てたか?」

中津は静かに頷いた。

「そっか……」

「ほら、幸せそう」

「……え?」

(僕今……幸せそうな顔してた?)

顔を触って確認するが分からない。

「ははっ!良かった…ちょっとだけ前のお前に戻った」

「…………ふふっ…ありがとう。お前のおかげだよ」

それから僕は中津と飯を食べて、仕事に戻って家に帰ってまったりして。

かりんの為に用意したものたちをまとめて飯を食って寝た。
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