竜の国の人間様

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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人間の魔法使い

おねだりは身体で※

 さっき湯浴みをしたばかりだというのに、すっかり興奮でじんわりと汗ばんでしまっている。いつになっても手を繋いだ先の、竜人特有の少し低い体温と比べて熱い自分の手が興奮を見せつける様で恥ずかしい。

 不意に繋いだ手が引き寄せられて、あっという間にバルトの腕の中に閉じ込められてしまった。

 チラリと興奮を隠す様に自分を見下ろすバルトの顔を見上げると、虹色に揺らめかせた切れ長の瞳を細めて僕を見つめてくる。ああ、いつだって見惚れるほどに綺麗だ。


 僕が魅入られた様に見つめていたせいか、それに気づいたバルトが微笑んだ。

 「…自分では見られないけれど、きっと見たことのない目の色をしているんだろうね。テディを見つめている時にしか出ない色だから。」

 確かに僕を見つめる時にバルトの瞳の色は変化をするし、まして今の様にこんなシチュエーションの時にしか見られない色がある。それは僕らの特別な秘密のひとつでもあって、バルトの言う番にしか許されないものなのかもしれない。

 僕は指先をバルトの頬にゆっくり這わして、その美しい揺らぎをじっと見つめた。

「僕を欲しがっているバルトが隠せない感情がこの瞳の色だとすると、僕は凄く嬉しい。だって、こんなに綺麗なのに僕だけのものなんだから。」


 バルトは嬉し気に笑みを浮かべて僕を抱き上げると、そのままベッドへと歩き寄ってゆっくりと僕を横たえた。

「テディが私を欲しがっているのも分かるよ。もう息が上がってるし、ほらこうして胸もドキドキしてる…。」

 夜着の合わせから入り込んだバルトの少し冷たい指先が悪戯っぽく胸を撫でると、僕の胸の先端がピクリと反応してしまう。思わず唇を軽く開いて吐息を逃せば、バルトの嬉し気な顔がゆっくりと重なった。


 柔らかに弄ぶ様に唇を何度も合わせながら、バルトの指先は忙しなく僕の弱い胸の先を摘んで押しつぶす。僕はその甘い快感に呻きながら、バルトの口の中に押し込もうと自分の舌を長く突き出した。

 焦らす様に僕の舌を揶揄いながら、それでもいつの間にかバルトの人一倍長い舌が僕の口の中の粘膜を縦横無尽に貪り尽くした。僕は夢中でバルトにしがみつきながらその甘い愛撫に応える。

 その絡めた指先が頭上のひんやりした角に触れると、それは微かに振動してバルトを低く呻かせた。

 
 太腿に押し付けられたバルトの漲る強張りは、今や形を変えて凶悪さを感じさせる。結局僕もすっかりこのバルトの竜人特有の二本のそれを楽しむ様になってしまっている。

「ああ、もっと触れてくれ。この番にしか見せない私の本能を味わって…。」

 僕はバルトの大きな手がゆっくりと自分の下半身を味わう様に撫で回すのを感じながら、バルトの頭を抱えてその美しい銀色に光る滑らかな角を舌で舐めまわした。


 僕が角を舐める度にバルトがビクリ身体を震わせるので、調子に乗ったのは自覚が無かった訳じゃない。後が怖いのでいつもならここまでする訳じゃないけれど、一緒に国境迄行きたかったせいもあっていつもより加減出来なかったのはそうだ。

「…テディ、もう爆発しそうだ。挿れても良いかい?」

 身体を起こして猛々しいその下半身を見せつけるバルトに、僕は舌舐めずりして両足を抱えた。

「バルトがさっきからクチュクチュするから、僕も欲しくて堪らないよ。…早くちょうだい?」


 美しくも凶悪な笑みを浮かべたバルトが、ゆっくりと確実に僕の二つの窪みにそれぞれを押し当てて押し込むと、僕はその強烈な快感に仰け反って甘く喘ぐことしか出来ない。

 今やすっかり産道という用途だけで無くなった僕のもうひとつの穴は、二人の夫によって快感を貪る様になってしまった。感じ方の違うそれぞれのいやらしい窪みは、香油と混ざり合った愛液で卑猥な水音を立てた。


 「あぁ…、凄い。テディの中、ぐちょぐちょだ。もっと解した方が良かったかと思ったけど大丈夫そうだね。」

「んぁっ!あっ、ねっ、やぁあっ!」

 いきなり激しく動き出したバルトに、僕は快感を叩き込まれて馬鹿みたいに善がるしかない。今や熱い二本の杭は僕の中の弱い部分を執拗に抉って、絶頂近くまで飛ばされてしまった。

「ばるとっ、もう、いっちゃうっ!」

 自分のものとは思えない甘い声音が部屋に響いて、でもそんな事に構っていられるほどの余裕も無かった。この身体をギリギリと絞って身悶えする、快感の先に辿り着くことしか考えられない。


 「んっ、テディ、気持ち良いよ…。あ゛っ、テディ一緒に…!」

 我慢出来ずに絶頂に放り出された僕の後を追いかける様に、バルトも僕をベッドに押さえ込んで畳み掛けた。怖いくらいの快感が僕の脳内を真っ白にさせて、同時にそれを終わらせる事を拒んだ。

 ただでさえ獣人竜人は人間に比べて精力過多で吐き出しも長いのに、二本使いの時のバルトは一度に出すわけじゃ無いのか、それが僕には永遠に感じられる。


 馬鹿みたいに喘がされて、僕はバルトが愛を囁くのを耳元で感じながらも返事をする気力も無かった。ああ、最高だけどもう無理よ…。

 やっぱり意識を飛ばしてしまったのか、僕はすっかり身体がさっぱりと綺麗になっているのに気づいて瞼をゆっくりと開けた。そんな僕に気づいたバルトは満足そうに満面の笑みを浮かべると、唇を合わせて囁いた。

「ああ、良かった。無理させちゃったかと心配になっていたところだ。テディはこんなに華奢だから、私のこの身体で追い込んだらこうなるのは分かっていたのに…。

 でも凄く良かったよ。テディに同時に受け入れられて、どんなに私が満たされてるか分かるかい?ああ、でも一本ずつの方が長く楽しめたかな?でも明日も学校だから無理は禁物だね?」


 僕は慌てて頷くと、ポーションを飲ませてくれる様に頼んだ。用意してあったのか、サイドテーブルに手を伸ばしたバルトは緑色に輝くそれを僕に手渡した。

 僕はそれを一気に飲んだ。このポーションは体力の回復と避妊作用がある。暗黙の了解として、僕らの中での取り決めの様なものだった。僕が飲み干した小さな瓶を受け取ったバルトは、僕を抱き抱えてドサリと横たると小さくため息をついて呟いた。

「…時々ロバートの気持ちを考えるんだ。三人の子供であるファルコンが可愛いければ可愛いほど、彼もやっぱり自分の血を分けた子供に会いたいだろうって…。

 もし私が反対の立場だったら、きっとその思いは強くなる一方だと想像出来るからね。」


 僕はバルトの首筋に唇を押し付けて、その輝く様な胸板を撫でながら答えた。

「僕もその事はずっと考えてる。ロバートがファルコンを可愛がっているのを見れば見るほど、ロバートに似た子供に会いたいなって思うし。…僕と結婚したせいで、二人には経験しなくても良い忍耐を強いてるのはよく分かっているんだ。

 僕ばっかり得してるのもね?」

 頭上でクスクス笑うバルトは、僕を引っ張り上げて顔を寄せて囁いた。


 「…確かに全然我慢してないとは言えないけどね?でもテディの側に居られる事の方が、そんな些細な事を吹き飛ばすくらいの価値があるんだ。もしそうで無かったら、私はこの甘い我慢さえ感じる事が出来なかっただろう。

 私を文字通り冷酷な青龍の運命から救ってくれて、熱い血潮を感じさせてくれたテディに感謝してるんだ。テディを愛するって事がこれほどまでに生きる喜びを与えてくれるなんて想像も出来なかった…。」


 僕はバルトの目尻が光っているのを見つめて胸がいっぱいになった。なんて言うかどんなに言葉を尽くしても言い表せないほど大きなものをバルトから受け取っているのはよく理解していたからだ。

「…バルト、僕も愛してる。バルトが僕のものなのは嬉しいし、僕もバルトのものだよ。」

「…ああ、私はテディのものだ。永遠に。」

 触れ合う唇が優しくて、僕は微笑んだ。愛は素敵だ。こんなにも身体の隅々まで喜びを感じるのだから。そして絶対的な安心感も。





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