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僕がキス魔ですか
和也side高まる身体
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体育が終わった後、俺は体育館のシャワールームで順番待ちをしていた。
結局、俺はタクミにギリギリで勝った。
アドレナリンが出たせいなのか、それともそれ以外のせいなのか、身体が高ぶっていた。
俺は田中と漆原が試合していた姿を思い起こしていた。
田中に押さえ込まれた時、漆原は頑張って抵抗していた。
手足をバタつかせてはいたけれど、田中に抱きしめられて、股間に手を回されて、赤い顔をしながらじんわりと汗ばんだ漆原の姿はやけに扇情的だった。
苦しがってうめく声もほとんど喘ぎ声にしか聞こえなかった。
あの試合を見てた誰もが、漆原のあの時の姿だと想像したに違いない。
実際、押さえ込んでいた田中なんかは確実に勃ってた筈だ。
試合に勝った途端、走って道場から逃げ出したから間違いない。
くそっ。俺は自分が高ぶってる事にも、皆があられもない漆原の姿を視姦した事にもイラついて、思わず部屋に向かって歩き出していた。
部屋では漆原が一人でシャワーを浴びてるのは知ってた。
俺自身何がしたくて、何が見たくて部屋に戻ったかはあえて考えない様にしていたんだ。
でも俺は部屋へ向かう足が速くなるのに気づいていた。
鍵を開けるとシャワーを浴びながら漆原が鼻歌を歌っているのが微かに聞こえた。
あいつはひと気が無いと、女みたいな柔らかい声を出す。
俺は洗面台の前に立って、自分でもどうしていいか分からずに鏡の中の自分を睨みつけながら息を殺して高まる体温を感じていた。
漆原の俺の名前を呼ぶ声がする。
シャワーを浴びて、髪から雫を滴らせながら、女のように胸の上までタオルをきっちり巻きつけた漆原が出てきた。
交代すると言いながら急いで俺の後ろをすれ違う漆原の香りを感じた瞬間、俺の腕の中にあいつは居た。
無意識に捕まえてしまった。
今日俺の腕の中に漆原が居るのは2回目だなとぼんやり満足しながら、漆原を見下ろした。
漆原から立ち登る甘い匂いと、不安げに揺れてる潤んだ瞳と、薄く開いた赤く色づいた唇、男にしては随分骨細な華奢な身体を感じると俺は何も考えられなくなった。
漆原が何か文句を言っていたけれど、それを考える前に漆原の雫で濡れた細い首筋が旨そうで、俺は無意識に唇を寄せて舌を這わせて雫を拭った。
俺は自分でも出したことのない甘い声で、優勝したから褒美をくれ、皆がお前を邪な目つきで見るのが嫌だと囁いていた。
漆原は俺を見上げて睨みつけながら、そんなのは自分のせいじゃないと言っていた。
そうだ、お前のせいじゃない。だけどやっぱりお前のせいなんだ。
俺は何だか漆原がちっとも分かってなくて、胸が苦しくなってしまった。
そして嫌われたくないと思いながらも、鈍感な漆原が憎たらしくて細い顎を掴んでいた。
結局、俺はタクミにギリギリで勝った。
アドレナリンが出たせいなのか、それともそれ以外のせいなのか、身体が高ぶっていた。
俺は田中と漆原が試合していた姿を思い起こしていた。
田中に押さえ込まれた時、漆原は頑張って抵抗していた。
手足をバタつかせてはいたけれど、田中に抱きしめられて、股間に手を回されて、赤い顔をしながらじんわりと汗ばんだ漆原の姿はやけに扇情的だった。
苦しがってうめく声もほとんど喘ぎ声にしか聞こえなかった。
あの試合を見てた誰もが、漆原のあの時の姿だと想像したに違いない。
実際、押さえ込んでいた田中なんかは確実に勃ってた筈だ。
試合に勝った途端、走って道場から逃げ出したから間違いない。
くそっ。俺は自分が高ぶってる事にも、皆があられもない漆原の姿を視姦した事にもイラついて、思わず部屋に向かって歩き出していた。
部屋では漆原が一人でシャワーを浴びてるのは知ってた。
俺自身何がしたくて、何が見たくて部屋に戻ったかはあえて考えない様にしていたんだ。
でも俺は部屋へ向かう足が速くなるのに気づいていた。
鍵を開けるとシャワーを浴びながら漆原が鼻歌を歌っているのが微かに聞こえた。
あいつはひと気が無いと、女みたいな柔らかい声を出す。
俺は洗面台の前に立って、自分でもどうしていいか分からずに鏡の中の自分を睨みつけながら息を殺して高まる体温を感じていた。
漆原の俺の名前を呼ぶ声がする。
シャワーを浴びて、髪から雫を滴らせながら、女のように胸の上までタオルをきっちり巻きつけた漆原が出てきた。
交代すると言いながら急いで俺の後ろをすれ違う漆原の香りを感じた瞬間、俺の腕の中にあいつは居た。
無意識に捕まえてしまった。
今日俺の腕の中に漆原が居るのは2回目だなとぼんやり満足しながら、漆原を見下ろした。
漆原から立ち登る甘い匂いと、不安げに揺れてる潤んだ瞳と、薄く開いた赤く色づいた唇、男にしては随分骨細な華奢な身体を感じると俺は何も考えられなくなった。
漆原が何か文句を言っていたけれど、それを考える前に漆原の雫で濡れた細い首筋が旨そうで、俺は無意識に唇を寄せて舌を這わせて雫を拭った。
俺は自分でも出したことのない甘い声で、優勝したから褒美をくれ、皆がお前を邪な目つきで見るのが嫌だと囁いていた。
漆原は俺を見上げて睨みつけながら、そんなのは自分のせいじゃないと言っていた。
そうだ、お前のせいじゃない。だけどやっぱりお前のせいなんだ。
俺は何だか漆原がちっとも分かってなくて、胸が苦しくなってしまった。
そして嫌われたくないと思いながらも、鈍感な漆原が憎たらしくて細い顎を掴んでいた。
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