竜の国の人間様

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
186 / 217
衝撃

疼き※

しおりを挟む
 ベッドに宝物の様に下ろされて、僕は燃える様な疼きを感じながらバルトさんに手を伸ばした。そんな僕の手を握りつつも、バルトさんは僕を蕩ける様な眼差しでまだ見ている。

「…テディは元々色っぽい身体だけど、なんて言うかまた一段と光り輝く様だ。それは妊娠していると知っているせいなのか分からないけど。ああ、全身に口づけたい。」

 そんな事をぶつぶつ言うバルトさんに呆れて、僕はグイと手を引っ張って言った。


 「ねぇ、実行に移してくれて全然構わないんだよ?バルトさん。」

 するとニヤリと笑ったバルトさんは、繋いだ僕の手を辿る様に唇を移動させて僕の肩の先を長い舌でなぞると、期待する僕の耳下を甘やかに舐った。

「テディの興奮した匂いが堪らないし、テディが私を欲しがって張り詰めているのを永遠に見ていたい気持ちだ。」

 僕はバルトさんの身体を両手で抱き寄せて、引き締まった硬い身体に脚を絡めながら呻いた。

「見てるだけじゃ嫌だ…!可愛がってくれないと、もう待てないよ。」


 途端にバルトさんの本気の指先が僕の胸のてっぺんを摘んでクニクニと弄るので、下半身に向かう快感に甘く喘いでしまう。

「ここもきっと、もっと赤い果実の様に色づいて大きくなるのかもしれない。ああ、そうしたらどんなに色っぽい事だろう。」

 相変わらず僕の身体の変化を夢想するバルトさんに思わず笑みを浮かべてしまって、僕はバルトさんの顔を両手で挟んで触れるか触れないかの距離で囁いた。

「そんなに僕が妊娠したのが嬉しい?…もしバルトさんの子供じゃなくても?」


 するとバルトさんは僕をぎゅっと引き寄せて息も奪う様な口づけをした。

「たとえロバートとの子供だと分かっても、私はこの子を愛するよ。最愛のテディが産む子供は誰との子供であろうと、私たちの子供だ。それはロバートも一緒だろう。それにとっくにこの子を愛してるから…。」

 僕はバルトさんとロバートの葛藤を超えた愛情に感動して、喉が締め付けられた。ああ、二人の愛は僕の想像を超えてる。僕はこの二人から与えられる以上の愛をどう返せばいいのかな。


 身体がいつもより敏感なのは妊娠してるせいかもしれないし、バルトさんの愛情を感じて胸がいっぱいのせいもあるかも知れない。四つん這いになった僕の後ろに顔を寄せたバルトさんが疼く窄みを舐めはじめて、僕はシーツを握り閉めて快感に呻いた。

 ところがバルトさんが不意に動きを止めるので、僕は焦らされているのかとため息混じりに腰を揺らして続きを強請った。

 指先で窄みと昂ったそれの間を何度かなぞられて、僕はそのゾクゾクする様な甘ったるい心地良さに切れ切れに喘いでしまう。

「テディ、なんかここ…。」


 ところが少し慌てた様なバルトさんの声がして、僕は肩越しに後ろを振り返った。まだバルトさんは指を動かしながら真剣な表情で僕のそこを見つめている。

「んっ、…何?どうかした?」

 ハッとして顔を上げたバルトさんは戸惑った様子で僕の顔を見て言った。

「…テディも見てご覧。ちょっと説明が難しいんだ。」

 とは言え、僕がそこを覗き込むのは難しかった。バルトさんに指を取られて会陰部分をなぞると、なぜか何も無いはずの場所に指が食い込む。少し窪みが出来ているように感じるけれど、まさかね…?


 「男が豊穣の種子を元に出産する時は、後ろの窪みからだと習ったが、これはどう言う事だろう。まるで女の様なそれに思えてならない。勿論こちらの窪みは指一節程度の浅いものだが…、少し濡れるのが分かるかい?」

 僕は自分の身体の事だと言うのにすっかり怖気付いて、触れるのも怖くなってしまった。

 確かに僕も男の出産は後ろの窪みからだと習ったし、だからこそ男の出産は難産になると言う話だった。ただ種族には寄るものの、大概は獣化や幼竜していて小さく産まれるものだから、それも可能なのだと理解していた。


 僕は人間だ。人間は人間しか産めないとしたら?あの大きな赤ん坊を産むには女のような産道が必要だ。メダがそこまで考えていたかは分からないけれど、さっき触れた場所の変化を考えると…。

 僕が不安げな表情でいたせいだろう。バルトさんが僕をぎゅっと抱き寄せて顔中に唇を押し当てて囁いた。

「テディ、心配は要らない。何が起きても、テディにとって悪いことなどひとつもあるわけがないだろう?龍神様が大事なテディの困る様な事をする訳ないからね。きっと必要だからそうなると考えるのが自然だ。」


 僕はバルトさんの腕の中に包まれて慰められているうちに、不安は拭えなかったものの、それが事実の様に感じ始めていた。まったくメダは何の説明もなくて僕を困らせる。

 それにバルトさんの身体は依然として興奮状態を維持していて、僕はそれに煽られたのか、一瞬忘れていた疼きが舞い戻って来た。

「…すまないテディ。テディが不安がっていると言うのに、私の身体は言う事を聞かないんだ。無視してくれて良いからね?」


 僕を気遣ってくれるバルトさんを愛しく思って、僕は自分から裸の身体を押し付けて口づけを強請った。

「もし産道が出来始めているのならちょっとびっくりだけど、それはそれ、これはこれ。でしょ?実は妊娠してから、僕酷く疼くんだ。だから、お願い…。」

 するとバルトさんは僕の口の粘膜を舌先でチロチロとなぞりながら、僕の持ち上がったあそこを指先でゆっくりなぞりはじめた。ああ、凄く気持ち良い。


 背中をなぞり下ろしたもう一方の指がお尻を掴んで撫で回し、二つの丘の割れ目に辿り着く頃には、僕は背中を反らして今か今かと待ちかねていた。ツプリと指を挿れられた瞬間、僕はその気持ち良さに甘い息を吐いた。

「…テディ、凄い敏感だね。ここも何て言うか柔らかくて…。あまり激しくならない様に気をつけるから私に愛させてくれる?」

 ああ、もう良いから突っ込んで掻き混ぜて!

 僕は妙に凶暴な気持ちになってバルトさんにのし掛かると、慌てるバルトさんを少し面白く思いながら、それでも天を仰いでいる、凶悪で見てるだけで涎の出そうなバルトさん自身をゆっくり埋め込んで行った。…ああ、これ…。僕はこれが欲しかった…!


















しおりを挟む
感想 119

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

大好きな獅子様の番になりたい

あまさき
BL
獣人騎士×魔術学院生 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ カナリエ=リュードリアには夢があった。 それは〝王家の獅子〟レオス=シェルリオンの番になること。しかし臆病なカナリエは、自身がレオスの番でないことを知るのが怖くて距離を置いてきた。 そして特別な血を持つリュードリア家の人間であるカナリエは、レオスに番が見つからなかった場合彼の婚約者になることが決まっている。 望まれない婚姻への苦しみ、捨てきれない運命への期待。 「____僕は、貴方の番になれますか?」 臆病な魔術師と番を手に入れたい騎士の、すれ違いラブコメディ ※第1章完結しました ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 長編です。お付き合いくださると嬉しいです。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

黒豹拾いました

おーか
BL
森で暮らし始めたオレは、ボロボロになった子猫を拾った。逞しく育ったその子は、どうやら黒豹の獣人だったようだ。 大人になって独り立ちしていくんだなぁ、と父親のような気持ちで送り出そうとしたのだが… 「大好きだよ。だから、俺の側にずっと居てくれるよね?」 そう迫ってくる。おかしいな…? 育て方間違ったか…。でも、美形に育ったし、可愛い息子だ。拒否も出来ないままに流される。

処理中です...