委員長は密かにモブに執着する

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
60 / 104
カップルの定義

これ知ってる※

しおりを挟む
 僕がぼんやりした頭でキヨくんにこの苦しさから解放してほしくて頼んだせいなのか、キヨくんはおもむろに身体を離すと、床に置いてあった何かを持ち上げた。それは何かボトルの様なもので、そこからドロリとしたジェルの様なものを手のひらに出した。

「これ使って、一緒に気持ちよくなろう。玲も二人一緒の方がいいだろう?」

 僕は何が起きるのか分からなかったので、キヨくんに任せるつもりでコクリと頷いた。するとキヨくんは濡れてない方の手で自分のボクサーショーツをずり下げると、すっかり興奮して臍に向かって持ち上がっている自身にそれを塗りつけた。それは何だか、ドキドキする様な光景で、僕はゴクリと唾を飲んだ。


 それから壁を背に寄り掛かると、僕を呼んだ。

「玲。俺に跨って。」

 僕は恥ずかしさより、何だか未知の領域への好奇心の方が勝って、いそいそとキヨくんの言う通りに、足の間に腰を降ろした。するとキヨくんの空いた手で腰をグッと引き寄せられて、僕はキヨくんに寄り掛かった。

 下の方で、僕自身とキヨくんのそれを一緒に掴まれて、ヌルついたキヨくんの手でこね合わされてしまった。ぬちゃぬちゃと部屋に響く音がいやらしくて、僕は一気に頭が熱くなってしまった。


 これは聞いたことがある。確かカブト何とかって言うやつじゃないのかなって、そんな冷静な考えはあっという間に霧散してしまった。この状況とキヨくんに覆われた唇とが、気持ちよくて、いやらしくて、僕はキヨくんの口の中を自分の舌でなぞりながら、もう直ぐにでも逝ってしまいそうだった。

 ゆるゆると擦り合わされるのは焦らす様だったけれど、さっきから高まっていた身体はもう我慢できなかった。僕はキヨくんの首筋に顔を押し付けながら呻いた。

「あ、んんっ。キヨくんっ、僕もう無理っ。ああっ!」


 キヨくんが僕をぎゅっと抱きしめると、食らいつく様なキスを落として、刺激を早めたから堪らなかった。思わずキヨくんに抱きつく手に力が入っちゃって、僕は腰をへこへこと動かしていた。

 絞る様な快感で、僕は思わず大きな声で叫んでしまった。ビクンビクンとしなる身体に、キヨくんが大きく呻いて温かい飛沫を僕に掛けた。キヨくんが握った二人の昂りはグチュグチュとゆっくりと撫で擦られて、僕は終わらない快感に腰をひくつかせるしかなかった。

 ああ、こんな気持ちいいの、僕初めてかもしれない。そう思ってキヨくんを見上げると、キヨくんは優しい顔をして、僕の唇を啄んで言った。


「俺、今日の事、一生忘れないから。大好きだ。…玲が可愛くてたまらない。」

 僕はまだ自分のものに、キヨくんが触れているのを感じながらも、キヨくんの首に抱きついて囁いた。

「僕も、…キヨくんが大好きだよ。」
しおりを挟む
感想 86

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

「イケメン滅びろ」って呪ったら

竜也りく
BL
うわー……。 廊下の向こうから我が校きってのイケメン佐々木が、女どもを引き連れてこっちに向かって歩いてくるのを発見し、オレは心の中で盛大にため息をついた。大名行列かよ。 「チッ、イケメン滅びろ」 つい口からそんな言葉が転がり出た瞬間。 「うわっ!?」 腕をグイッと後ろに引っ張られたかと思ったら、暗がりに引きずり込まれ、目の前で扉が閉まった。 -------- 腹黒系イケメン攻×ちょっとだけお人好しなフツメン受 ※毎回2000文字程度 ※『小説家になろう』でも掲載しています

思い出して欲しい二人

春色悠
BL
 喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。  そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。  一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。  そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。

俺の体に無数の噛み跡。何度も言うが俺はαだからな?!いくら噛んでも、番にはなれないんだぜ?!

BL
背も小さくて、オメガのようにフェロモンを振りまいてしまうアルファの睟。そんな特異体質のせいで、馬鹿なアルファに体を噛まれまくるある日、クラス委員の落合が………!!

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される

Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。 中1の雨の日熱を出した。 義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。 それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。 晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。 連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。 目覚めたら豪華な部屋!? 異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。 ⚠️最初から義父に犯されます。 嫌な方はお戻りくださいませ。 久しぶりに書きました。 続きはぼちぼち書いていきます。 不定期更新で、すみません。

蒼い炎

海棠 楓
BL
誰からも好かれる優等生・深海真司と、顔はいいけど性格は最悪の緋砂晃司とは、幼馴染。 しかし、いつしか真司は晃司にそれ以上の感情を持ち始め、自分自身戸惑う。 思いきって気持ちを打ち明けると晃司はあっさりとその気持ちにこたえ2人は愛し合うが、 そのうち晃司は真司の愛を重荷に思い始める。とうとう晃司は真司の愛から逃げ出し、晃司のためにすべてを捨てた真司に残されたものは何もなかった。 男子校に入った真司はまたもクラスメートに恋をするが、今度は徹底的に拒絶されてしまった。 思い余って病弱な体で家を出た真司を救ってくれた美青年に囲われ、彼が働く男性向けホストクラブ に置いてもらうことになり、いろいろな人と出会い、いろいろな経験をするが、結局真司は 晃司への想いを断ち切れていなかった…。 表紙:葉月めいこ様

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

処理中です...