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僕がキス魔ですか
勝負の行方
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「ぃやったっ!」
僕は相手を足で払うと3回戦へ進んだ。
「おー、ケンケン調子いいじゃん。なんかちゃんと柔道っぽい。」
タクミが僕の肩を組んで、覗き込んだ。
こいつはほんと馴れ馴れしい。下手するとほっぺにチューでもしそうな勢いだ…。
僕は護身術を活かしてタクミの手を捻ると、痛がるタクミを後ろから押さえつけて背伸びして耳元で囁いた。
「次に勝ったらタクミと当たるだろ?楽しみにしとけよ。…お前をめちゃくちゃにしてやんよ。」
タクミはなぜかゴクリと喉を鳴らすと、顔を耳まで赤くした。
「…なんか俺、違う扉開けちゃいそう。」
あれ?なんか予想と違う方向いってない?
僕の対戦相手は田中だった。田中はラグビー部所属の男で、目つきも悪いし、見るからにごつい。
でも僕は知っていた。田中は見かけによらず優しい奴だって。
いつも寮の食堂で会うとさり気なく僕のトレーをついでに片付けてくれたりするんだ。
まぁ勝負にはそんなの関係ないかもしれないが、田中のガタイが良いからって怯むことは無かった。
「田中、勝てる気がしないけど真剣にやるからな?」
僕は向かい合うとニヤリと笑って手を伸ばして構えた。
田中はちょっと困った顔をしたけれど、すぐに真剣になった。
僕は田中に捕まったら終わると思っていたので、右に左に掴まれない様に逃れた。
そうはいってもタッパが違うので田中の長い腕に捕まって抵抗した弾みに、床に押さえ込まれた。
僕がはぁはぁ言いながらジタバタしてるので、中々判定がつかなかったけれど、力尽きた僕がギブした時には何故か周囲の視線が僕らに集まっていた。
僕は田中の顔が赤くなって僕の首元にあるのに気づいた。そして田中の一本の腕は背中にまわってキツく抱きしめられていて、もう一本は僕の足の間のお股に回っていた。
いわゆる四方がためってやつだなと思った僕は何て冷静だったんだろう!
そして次の瞬間、僕の腿に触れている田中の股間が硬くなってる事に気づいた僕は冷静じゃ無かった。
「…離して。」
僕は動揺して掠れ声で固まってる田中に頼んだ。
田中はバネ人間の様に飛び上がると、なぜか走って道場を出て行ってしまった。
僕は息を荒げて、汗で濡れた首筋を撫でながらヨロヨロと立ち上がりキョトンとその姿を見送った。
そして振り返るとなぜかみんなの目が僕に突き刺さっていて、僕は思わず顔を顰めた。
「何なんだよ。ふぅ、…田中の奴、勝ったのに何で出てちゃったの?」
「あーあ、相変わらずケンケンは小悪魔なんだから。やっぱりボク、ケンケン面白いから仲直りするよ。
面白い事見逃せないからね。ふふふ。」
知らぬ間に側に居たトモは、そう言いながら僕に抱きついたんだ。
僕は相手を足で払うと3回戦へ進んだ。
「おー、ケンケン調子いいじゃん。なんかちゃんと柔道っぽい。」
タクミが僕の肩を組んで、覗き込んだ。
こいつはほんと馴れ馴れしい。下手するとほっぺにチューでもしそうな勢いだ…。
僕は護身術を活かしてタクミの手を捻ると、痛がるタクミを後ろから押さえつけて背伸びして耳元で囁いた。
「次に勝ったらタクミと当たるだろ?楽しみにしとけよ。…お前をめちゃくちゃにしてやんよ。」
タクミはなぜかゴクリと喉を鳴らすと、顔を耳まで赤くした。
「…なんか俺、違う扉開けちゃいそう。」
あれ?なんか予想と違う方向いってない?
僕の対戦相手は田中だった。田中はラグビー部所属の男で、目つきも悪いし、見るからにごつい。
でも僕は知っていた。田中は見かけによらず優しい奴だって。
いつも寮の食堂で会うとさり気なく僕のトレーをついでに片付けてくれたりするんだ。
まぁ勝負にはそんなの関係ないかもしれないが、田中のガタイが良いからって怯むことは無かった。
「田中、勝てる気がしないけど真剣にやるからな?」
僕は向かい合うとニヤリと笑って手を伸ばして構えた。
田中はちょっと困った顔をしたけれど、すぐに真剣になった。
僕は田中に捕まったら終わると思っていたので、右に左に掴まれない様に逃れた。
そうはいってもタッパが違うので田中の長い腕に捕まって抵抗した弾みに、床に押さえ込まれた。
僕がはぁはぁ言いながらジタバタしてるので、中々判定がつかなかったけれど、力尽きた僕がギブした時には何故か周囲の視線が僕らに集まっていた。
僕は田中の顔が赤くなって僕の首元にあるのに気づいた。そして田中の一本の腕は背中にまわってキツく抱きしめられていて、もう一本は僕の足の間のお股に回っていた。
いわゆる四方がためってやつだなと思った僕は何て冷静だったんだろう!
そして次の瞬間、僕の腿に触れている田中の股間が硬くなってる事に気づいた僕は冷静じゃ無かった。
「…離して。」
僕は動揺して掠れ声で固まってる田中に頼んだ。
田中はバネ人間の様に飛び上がると、なぜか走って道場を出て行ってしまった。
僕は息を荒げて、汗で濡れた首筋を撫でながらヨロヨロと立ち上がりキョトンとその姿を見送った。
そして振り返るとなぜかみんなの目が僕に突き刺さっていて、僕は思わず顔を顰めた。
「何なんだよ。ふぅ、…田中の奴、勝ったのに何で出てちゃったの?」
「あーあ、相変わらずケンケンは小悪魔なんだから。やっぱりボク、ケンケン面白いから仲直りするよ。
面白い事見逃せないからね。ふふふ。」
知らぬ間に側に居たトモは、そう言いながら僕に抱きついたんだ。
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