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成長期?
ロバートside翻弄されて
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唖然とさせられるとは、こんな状況を言うのだろうか。狐獣人だけで構成されているチームとは珍しいと思い眺めていると、目が合った一人はどう考えてもテディの眼差しだった。
テディは悪戯が見つかったかの様に、口元を緩めるとさっさと競技を始めるべく集合してしまった。
『…あんな子居たかな?』『可愛い子だ。狐族のチーム?』
一人だけ獣化してる様なその頭が妙に目立って、さっそく周囲が注目している。
俺はテディがどの種目に出るのか知らなかったが、まさか騎鳥に参加するとは思いもしなかったので、すっかり落ち着かなくなってしまった。テディなら魔法競技に出るものだとばかり思ってたからだ。
荒っぽい騎鳥の競技で、あの小柄な三人が一体どうやって騎士志望の奴らと張り合えると言うのだろう。そんな心配を他所にテディたちは存外上手く競技をこなしていた。
ダダ鳥の統制は目を見張るものだったし、そのお陰で敵を翻弄する戦略も上手くいっていた。最も三人がパッと見似た様な姿だったせいで、惑わされる面もあったに違いない。
そう、実に戦略的なチームだった。身体の脆弱さを上手くカバーしていたと言わざるを得ない。けれども時間の経過とともに、敵も目が慣れたのか本来の力を発揮し始めていた。
テディを二人の敵が追いかけ始めたのを見て、思わず立ち上がってしまったのは仕方がないだろう?
テディから放たれた素晴らしい水魔法が敵の一人の足元を乱した時は場内がどっと湧き上がったけれど、一番実力のある大型猫科獣人の敵がテディを追い詰めた。
一騎打ちとなったその瞬間、強い振りがテディの身体に入って、観客の低いどよめきが響いた。ダダ鳥から吹っ飛ばされずにいたのが不思議なくらいだったが、こらえた次の瞬間、テディの返す反応で相手の肩にしなる棍棒がめり込んだ。
思わず握り拳を突き上げるところだったが、直ぐに合流した味方と乱闘になって、どうなっているのかまるで分からなくなった。
競技の終了を告げる鐘の音で、それぞれのチームがダダ鳥から降りて中央に集合すると、どう考えてもテディが身体を強張らせている様に見えた。思わず観客席から早足で移動して場内に降り立つと、脇に手を置いて苦しそうだ。
案の定倒れ込む様に俺の腕の中に収まったテディは、目も開けていられないくらの苦痛で顔を歪めていた。
心配のあまり思わず出た俺の八つ当たりの様な小言に、何も言わずに顔を顰めるテディを、注目を浴びているのも構わず運んで行った。
結局骨は折れてはいなかったが酷い打ち身の診断が出て、すっかり萎れたテディを家まで送っていく事になった。
本当に腹が立つ。無謀で考えもしない事をやってしまうその行動力。それはテディの魅力の一つだったけれど、側で見てる方はハラハラしっぱなしだ。
少し疲れた顔をして俺を見上げるテディの、見た事のない可愛らしい耳つきの表情を見下ろすと、愛しさとやはり苛立ちが湧き上がってきた。
私の苛立ちに反応したテディが、慌てて偽装耳を取ろうとして痛みに顔を顰めると、私は膝立ちで取るのを手伝った。実際侍女たちの手助けで作くられたその偽装耳は良くできていた。
…しかし何も獣化した様に作らなくても良かったのに。
テディはどうも獣化すると言う事が一体どう言う事なのかをあまり理解していない。閨で酷く興奮した時に出るその本能の綻びは、羞恥心と興奮の最たるものだ。
だからこんな偽装耳をテディが身につけたのを見た彼らが、何を思い浮かべたかは想像に難くない。そして楽しげに説明をしていたテディが言い淀んだ事を、思わず自分から当て擦りのように言ってしまったのも大人げなかったのだろう。
ああ、発情期の事も気になるが、それよりもやはり目の前で可愛らしい仕草、表情、そしてその甘い眼差しを見ていると、俺はすっかり弱々しい気持ちになって、泣き言の様な本音を曝け出してしまっていた。
それからテディが見せてくれたのは、一体何だっただろう。頬に触れる柔らかな感触に目を見開くと、そこには大人びた眼差しのテディが居た。崇める様に唇を合わせると、甘くため息をついたテディがゆっくりと蕩け出して、私を受け入れているのを感じて馬鹿みたいに舞い上がった。
ああ、今まで感じていた他の奴らへの嫉妬心など、この甘い時間が尊過ぎてどうでも良くなる。抱き寄せれば、想像よりもしなやかな身体に成長を感じた。
しかしどうしてテディはこんなにも疼く様な甘い匂いがするのだろう。
テディが痛みの声を漏らして、私はハッとした。そう言えば脇腹を負傷していた。そっと寝かせて服を捲ると、打ち身の部分が少し赤らんでいた。
きめの細かな美しい肌に唇を押し当てると、それだけじゃもうすっかり物足りない。私は意味もなく赤みを舐めた。この痛みが早く治ります様にと願いを込めて。
けれどもテディがため息混じりの可愛い声を漏らすと、俺はハッとして横たわったテディを見下ろした。赤らんだ顔ではだけた胸元を手で隠すその姿は、あられもなくて俺の股間を直撃した。
さっき指先に触れたのは、やはりテディの胸のしこりだった様だ。俺の下から潤んだ瞳で俺を見上げるテディが愛しすぎて、俺は思わず舐めて欲しいのかと、自分から望んで欲しいとばかりに確認を取ってしまう。
慎重になって、そんな甘い空気をぶち壊す様な青臭い事をしてしまうのも、テディに嫌われたくない一心だった。
だからテディの赤い唇から、ため息まじりの『舐めて…。』が聞こえた時、俺はドクンと心臓が締め付けられて死ぬかと思った。実際踊り上がっている脈が俺を朦朧とさせる。
俺がテディのツンと尖った胸の果実を咥えて、舐め回して吸い上げると、ビクビクとテディが震えるのが可愛くて堪らない。一方で痛みを感じる脇腹も気になる。
そうは言っても、止める事など出来もしないのだ。
テディがもじもじと太腿を擦り合わせる仕草を見せると、俺の葛藤は極まった。俺はムクリと起き上がると、テディの視線を感じながらテーブルの上のポーションを手に取るとひと息に口に含んだ。
それからテディに覆い被さると、柔らかく唇を開けたテディに少しづつ飲ませた。テディが素直にコクコクと飲むのが何とも言えない気持ちにさせられる。
「…これで痛みが少しマシになるだろう?」
俺がそう呟くと、テディは明るい緑色の瞳を見開いて、照れた様に顔を背けた。俺はその白っぽい首筋に唇を押し当てて舌を這わせると、やっぱりテディは甘く呻きながら俺の背中に手を回した。
布きれは腕に巻き付いて、柔らかな裸体が目の前に差し出されて、俺は何処からテディを味わうべきか迷うほどだった。
その甘い唇か、匂いの強い首筋か、身体を震えさせる赤らんで硬くなった二つの果実か。俺はもう余計な事を考えずに、テディの甘い声の教えるままに唇と舌でそれぞれを味わった。
「あ…、んっ、ああっ!」
口の中で硬くなった小さな粒を転がすと、布を押し上げているテディの股間が俺の腹に押しつけられる。ああ、もうダメだ。俺は空いた手でテディの身体を抱きしめると、それを俺の身体で押し潰した。
途端にビクンと身体をしならせて、テディは眉を顰めて甘くため息をつく。焦ったいのか無意識に身体をモゾモゾさせるのが可愛くて堪らない。
俺は身体を引き剥がして、息を整えてテディを抱き上げた。それから訴える様なテディと瞳を絡ませると掠れた声で尋ねた。
「…テディの部屋はどこ?」
☆2024年もよろしくお願いします♡
お年玉企画として、新作BL短編(数話予定)を昨日から公開開始しました✴︎
『奇病に罹った俺、詰んでいる』
BLファンタジーのオメガの様な症状が現れる通称”オメガ症候群“に罹ってしまって、ある意味詰んでる大学生の俺が、親友に追求されて秘密が発覚。そしてなぜか親友に絡め取られちゃう楽しいお話です😆
楽しんでいただければ嬉しいです!
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ダダ鳥の統制は目を見張るものだったし、そのお陰で敵を翻弄する戦略も上手くいっていた。最も三人がパッと見似た様な姿だったせいで、惑わされる面もあったに違いない。
そう、実に戦略的なチームだった。身体の脆弱さを上手くカバーしていたと言わざるを得ない。けれども時間の経過とともに、敵も目が慣れたのか本来の力を発揮し始めていた。
テディを二人の敵が追いかけ始めたのを見て、思わず立ち上がってしまったのは仕方がないだろう?
テディから放たれた素晴らしい水魔法が敵の一人の足元を乱した時は場内がどっと湧き上がったけれど、一番実力のある大型猫科獣人の敵がテディを追い詰めた。
一騎打ちとなったその瞬間、強い振りがテディの身体に入って、観客の低いどよめきが響いた。ダダ鳥から吹っ飛ばされずにいたのが不思議なくらいだったが、こらえた次の瞬間、テディの返す反応で相手の肩にしなる棍棒がめり込んだ。
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