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僕の居場所
パーカスの到着
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パーカスらしき姿が柵の向こうに見えて、僕は喜びに叫んだ。
「ぱーかちゅ!ぱーかちゅ帰ってきちゃ!」
立ちあがろうと思ったけどバルトさんに抱っこされていて、身動き取れない。眉を顰めた僕を見て、バルトさんが優しく微笑みかけた。
「テディはここで大人しく待っていなさい。さっきまで青ざめて居たんだから。ね?」
そう言うと、パーカスを迎えに玄関まで歩いて行った。僕が彼らを首を長くして待っていると、パーカスが疲れた顔をしながら僕の側までやって来た。
「テディ!バルトがちゃんと面倒を見てくれた様だな。良かった無事で。まったく肝を冷やしたぞ?」
僕はあの気味の悪い虫に取り付かれた時の恐怖と絶望を思い出して、思わず唇を震わせてしまった。
「ぱーかちゅ、抱っこ…。」
パーカスは少し戸惑ったものの、優しい顔をして僕の隣に座って抱きしめてくれた。やっぱりパーカスの腕の中は安心する。僕はすっかりパーカスの子供だった。
けれど僕の長い腕はパーカスの背中の膨らみを感じて、ハッとして身体を起こした。
「ぱーかちゅ、怪我ちた?だいじょぶ?」
僕が目を見開いて尋ねると、パーカスは顔を顰めて身体を動かした。
「ああ、大丈夫だ。まったく私としたことが、気を散らして爪を受けてしまったのよ。ブレート殿が所有するポーションを飲んだら、とりあえず飛べるほどには回復したがの。まぁしばらく養生は必要かもしれん。
…それよりテディは吸虫球に取り付かれたと聞いたのじゃが、傷を見せてごらん。」
僕は背中を向いて、パーカスが包帯を解くのを待っていた。刺激でヒリヒリして痛い。
「ふーむ、これは痛そうじゃな。バルト、薬草で処置をしてくれていたのか?そうか少し腫れがひいたのじゃな。…これを見てみろ。皮膚に細かな穴が開いている。細かな針の様なものを刺して魔素を吸い取るのかもしれんな。
流石に私の擦り傷程度を治す魔法では事足りぬ。ポーションを手に入れないと跡が残りそうじゃ。テディ、しばらく痛むかもしれないが、我慢できるかの?」
僕はコクリと頷くと、パーカスは家にあった薬草の軟膏を丁寧に塗ってくれた。じんわりと気持ち良い軟膏は痛みも熱さも吸い取る様だった。
それから新しい包帯で傷を覆うと、薄いキャミソール様なものを着せられた。
「…まったく、ローズはどうしてこんな夜着ばかり用意したのかの。…テディは何か食べたのか?」
テーブルに散乱していた食器を見てパーカスが尋ねた。
「うん。お腹ちゅいちゃって、バルトしゃんが作ってくれちゃの。あ、バルトしゃん食べちぇない…。バルトしゃんも、ぱーかちゅも、お腹ちゅいたね?」
自分だけ食べた事に気づいて、僕は急に恥ずかしくなった。バルトさんだって討伐に参加してたのに、休む間もなくここに飛んできたはずだ。僕が気まずい気持ちで空の食器を見つめていると、バルトさんがパーカスに言った。
「とりあえずテディに食べさせて元気にさせる事しか頭になくて。今から私が二人分作ります。宜しいですか?」
パーカスは僕の顔を見て、バルトさんに言った。
「バルトには借りができたのう。悪いがそうしてくれるか。…私も少々無理をした。」
僕は随分気分が良くなったので、顔色の悪いパーカスにソファで横になって貰うと、棚から強い酒を出して小さなグラスに注いだ。身体が大きくなるとこんな事も簡単で便利だ。グラスをパーカスに渡して言った。
「ぱーかちゅ飲んで。気付けぐちゅりよ。」
パーカスは微笑んでひと思いに飲み干すと、顔を顰めて大きく息を吐き出した。
「確かに生き返る。ははは、テディは妙な事を知っておるわい。」
僕は本に書いてあったと誤魔化すと、バルトを手伝いに行った。
「テディ、君もまだ病み上がりだ。座ってなさい。」
そう言われたものの、僕も何か役に立ちたかったし、今の僕なら何か出来るはずだった。ちびっこテディじゃないんだからね。僕は大丈夫だと言うと、魔鳥の卵を割ってオムレツを作る事にした。
塩胡椒を効かせてバターたっぷりのオムレツは、久しぶりに作った割に上手にできた。…久しぶりか。僕は結構料理出来るのかもしれないな。
バルトの焼いた魔鳥のステーキと、僕のオムレツ、そして保管箱から出したフランスパンの様な物をバターで炒めて、果物をかごに並べると、そこそこちゃんとした食卓になった。
パーカスを呼ぼうとソファの上を見ると、眠っているみたいだった。僕は近づいて小さな声で呼んでみたけれど、やっぱり眠ってる。僕はパーカスに掛け物を掛けると、台所のテーブルに戻って来た。
「ぱーかちゅ、眠っちゃった。疲れちゃね?バルトしゃん食べちぇ?」
結局僕はバルトさんが食べるのに付き合って、温かいミルの入ったお茶を飲んだ。僕はお茶を見つめながら呟いた。
「…ミル、ちんじゃった?」
僕がそう尋ねると、バルトさんは食事の手を止めて僕の方を見た。
「さっきパーカス殿と見て来たんだ。…後で一緒に見るかい?」
僕は、あの虫をもう一度見るのは怖いけれど、ミルを犠牲にしたとしたら結末を知らないといけない気もした。
「あの虫、ちんだ?」
僕の質問に、あっという間に食事を食べ終わったバルトさんが、やっぱり温かいお茶を飲みながら微笑んだ。
「実は吸虫球がミルに移動して直ぐ、私はテディを抱えてとりあえず急いで家に入って治療をしたから、放ったらかしにしてしまったんだ。だからミルにくっ付いていたのは見たが、すっかり忘れてしまってた。
さっき、パーカス殿と一緒に見たのだが、思わぬ事になっていたよ。テディにも見せてあげたいと思ってね、そのままにしてあるよ。」
何だか含みのある言い方だ。ミルは死んでないのかな?だったら良いな。あの虫も危ない感じでは無いのかな?僕はそんな仄めかされたら見に行かずにはいられない。とは言え、また取り付かれる様じゃ恐ろしくて近づけない。
「…こあい?」
するとバルトさんが楽しげに笑って言った。
「怖くは無いし、テディにとっては安全だよ。虫自体は死んでいるからね。」
そう聞いたら見に行きたい!僕はスルリと椅子から降りると、バルトさんに頼んだ。
「…いっちょ、行こ?」
バルトさんは嬉しげに僕の手を繋ぐと笑った。
「ああ、一緒に行こう。」
僕はクスクス笑ってバルトさんの手を引っ張って玄関に急いだ。ミルの植えてある庭を眺めると、ミルはまだ同じ場所にあった。でも何だか妙だ。
僕が恐る恐る近づくと、ミルは僕の知っているサイズの倍の大きさに膨らんでいた。えー?どう言う事?僕がちょっと唖然としていると、バルトさんはミルの側の地面を指差した。
そこにはあの虫だったかもしれないモノが転がっていた。虹色に光る魔石になって。というか虫の形の魔石だ。僕は思わずバルトさんを見つめて叫んだ。
「どゆことぉ!?」
「ぱーかちゅ!ぱーかちゅ帰ってきちゃ!」
立ちあがろうと思ったけどバルトさんに抱っこされていて、身動き取れない。眉を顰めた僕を見て、バルトさんが優しく微笑みかけた。
「テディはここで大人しく待っていなさい。さっきまで青ざめて居たんだから。ね?」
そう言うと、パーカスを迎えに玄関まで歩いて行った。僕が彼らを首を長くして待っていると、パーカスが疲れた顔をしながら僕の側までやって来た。
「テディ!バルトがちゃんと面倒を見てくれた様だな。良かった無事で。まったく肝を冷やしたぞ?」
僕はあの気味の悪い虫に取り付かれた時の恐怖と絶望を思い出して、思わず唇を震わせてしまった。
「ぱーかちゅ、抱っこ…。」
パーカスは少し戸惑ったものの、優しい顔をして僕の隣に座って抱きしめてくれた。やっぱりパーカスの腕の中は安心する。僕はすっかりパーカスの子供だった。
けれど僕の長い腕はパーカスの背中の膨らみを感じて、ハッとして身体を起こした。
「ぱーかちゅ、怪我ちた?だいじょぶ?」
僕が目を見開いて尋ねると、パーカスは顔を顰めて身体を動かした。
「ああ、大丈夫だ。まったく私としたことが、気を散らして爪を受けてしまったのよ。ブレート殿が所有するポーションを飲んだら、とりあえず飛べるほどには回復したがの。まぁしばらく養生は必要かもしれん。
…それよりテディは吸虫球に取り付かれたと聞いたのじゃが、傷を見せてごらん。」
僕は背中を向いて、パーカスが包帯を解くのを待っていた。刺激でヒリヒリして痛い。
「ふーむ、これは痛そうじゃな。バルト、薬草で処置をしてくれていたのか?そうか少し腫れがひいたのじゃな。…これを見てみろ。皮膚に細かな穴が開いている。細かな針の様なものを刺して魔素を吸い取るのかもしれんな。
流石に私の擦り傷程度を治す魔法では事足りぬ。ポーションを手に入れないと跡が残りそうじゃ。テディ、しばらく痛むかもしれないが、我慢できるかの?」
僕はコクリと頷くと、パーカスは家にあった薬草の軟膏を丁寧に塗ってくれた。じんわりと気持ち良い軟膏は痛みも熱さも吸い取る様だった。
それから新しい包帯で傷を覆うと、薄いキャミソール様なものを着せられた。
「…まったく、ローズはどうしてこんな夜着ばかり用意したのかの。…テディは何か食べたのか?」
テーブルに散乱していた食器を見てパーカスが尋ねた。
「うん。お腹ちゅいちゃって、バルトしゃんが作ってくれちゃの。あ、バルトしゃん食べちぇない…。バルトしゃんも、ぱーかちゅも、お腹ちゅいたね?」
自分だけ食べた事に気づいて、僕は急に恥ずかしくなった。バルトさんだって討伐に参加してたのに、休む間もなくここに飛んできたはずだ。僕が気まずい気持ちで空の食器を見つめていると、バルトさんがパーカスに言った。
「とりあえずテディに食べさせて元気にさせる事しか頭になくて。今から私が二人分作ります。宜しいですか?」
パーカスは僕の顔を見て、バルトさんに言った。
「バルトには借りができたのう。悪いがそうしてくれるか。…私も少々無理をした。」
僕は随分気分が良くなったので、顔色の悪いパーカスにソファで横になって貰うと、棚から強い酒を出して小さなグラスに注いだ。身体が大きくなるとこんな事も簡単で便利だ。グラスをパーカスに渡して言った。
「ぱーかちゅ飲んで。気付けぐちゅりよ。」
パーカスは微笑んでひと思いに飲み干すと、顔を顰めて大きく息を吐き出した。
「確かに生き返る。ははは、テディは妙な事を知っておるわい。」
僕は本に書いてあったと誤魔化すと、バルトを手伝いに行った。
「テディ、君もまだ病み上がりだ。座ってなさい。」
そう言われたものの、僕も何か役に立ちたかったし、今の僕なら何か出来るはずだった。ちびっこテディじゃないんだからね。僕は大丈夫だと言うと、魔鳥の卵を割ってオムレツを作る事にした。
塩胡椒を効かせてバターたっぷりのオムレツは、久しぶりに作った割に上手にできた。…久しぶりか。僕は結構料理出来るのかもしれないな。
バルトの焼いた魔鳥のステーキと、僕のオムレツ、そして保管箱から出したフランスパンの様な物をバターで炒めて、果物をかごに並べると、そこそこちゃんとした食卓になった。
パーカスを呼ぼうとソファの上を見ると、眠っているみたいだった。僕は近づいて小さな声で呼んでみたけれど、やっぱり眠ってる。僕はパーカスに掛け物を掛けると、台所のテーブルに戻って来た。
「ぱーかちゅ、眠っちゃった。疲れちゃね?バルトしゃん食べちぇ?」
結局僕はバルトさんが食べるのに付き合って、温かいミルの入ったお茶を飲んだ。僕はお茶を見つめながら呟いた。
「…ミル、ちんじゃった?」
僕がそう尋ねると、バルトさんは食事の手を止めて僕の方を見た。
「さっきパーカス殿と見て来たんだ。…後で一緒に見るかい?」
僕は、あの虫をもう一度見るのは怖いけれど、ミルを犠牲にしたとしたら結末を知らないといけない気もした。
「あの虫、ちんだ?」
僕の質問に、あっという間に食事を食べ終わったバルトさんが、やっぱり温かいお茶を飲みながら微笑んだ。
「実は吸虫球がミルに移動して直ぐ、私はテディを抱えてとりあえず急いで家に入って治療をしたから、放ったらかしにしてしまったんだ。だからミルにくっ付いていたのは見たが、すっかり忘れてしまってた。
さっき、パーカス殿と一緒に見たのだが、思わぬ事になっていたよ。テディにも見せてあげたいと思ってね、そのままにしてあるよ。」
何だか含みのある言い方だ。ミルは死んでないのかな?だったら良いな。あの虫も危ない感じでは無いのかな?僕はそんな仄めかされたら見に行かずにはいられない。とは言え、また取り付かれる様じゃ恐ろしくて近づけない。
「…こあい?」
するとバルトさんが楽しげに笑って言った。
「怖くは無いし、テディにとっては安全だよ。虫自体は死んでいるからね。」
そう聞いたら見に行きたい!僕はスルリと椅子から降りると、バルトさんに頼んだ。
「…いっちょ、行こ?」
バルトさんは嬉しげに僕の手を繋ぐと笑った。
「ああ、一緒に行こう。」
僕はクスクス笑ってバルトさんの手を引っ張って玄関に急いだ。ミルの植えてある庭を眺めると、ミルはまだ同じ場所にあった。でも何だか妙だ。
僕が恐る恐る近づくと、ミルは僕の知っているサイズの倍の大きさに膨らんでいた。えー?どう言う事?僕がちょっと唖然としていると、バルトさんはミルの側の地面を指差した。
そこにはあの虫だったかもしれないモノが転がっていた。虹色に光る魔石になって。というか虫の形の魔石だ。僕は思わずバルトさんを見つめて叫んだ。
「どゆことぉ!?」
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