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衝撃
パーカスの考え
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「テディのお腹の子供がどちらの子かは今はまだ置いておくとして、現実問題テディと私たちは一緒に住むべきだと思います。妊娠中のテディを一人で放っておくことなど出来ません。」
真剣な顔をしたバルトさんがそう言ったけれど、僕ははてと首を傾げた。
「僕は一人になる訳じゃないよ。寮生活が終われば、ここに戻って来るからね?もし心配なら、バルトさん達がここに来れば良いんじゃない?大体、王国騎士団って遠征も多いし、王都に居ないことも多いでしょう?僕はパーカスやセバスの居るここの方が安心なんだけど。」
するとパーカスが二人を憐れむ様な眼差しで見つめてから、僕に微笑んだ。
「二人も分かっておるじゃろうが、テディは弱冠20歳の子供なのじゃよ。そして番の概念を持たぬ人間じゃ。一番に優先するのは、慣れた環境で過ごす事の方が身体に負担の掛かるテディにとっては良いと言うことじゃな。
とは言え、お主達の気持ちも分からなくはない。良かったら私に任せて貰えぬか?落とし所を見つける事にしようかのう。」
パーカスにそう言われては、二人もこれ以上無理を言うことなど出来なかった。
「テディは私達と一緒に暮らしたくないのか?」
ロバートにお姫様抱っこされながら部屋に戻っている途中そう尋ねられて、僕はご機嫌斜めな水色の瞳を覗き込んだ。
「…僕にそんな余裕ないんだよ。人間の男が妊娠するなんて事はあり得ない話で、だからこれからどうなるかって事も予想つかないし。一番問題なのは、もしお腹の子が人間だとすると凄く大きくなる可能性あるって事だよ。
そうなったらどうやって産むのか見当もつかないよ…。僕、怖いよ。」
僕の言葉に、ロバートとバルトが顔を見合わせるのが分かった。彼らだってリアルな出産にはそう詳しい訳じゃないだろう。
「私たちが悪かった。テディが孕って浮かれてしまったんだ。一番はテディの気持ちが大事なのに。すまなかった。」
そう言いながらバルトさんに手を握られて、僕はニッコリ微笑んだ。
「ううん。そんなに二人が喜んでくれるとか考えもしなかったから、正直嬉しいよ。ふふ、なんか凄い過保護になりそうで、今からちょっと怖いかも。」
するとロバートがため息をついて抱き直して言った。
「…テディは俺達の想いをまだ良く分かっていないみたいだ。まぁ、おいおいしっかり分からせてやらないとな。」
…うん?何か怖い事言われなかった?チラッとロバートを見上げたけれど、ニヤリと微笑まれてそれ以上は何も言わなかった。ま、良いか。
部屋に着いてベッドに放り込まれた後は、二人のおやすみのキスを感じる隙もないくらいあっという間に睡魔に連れてかれてしまったので、セバスに起こされて目を覚ました時はもう二人は部屋に居なかった。
確かにこうして側に二人が居なくて寂しいのは僕も同じだと、ちょっと分かる気がした。
食堂に降りて行くと、パーカスが大きな図面を手にしていた。まるで設計図の様なそれを覗き込んだ僕はパーカスにそれが何なのか尋ねた。
「私が一番良い案を考えると言ったじゃろうに。この屋敷を増改築してテディ用の離れを造ろうかと思ったのじゃよ。急いで造れば、1~2カ月で出来るじゃろう。普段使っていない側の棟を利用すれば生活にはそこまで影響がないじゃろうの。
流石に愛する者の妊娠中に別居生活は、あ奴らにも同情の余地はあるからのう。いずれにせよ、出産後もテディは学生じゃからの、テディが気を許した者が多いこの屋敷で赤ん坊を育てるのが正解じゃろう?
私も騎士団は引退しても良いのじゃ。ローズの時は任務が多くて無理じゃったが、今なら祖父として孫育ても楽しそうじゃ。」
そう言って嬉しそうににこにこしているので、僕はクスクス笑ってパーカスの肩に手を置いた。
「すっかり張り切ってるね、おじいちゃん?僕も不安しかないからパーカスの側に居られるのは本当助かるんだ。ロバートもバルトも遠征や突発的な召集があるって事は僕も分かってるから。
でも、実際未知のこと過ぎて不安しかないよ…。僕本当に子供を産むの?」
肩に置いた僕の手をぎゅっと握ったパーカスは、僕にウインクして言った。
「テディには私や、あ奴らが付いておるじゃろう?万が一の時には龍神様もな…。心配ばかりしていては体調も良くならんぞ。さぁ朝食にしよう。」
結局それから大規模な増改築が入る事になって、僕は部屋の間取りやらをパーカスと専門家と頭を突き合わせて考える事になった。僕らのエリアは必要に応じて完全に遮断も出来るので、ある意味新婚用と言っても良い造りになりそうだった。
「分かりました。ここが若い夫婦達のスペースになるのですね。では内装もそれに相応しいものにいたしましょう。ええ、ええ、勿論私にお任せ下さい。三人と言うのは全然無い話では無いのでね?実績のある私の所に任せて頂いて良かったです。」
そう営業トークを繰り出してにこやかに微笑む孔雀族のチェーカーさんの服装をチラッと見て、僕は内心ホッとしていた。孔雀族の割に服装が落ち着いている。あまりにも甘々な部屋にさせられたらどうしようかと危惧したんだ。
辺境の町の仕立て屋さんに、散々可愛い服を作られた記憶が僕を警戒させた。もっとも僕にはインテリアや構造的な知識など皆無だったので完全にお任せにするしか無かった。
確かに起きていると眠いし、何となくふらつく気もするので、僕はすっかりダメ人間としてベッドに転がっていた。流石に食事はパーカスと食べたけれど、呼ばれないといつまでも部屋でウトウトし続けた。
湯浴みすると気分が良くなるので、僕は暇に空かせて1日に二度お湯を使った。夜になるとロバートかバルトさんがやって来て身体を洗ってくれるので、僕は本当に怠惰な人間に成り果てていた。
「ここに赤ん坊が居るとか今でも信じられない…。」
そう、恐る恐る僕のお腹を泡立てた手で撫でるバルトさんに、僕はクスクス笑った。
「ふっ、擽ったいよ。…あっ、ね…。そこには赤ちゃん、居ない…よ。」
バルトさんの手がスルリと僕の脚の間に下りて来て、ぬちぬちと弄るから僕の身体は直ぐにピクリと反応してしまう。眠いけれど、性欲が落ちた訳じゃないのは誰にも言えて無かった。むしろどちらかと言うと…。
耳元でクスクス笑うバルトさんの息遣いに煽られて、僕はもう一方のバルトさんの手を掴んで自ら胸元へ誘導してしまう。途端にバルトさんが本気を出して来たのか、後ろから覆い被さる様に僕の唇をうばった。
バルトさんの身体をなぞる指や手のひらに、僕はビクビクと反応してしまう。自分の甘える様な声が響いて、僕はますます興奮してしまった。
「…テディ、愛してる…。ああ、可愛くてめちゃくちゃにしてしまいそうだ。…それにいつもより感じてるみたいだ。」
口ではそんな事を言いながら僕に触れる手は優しかった。けれどもそれがまた僕を焦れさせて、僕は向き直るとすっかり物々しく迫り上がっているバルトさん自身を両手で掴んだ。
「凄い…。何かいつもより大きい?」
するとバルトさんは興奮で強張った表情を浮かべて、僕の手の中にそれを押し付けながら腰をゆっくり動かした。
「テディが孕んだと知ってからずっと興奮してるんだ。竜人の番への愛は、そう言うものだから。」
僕は思わずバルトさんに口づけを強請って、ヌルついた口の中に舌を突き立てた。ああ、僕だって征服欲はあるんだ。この湧き上がる熱を発散しないとどうにかなってしまいそうだ。
「ね、ベッドへ行こう?バルトさんのこれ、僕にちょうだい?」
★『イバラの鎖』毎日更新中です♡
いよいよ無意識に周囲を振り回して来た主人公が、義兄上のいる王都へ進学。やっと本編⁉️
二人の関係がどう変化するのか見守って下さい!全然すんなり行かない気がする…!ドロドロします!(何の決意表明!?)
よろしくお願いします🩷
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面白かったら是非投票の方、なにとぞよろしくお願いします😊
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するとパーカスが二人を憐れむ様な眼差しで見つめてから、僕に微笑んだ。
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ロバートにお姫様抱っこされながら部屋に戻っている途中そう尋ねられて、僕はご機嫌斜めな水色の瞳を覗き込んだ。
「…僕にそんな余裕ないんだよ。人間の男が妊娠するなんて事はあり得ない話で、だからこれからどうなるかって事も予想つかないし。一番問題なのは、もしお腹の子が人間だとすると凄く大きくなる可能性あるって事だよ。
そうなったらどうやって産むのか見当もつかないよ…。僕、怖いよ。」
僕の言葉に、ロバートとバルトが顔を見合わせるのが分かった。彼らだってリアルな出産にはそう詳しい訳じゃないだろう。
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そう言いながらバルトさんに手を握られて、僕はニッコリ微笑んだ。
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するとロバートがため息をついて抱き直して言った。
「…テディは俺達の想いをまだ良く分かっていないみたいだ。まぁ、おいおいしっかり分からせてやらないとな。」
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